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今日もまた零時をまわる
言葉を紡ぐために勤めを辞めたのに
暮らしのためにまた働き始めて再び忙しくなり、
そして言葉を失った
頼りにされて嬉しい
頼られているうちが華だと思う
しかしそうするうちに言葉は形をなさなくなり
私は茫洋とした日々を過ごすこととなる
書こうと思ったところで
言葉は簡単に出てきやしない
言葉を綴るというのは天才でもない限りある程度の訓練が必要なのだ
そして私はどうやら天才の類ではない
訓練し
鳴らなかった携帯電話
8時46分。携帯電話の画面に娘から不在着信。
とっくに学校に行ったはずなのに訝しく思いつつ開くと、メッセージが届いていた。
”痴漢にあった”
ただそれだけを、放り投げるみたいに送りつけてその前後がまるで無い。
時間を見ると今より40分も前に送ってきたもので、電話にもメッセージにも気づかなかったことになる。
慌ててリダイアルすると、今から警察と一緒に帰ってくるという。
「ごめん、電話に気づかな
【小説】場違いにメロウ
「あいつ、どう?」
後部座席から身を乗り出した陽人が、横断歩道を横切る女を見て言う。
「やだよ、汗だくじゃん」
女のランニングは背中がびっしょりと濡れていた。ショートパンツから伸びた脚は筋肉質で、色気など感じられない。
「それに胸もないじゃん。俺おっぱい大きいのがいい」
「でもさ、走って疲れてるから、案外パッと捕まえれんじゃね?」
「やだって。汗くせぇだろ」
仁成がぐずぐず言う間に、女はラン
つまらなく惨めな気持ち
とてもつまらなく、とても惨めな気持ちなることがある
抗いがたく甘美に、僕をどん底へ誘い込むのは
心に巣食うネガティブな自尊心
雨上がりに虹のかかった空を見上げて
「死にたい」
と言ってしまいそうで怖い
ずっと誰とも喋らずに
SNSの世界で生きていることを
母が知ったら嘆くだろう
こんな風に生きるよう
父は教えはしなかった
こんな風で生きてるよう
僕は想像しなかった
何月何日何時何分
どこか