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銀河系の中心に潜むモンスターブラックホール
モンスターブラックホールいて座A*天の川は、星が無数に集まった我々の住む銀河系(天の川銀河)を横から見たものです。太陽系は銀河系の端に位置していて、いて座の方向に銀河系の中心があります。その銀河中心には太陽の400万倍のもの質量を持つモンスター級の巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」があります。
周囲の星の軌道を測定し、その中心にいて座Aがあることを発見した2つの研究グループの代表Ge
静かで激しい宇宙の実験室 ー白色矮星ー
人類未踏の極限状態の物理を愉しむ実験室人類の知的好奇心を満たすべく、宇宙の謎を解くためには、見えないものを見る技術が必要です。XRISM衛星の特徴は、なんと言っても高い分光能力(色を見分ける力)。X線も、救急車のサイレンのようにドップラー効果を受けて、運動で色が変わります。その差を1/1000まで見分けるXRISMの能力は、音波に換算するなら、ゆっくり歩くときの音程のズレを聞き分けるような驚異的な
もっとみる宇宙最大の天体 銀河団のダイナミズム
銀河団は宇宙で最大の天体です。
大きさは約1千万光年、重さは太陽質量の10¹⁴倍から10¹⁵倍にもなり、我々が住む銀河系(天の川銀河)のような銀河が数十から数千含まれます。
すばる望遠鏡のような可視光の望遠鏡(光学望遠鏡)で銀河団を観測すると、銀河団は銀河の集団として見えます。一方、X線天文衛星で観測すると、銀河団は全体がぼんやりとした光のかたまりとして見えます。
この光の正体は温度が1億度
はじめに - XRISMでは、宇宙の何を調べるの?
宇宙は一見、冷たくて暗い空っぽの静かな世界に見えます。しかし宇宙からの微かな X線を観測することにより、宇宙は数千万度のプラズマやブラックホールからのジェット、光速の 99%以上の速さで運動する超高エネルギー粒子などに満ち満ちた熱く激しい世界だということが分かってきています。
XRISM 衛星は X 線の「色」をより鮮明に測定できるカメラ Resolve と、満月 1 個分の空の範囲を一度に観測