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【読書】伝わるちから

友人がお勧めしてくれた本だ。
「イモトアヤコさんが線を引きながら読んだっていうから、私も線を引いた。すごく嫌だった。」と話してくれた。
私も本を汚すのがとても嫌だったので、本には書きこまず、いつものように読書ノートに書き写した。

その中でも印象に残った部分を2つだけ紹介しよう。


1つめは、この文だ。

仕事をするにあたって、まず身につけるべきことは、立ち方とおじぎの仕方、歩き方だ。

これはバーテンダーさんの話だから、立ち方が第一になっているのだろうけれど、一般の仕事だと第一は座り方ではなかろうか。
綺麗に座っている人がいたら絶対目を引く。

印象に残るという事はきっと"選ばれる"ために絶対に必要で、ただ座っているだけ・歩いているだけで目に留めてもらえるとすると、それは儲けものだ。


私はここ7年くらいずっとダイエットをしている。
しているというのはうそだけど、(あー、そろそろ痩せた方がいいかなー)と思っている。
その中で一番感じたことは、"日常に組み込んでしまうのが一番楽に継続できる"ということだ。
継続するのがしんどいのは、それをするのが当たり前ではないからで、当たり前にしてしまえばそれはつらいことではなくなる。

それと同じだ。

日常に紛れていることが周囲と、あるいはこれまでの自分と、一段違っていたら、それは紛れもない強みになる。
成長である。
難しいけど、日常を変えられる人は強いと私は思う。


2つ目に印象に残っているのは、

どこにいても、いつも自分よりも優れている人を探していて、見つけると、すぐに興味を持って、好きになって、その人のそばを離れない。だって、何かの才能がある人って、楽しいし、おもしろいし、学べるし、いつも、すごい、すごいと、感動できるって、素晴らしいからだ。ほんとうに。

自分よりも優れている人は、おもしろい。自分と違う人も、おもしろい。

そのことに高校生くらいの段階で気が付けたのは、私の人生で最大のGood jobポイントかもしれないくらい素敵なことだった。
筆者とは違っていて、私は自分より優れている人のことも嫌いになるけれど、でもその人のことをおもしろいとも思っている。実は。

私が人生で一番嫌いな人は、バランス感覚が良い。
好きなこと、好きなものには時間をかけるけど、そうでないものに対しては適当に手を抜く。
手の抜き加減が絶妙だから、大抵のことは70点くらいの仕上がりにできる。
そのバランス感覚が素直にすごいと思う。
性格は超悪いし我儘だし、人生で一番嫌いだけど。


全体を通じて、語感の良い本だった。
その理由は、恐らく、ひらがなの使いどころが絶妙で、例えば、"まわり"とか"すべて"とか"ほんとうに"とか、強く強調するところに漢字を使っていないからだ。
強く強調しているのにもかかわらず、まるみがあったり境界線が曖昧だったり、やわらかな響きが残るのだ。

私、ひらがな、好きだな。



おわり。