マガジンのカバー画像

大体1000字の読書感想文

18
私の読書感想文まとめ。大体1000文字くらいが書きやすい。
運営しているクリエイター

#読書日記

【読書】愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように

【読書】愛しなさい、一度も傷ついたことがないかのように

踊りと観客、
歌と聴衆、
労働と対価。
それと等しく、愛と傷。

愛したら絶対に傷つく、傷ついたら次が怖くなる。
それでもなお構えず、遠回りをせず、愛しなさいと。
要はそういうことだろう。

きついことを言う。
こちとら大人だ、予防線くらいは張らせてほしい。

愛したい、自分が傷つくことがないように。

ーーーーー

ここ2ヶ月程、体調がおかしかった。
病院に行くタイミングを図りながら(もしこれが

もっとみる
【読書】ライオンのおやつ

【読書】ライオンのおやつ

余命宣告された主人公・雫は、瀬戸内海の島にあるケアハウス「ライオンのおやつ」に入居する。
ライオンのおやつでは、週に一回おやつの時間があり、入居者は自分の好きなおやつをリクエストできる。
例えばそれは、幼少期に母親が作ってくれた豆花(トウファ)であり、例えばそれは父の誕生日を祝いたくて幼い自分が作ったミルクレープだった。

この本は、入居者の方々がリクエストするおやつを通じて、雫が自分の病と現状と

もっとみる
【読書】日々臆測/ヨシタケシンスケ

【読書】日々臆測/ヨシタケシンスケ

「一生 目薬 片目 失敗」
呪いとして、微妙に嫌で、でも基本的に日常に支障はなくて、でも嫌な奴が一生目薬に失敗し続けると思うとちょっとスッとする。

絶妙な呪い、とても良い。

本書は、日常のワンシーンからヨシタケシンスケさんが臆測したことがまとめられている本だ。
本当に些細な日常の風景を切り取っているから、人の頭の中身を覗いているようでワクワクした。

ーーーーー

最近、訳もなく不安になること

もっとみる
【読書】おかしな本棚/クラフト・エヴィング商會

【読書】おかしな本棚/クラフト・エヴィング商會

読書は、私の一番長く続いている趣味だ。
小学生の頃に本を読みながら登下校をして怒られた時から早20年、その間ずっと読書が好きだった。
しかし最近、外に出ている時間が増えたせいで、のんびり浸って読書をする機会がぐんと減った。(このままではいけない、読書をする時間を確保する意識を作らなくては)という思いから、角川武蔵野ミュージアムに行ってきた。

とても楽しかった、読書モチベ大上昇。

角川武蔵野ミュ

もっとみる
【読書】たやすみなさい/岡野大嗣

【読書】たやすみなさい/岡野大嗣

「たやすみなさい」は"たやすく眠れますように"の意で、自分にかけてあげる言葉らしい。
そのタイトルの通り、寝る前に少しずつ少しずつ読み進めていたら、読み終わるまでに半年もかかってしまった。

さて、この本は「私は日常のこんなところが好き」を表している本だ。
俳句(あるいは川柳)という形で、日常のこんなところが素敵だ、エモい、寂しい、楽しいを表現していた。
経験していないけど分かることと、経験したけ

もっとみる
【読書】博士の愛した数式/小川洋子

【読書】博士の愛した数式/小川洋子

先日「どうして理系に進学しようと思ったんですか?」と尋ねられた。

私は両親とも理系出身で研究者をしていたし兄姉も理系に進んでいたから、文系に進む選択肢はそもそもなかった。
けれど、もし何かのきっかけがあるとすれば、その一つは間違いなくこの本だと思う。

この本を初めて読んだのは、小学生か中学生か、そのくらいの頃だった。
数学者の博士が教えてくれる数字の秘密がとても特別なものに思えて、読み終わった

もっとみる
【読書】26文字のラブレター

【読書】26文字のラブレター

「都々逸(どどいつ)」というものを知っているだろうか。
7・7・7・5のリズムで刻まれる、短歌や俳句の仲間だ。江戸時代後期から明治時代にかけて流行し、庶民の間で唄われ親しまれていたそうだ。
最も有名なものはきっと、「ザンギリ頭を叩いてみれば 文明開化の音がする」という一節だろう。

本書はそんな都々逸から恋愛に関するものを厳選し、挿絵と解説とともにまとめたものだ。

読み終わった感想は
「たまらん

もっとみる
【読書】図書館で暮らしたい/辻村深月

【読書】図書館で暮らしたい/辻村深月

久しぶりに本を読んだ。
最近ウマ娘にどハマりし、携帯ばかり触っていたから時間がなかったのだ。
やっと少し飽きて時間ができたので、久しぶりに本を手に取った。

この本は、辻村深月さんの"好き"がたくさん詰まった本だった。
ミステリーやホラーが苦手な私からすると、辻村深月さんの本は面白いのに読めない絶妙な距離感のある本だ。
だからこのエッセイ集を見つけたとき、(読める辻村深月の本があった!)ととても嬉

もっとみる
【読書】それでもあなたは美しい オードリー・ヘップバーンという生き方

【読書】それでもあなたは美しい オードリー・ヘップバーンという生き方

2021/05/07

この本を読もうと思った理由は、単純に「オードリー・ヘップバーンの顔が好みすぎるから」だ。
我が家の玄関には彼女の写真が7枚貼ってあるし、私の2番目に好きな映画は『ローマの休日』だ。
生き方や考え方について学んだら、私も彼女のようになれるかもしれないと思ってこの本を買った。

本を読んだ感想を一言で表すならば、「不屈が過ぎる」だろうか。

オードリー・ヘップバーンは、バレリー

もっとみる
【読書】伝わるちから

【読書】伝わるちから

友人がお勧めしてくれた本だ。
「イモトアヤコさんが線を引きながら読んだっていうから、私も線を引いた。すごく嫌だった。」と話してくれた。
私も本を汚すのがとても嫌だったので、本には書きこまず、いつものように読書ノートに書き写した。

その中でも印象に残った部分を2つだけ紹介しよう。

1つめは、この文だ。

これはバーテンダーさんの話だから、立ち方が第一になっているのだろうけれど、一般の仕事だと第一

もっとみる
【読書】感染症の世界史

【読書】感染症の世界史

2021/01/17

この本を読もうと思ったのは、コロナウイルス関連のニュースの中に、「このような大規模な感染症は30-40年周期に発生し、~」とか何とかいう一文があったからである。
そんなことあるかよと思ってこの本を買った。

読んでいて一番印象に残ったのは、「人間のおへその中には極限微生物がいる」という話だった。
極限微生物。
理系大学生なら知っているかな?くらいの専門的なワードである。

もっとみる
【読書】史上最強の哲学入門

【読書】史上最強の哲学入門

2021/01/17

「史上最強の男を観たいか?!」
「おおおおおおお!!!」

そんな書き出しから始まる本書、分かり易くて楽しいまさに最強の哲学入門だった。

この本を読もうと思ったきっかけは、研究室の先生とのお話だった。
学会で発表する内容の打ち合わせをしていた(というかお叱りを受けていた)時に、「そもそも科学とは~」という話をされた。
自然科学の始まりは哲学だと講義で習ったと私が言うと、「

もっとみる