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#連載小説
& episode 025
僕のオーソドックスな感性を持つクニちゃん。
ハーバードの生活に慣れ、それなりにアグレッシブなマインドへ染まりつつある。
財務諸表論、マーケティング論、コミュニティー論and son on...。
彼女が吸収するもの、広がっていくアンテナを僕は目を瞠るばかりだ。
プログラグラミングにも関心を持ち、深夜、明日のレシピを考えるかのように生き生きとした表情で、構想を練っている。
コードを打つ手
& episode 023
起床は午前5時。
僕の愛しい彼女は、温め直したコーヒーを片手に早々に家を出た。
入れたてのコーヒーがいつも定番だったが、ここではそうはいかない。
僕らは今、ケンブリッジに居る。
晴れてハーバード大学に合格し、MBA取得に向け大忙しのくにちゃん。
大学時代のラクロスは、この日のためにあったんだと思う。と、夜を徹して宿題に取り組んでいる。
オイルサーディンとマッシュポテト、薄くスライスした
& episode 022
りんの挙式は、見事なもだった。
さすが、くにちゃんの同僚。世界を股にかけるスーパーサラリーマンの力強さは、本物だと思う。
世界が混乱に陥っても、必ず助けに来てくれるんじゃないか。
同性の僕ですら、そう感じる挙式だった。
あっぱれ。
本当に、幸せになって欲しい。
りんのあの日の涙を思い出しながら、改めて思った。
感動したのは、式の最中、二人のエピソードの中で紹介されたこんなエピソードだ
& episode 010
六本木駅、徒歩8分。
ある有名芸術家が、小さなギャラリーで個展を開くとインビテーションをもらった。
建築業界というのはゼネコン業務でなければ、華やかな世界だったりする。
大まかに「土木・不動産・建築」を一つのカテゴリーにすると、建築は群を抜いて華麗である。
建築業を営みながらプロダクトデザインを行ったり、出版を行ったり、メディアで露出したり。と、花形スターが存在する。
僕もどんな形かわか
& episode 011
りんはカウンターで信州りんごのジュースで割ったジンをオーダーし、ギャラリーの回覧をしようと言った。
今回の個展のテーマは、「LIFE with clothes」
フォトグラフ、グラフィック、CG、彫刻、プロダクトデザインなど、多様な表現方法で服と生き様を切り取っている。
りんは、一枚のグラフィックの前で足を止めた。
女の子がいかにも好きそうなマカロンカラーでメルヘンチックにまとめられた一枚
& episode 013
ひな祭りの朝は、
「苺大福とお抹茶」
100円均一で見つけた、フェイクの桜の飾りを添えて。
もちろん、大食漢の彼女なので苺大福ではお腹は満たされない。
口直しに、味噌ラーメンと菜の花を炒めたソテーとゴマおにぎりを添える。
どちらが口直しなのか。
なんて、
それは「年度末」という3月に免じて許して欲しい。
この苺大福、男料理の極みという気持ちで、彼女が帰宅する前にせっせとこしらえた。
& episode 014
忙しい3月の朝。
彼女の午前中を支えるのは、「ラーメン」。
塩ラーメンが定番で、長ねぎを多めに刻み、好みで柚子ごしょうを加えたり、柚子を乗せたりする。
飲み会が前日にあった時は、チャーシューもしくは、ウインナーをトッピングする。
このラーメン期のくにちゃんは、全国各地の気になるネギをネットでオーダーする。
本当は農家の直売がいいようなんだけれども、まだそういう農家は少ないようで、もっぱら