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【読書】図書館で暮らしたい/辻村深月

久しぶりに本を読んだ。
最近ウマ娘にどハマりし、携帯ばかり触っていたから時間がなかったのだ。
やっと少し飽きて時間ができたので、久しぶりに本を手に取った。

この本は、辻村深月さんの"好き"がたくさん詰まった本だった。
ミステリーやホラーが苦手な私からすると、辻村深月さんの本は面白いのに読めない絶妙な距離感のある本だ。
だからこのエッセイ集を見つけたとき、(読める辻村深月の本があった!)ととても嬉しかった。

短編がたくさんあったから、そのうち2つだけ書こうと思う。


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まずは、アンパンマンの話だ。

バイキンマンの台詞に、「アンパンマンはみんなの太陽。アンパンマンは輝くヒーロー。……そんなやつにこの俺様が負けてたまるか!」というものがあるそうだ。

太陽で、ヒーローで、いわゆるみんながなりたい存在は、バイキンマンにとっては負ける訳にはいかない"そんなやつ"でしかない。
誰の価値観も否定しない、子供向け作品として最高だと思う。

その精神、見習っていきたい。

私は幼少期にアンパンマンを見ていない。
アンパンマンをというか、しまじろうもクレヨンしんちゃんもサザエさんもちびまる子ちゃんもドラえもんも見ていない。
それで何か困ったことはなかったのだけれど、初めて惜しいと思った。

幼少期に出会っておきたかったなあバイキンマン。


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2つ目は料理と母親の話だ。

私が初めて1人で料理をしたのは小学5年生の時だった。
どんな経緯があったのかはまるで覚えていないけれど、なぜか日曜日の夕飯担当を拝命して、4時間以上かけて100個近い餃子を作った記憶がある。
初めて作った料理が餃子だったから、(あとちゃんと教わった記憶が餃子くらいしかないから)、私に取っての母の味は餃子だと思う。

私の母親は家事が得意だ。
料理も得意だと思う。
餃子はタネから作り、ハンバーグも自分でこね、冷凍食品はお弁当に少しだけ、冷凍の野菜すらほとんど使わず料理を作っていた。
外食が好きな人ではなかったから、本当に365日毎日食事を手作りしてくれていた。

大学生になって自炊するようになると、その面倒臭さがよく分かる。
先日、どうしても料理がしたくなくて、色々なメーカーの冷凍餃子を沢山買って1週間近くかけて食べ比べをした。
味自体はどれも大差なく美味しかったのだが、冷凍餃子の便利さにとても驚いた。

冷凍食品が悪だと言いたいわけではない。
それを使うことが手抜きだと思っているわけでもない。
ただ、そういったものを使わずに食事を用意してくれていた、その時間は紛れもなく母が家族にかけた情だったのだと思った。

今のうちにできる恩返しはしていかないとなあと、去年のお正月に喧嘩してからやや距離を取っていた母親に手紙を書いた。


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絵本の話とか、ジョジョの奇妙な冒険とか、温泉とか、豆腐とか、相棒とか、「大丈夫」という言葉とか、書きたい話は何個でもあるのだけれど、また別の機会に書けば良いかなと思う。

この本でしか触れなさそうなこと2選、バイキンマンと母親の話。



おわり。

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