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二世帯住宅が完成しない #20 5年
先日、結婚5周年を迎えた。
ありがたいことだ。飲食店も「5年もったら安泰」という。
喧嘩もあったが、私達も安泰か。そうであったら、素直に嬉しい。
「結婚記念日、どうしようか。」
安泰夫婦の我々は、阿吽のブレスで外食先を決めた。
ロシスー で シースー
(スシローで寿司)
夫も私も、寿司が好きだ。
それも、安くてうまいやつ。
ということで、スシローで子ども達と4人でテーブルを囲んだ。
3人目妊活中に育休復帰するゾ
私は4月に復帰する。人生2度目の育休復帰。
目を閉じれば、私の育休のエンドロールが流れてくる。
【出演】
娘(3)
息子(1)
夫
【協力】
娘の保育園
会社
【製作】
私
…FIN…
…短いっ。
トイレットペーパーなら大変心もとない長さだ。
エンディングソングは「3月9日」を選曲したが、イントロで終わった。
何はともあれ、楽しかった育休生活は終わりを迎えており、いよいよ私は仕
二世帯住宅が完成しない ~なかがき~
こんにちは…!
え?「アナタ誰ですか」って?(幻聴)
少しご無沙汰していますもんね…。最近更新が途絶えがちですみません…。
「あ~二世帯住宅で色々こじらせてるアイツか…」(幻聴)
そうです!思い出していただけましたでしょうか?
どうも、アイツです!
この連載を楽しみにしてくださっている方も、別にそうでもない方も、いつも読んでくださり、本当にありがとうございます!!
久々の更新かと思いきや
二世帯住宅が完成しない #19 対等
私は、とあるエッセイ本にハマっている。
三五館シンシャの職業日記シリーズ。
私の連載を読んでいる方は「家」にご興味がある方が多いと思うので、シリーズの中ではこちらがオススメ↓↓ 住宅業界の内情も垣間見れるので面白い。
職業日記の著者たちは、皆50代~80代一般の方。人生の酸いも甘いも経験した彼らが、自身の職業で経験した辛かったことを中心に日記形式で1冊の本に綴られている。
現場ならではの理
二世帯住宅が完成しない #18 仏壇
突然だが、皆さんはお仏壇について真剣に考えたことはあるだろうか。
まだまだ先の話でしょ。と頭の隅にもなかった我々は二世帯住宅を建てるにあたって、仏壇問題に直面していた。
「嫌よ!リビングにお義父さんの仏壇なんて辛気臭い!」
ヒステリックな声が実家に響く。
2021年春。我々は二世帯住宅(完全分離型)の詳細設計を進めていた。
新居の親のリビング一角には、家の構造の関係で半畳ほどの凹み空間が1
二世帯住宅が完成しない #17 メール
「ピロリン♬ メールだヨ!」
これを聞くと中学生の私は、条件反射のように母のケータイをつかみ取る。
当時ケータイを買ってもらえなかった私は、母のケータイからメールを送らせてもらっていた。
友人からメールが届くと、私はすぐに返信する。時にはケータイを握りしめ、友人と追っかけるアイドルがMステなどに出ていると、実況するように感想を送り合った。
「山Pキターー!」「萌え~!!!!」などと、なんと
二世帯住宅が完成しない #16 黒歴史
「ママ、若くてキレイだね。」
友人からそう言われると、私は少し鼻高々だった。
母は、早くに結婚出産したのもあって、子どもながらに周囲のママより若く感じた。そして、昔からずば抜けて社交的な性格だった。よそよそしい親戚同士の集まりも、彼女がいれば場が持って助かる。
私は母が大好きだった。毎日ハグしてくれたし、「可愛い」「大好き」と言ってくれた。私はあまりにも「可愛い」と言われるので、「私って、可
二世帯住宅が完成しない #15 ため息
朝4時。私はそっと布団をすり抜け、リビングに向かう。
あたたかい飲み物を作り、PCを開く。そしてnoteを書く。
一番集中できるのは朝。私の頭は冴えている。気分は知的な小説家。
カタカタカタ…と執筆すること2時間。時計を見ると、早くも6時前。そろそろかな。名残惜しくもPCを閉じる。
家族が起きてくる前に、私は、夫のお弁当と朝食づくりに取りかかる。気分は良妻賢母の磯野フネ。トントントンとまな板
二世帯住宅が完成しない #14 キーパーソン
「兄嫁ちゃんがね、あんたは育休中何してるのかなって気にしてたよ。」
へえ。
「兄嫁ちゃんはね、育休中のスキマ時間に簿記の勉強してるんだって。」
エライねえ。
2021年春のこと。
私は第一子の娘を出産してから、5か月が経とうとしていた。
同じく兄嫁も0歳の娘(姪)がいて、育休中であった。彼女と母の会話を又聞きした私は、奥歯にネギが挟まったような違和感を覚える。
「お義母さん、義妹ちゃん
二世帯住宅が完成しない #13 蛙の覚悟
「死にたい。」
そう言われてしまい、私は何も返せなかった。
励まそうと思いつく言葉は、どれも軽く感じ、飲み込んだ。
相手は冗談では言っていない。
本心だ。
「長生きしてもな、ええことないで。」
今年97歳になった祖父が言う。
かめはめ波 並みの説得力だった。
日に日に思うように動かなくなる身体、ひどくなる物忘れ。できないことが増え、自分が自分でなくなっていくような不安感。
やり残したこ
二世帯住宅が完成しない #12 一世一代
Pardon?
英検準2級の面接では、英会話ができずとも、「コレを言っとけば受かる」と聞いたことがある。何を質問されても Pardon?だけで乗り切れると。
和訳すると、
「聞き取りにくかったので、もう一度言ってください。」
サンドイッチマンの富澤さん的に言うと、
「ちょっと何言ってるかわかんないっす」
確かに、これを言うと会場が笑いで湧く。
しかし、残念ながら、人生は英検準2級ほど舐め
二世帯住宅が完成しない #11 禁じ手
「このような家だと、I社では、おいくらで建ちますか。」
ここは、I社モデルハウスの打ち合わせテーブル。
私は、他社である設計事務所が作った図面を、ケインコスギ(似のI社営業)に見せていた。私たちの要望が詰まった間取り図。設計事務所の名前は伏せている。
このやり方は、禁じ手かもしれないが、私は単刀直入に聞いた。
I社は、私たちの理想の家を、どれほど安く建てられるのか。
この日、私がI社モデル
難しい顔して、どうしたんですか?
そう言われ、私は全集中していたスマホから目を離し、顔を上げる。
「あれ…もしかして福くん?!」
びっくりしつつ、私は福くんに笑いかける。
「大きくなって~!眉毛少し整えた?かっこいい!」
私は、チョキの手を自分の眉に添える。10ほど年下の男子を前に、私のジェスチャーはババアだ。福くんは照れてくさそうに笑う。
「今から大学の講義なんですけど、時間あるので寄り道してたんです。」「え、福くんっても
二世帯住宅が完成しない #10 突撃
「いらっしゃいませ!」
白い歯が光る男性が、笑顔で出迎える。彼は、センチュリー21のケインコスギに似たイケメン。スーツは黄土色でなく、上品なグレーだった。
「二世帯を検討中で、Ⅰ社の家ってどんな感じかな~と思いまして。」「ご案内しますよ。」
私は、I社のモデルハウスに足を運んでいた。
ここまでの経緯を説明させてほしい。
はじまりは、父の藪からスティックな発言だった。
「I社で家を建てないか