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【読書】26文字のラブレター

「都々逸(どどいつ)」というものを知っているだろうか。
7・7・7・5のリズムで刻まれる、短歌や俳句の仲間だ。江戸時代後期から明治時代にかけて流行し、庶民の間で唄われ親しまれていたそうだ。
最も有名なものはきっと、「ザンギリ頭を叩いてみれば 文明開化の音がする」という一節だろう。

本書はそんな都々逸から恋愛に関するものを厳選し、挿絵と解説とともにまとめたものだ。

読み終わった感想は
「たまらん、きゅんきゅんする。」

江戸時代から今まで、人の感受性は変わっていないのだなあととても思った。
何度も(ねえどんな恋愛してるん。君ならいけるよこんな素敵な文字を書くんだもの。それ以外何も知らんけど。)という気分にさせられた。


とても楽しくて選びきれないのだけれど、気になったものを少しだけ紹介しよう

外は雨 酔いは回ったさあこれからは あなたの度胸を待つばかり

詠み人知らず

は〜〜〜〜〜〜。

きっと大人数でおうちに集まって飲み会か何かをしていたんでしょう。
片付けずに帰っていった友人たちに文句を言いつつ、家の近い2人でお片づけでもしていたんでしょう。
(雨降ってきたから飲み直す流れになったもののなんか雰囲気いつもと違う、ええい仕方がない腹をくくろう、女は度胸だ)という心持ちが見える、知らんけど。  

それにしてもめちゃめちゃ可愛いじゃん、なんなの。
私にも同じシュチュエーション降ってこないの。
いや、降ってきても困るんだけど。


惚れた証拠にゃ お前の癖が みんな私の癖になる

詠み人知らず

わかる。

先日、かれこれ6年くらいの付き合いになる友人と3週間ぶりにあった。
あって第一声に「久しぶり、会いたかったよ」と言われ、続く第二声には「今日すごい可愛い格好しているね、髪もふわふわだし」と言われた。

びっくりだ。

確かに彼女は常日頃から私を魅力のある素敵な女の子としてよく褒めてくれる。
が、会いたかったと、可愛いと、会って第一声で言ってくれた。
モテるなさてはお主?!?!

嬉しかったから、今度誰かに会ったときに使ってみたい。

こういうことの積み重ねで、人は似ていくんだろう。


ーーーーー

そんなこんなで、都々逸。
満喫しました。
身近なキャッチコピーが実は5と7で構成されていたり、5と7のリズム感は不思議と日本人に馴染んでいると思う。

そんなところが面白くて好き。
直情的。



おわり。

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