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営業中心に12ジャンル、私のおすすめの本100選

こんにちは。Magic MomentでAccount Executiveをしています、渡邊(@Yusuke_W8)と申します。

私の両親は割と特殊ないくつかの教育方針のもと私を育ててくれまして、その一つに本を読むとお小遣いがもらえるというものがありました。なので趣味というかもはや息を吸うように本を読み続ける人間に仕上がったりしています。ちゃんと数えたことはないですが、1000冊以上は読んでいると思います。読書の秋ということで、自分の振り返りも兼ねて、その中でも自分の人生とキャリアに影響を与えてくれたと思う本を100選としてまとめてみようと思います。完全に主観なので恐縮ですが、ジャンル別でまとめていきますので、もしよかったら参考にしてみてください。

リーダーシップ(10冊)

もう10年以上も前になりますが、大学時代ラクロス部で戦術リーダーをやっていた私は、チームを率いるということについて非常に興味を持っていました。卒論もリーダーシップをテーマに書いたくらいです。100人を超える大所帯。僕らの代は別格に上手かったわけでもなかったので、激しいフィジカルトレーニングとチームワーク、全員戦で勝たねばなりませんでした。私は別に特別に上手い選手でもありませんでしたし、カリスマ性もありませんでしたから、利他思考や志、サーバントリーダーシップの考え方と、チームの流れを変えるために個人の内面に変化を起こそうとするアプローチを模索していたように思います。

当時かなり極限状況まで体を追い込んでトレーニングしていたのですが、そのときに視座を上げてくれたのがこの本です。こんな苦しい状況でもブラさずやり遂げている人がいるのかと、武者震いがしたのを覚えています。のちにこの本で紹介された主将の中竹さん(株式会社チームボックス)にはリクルート時代に研修でもお世話になりました。

社会人になると、まずはいちプレイヤーとして、営業と人事に向き合うことになります。特に一年目のぺーぺー人事にとって、たくさんの関係者を巻き込まなければ何の成果も残せません。社長や役員の皆さんに、当時いろんなお願いとご迷惑をおかけする中で、相手の立場に立って話す、という基本をたくさん叩き込んでいただきました。その頃読んでいたのがこの本で、お仕事させていただいていた経営の皆さんの器の大きさ、言動と人を動かす力に毎回感動をしていたのを覚えています。

人事の後営業へ異動し数年後、チームリーダーに任用いただいた時に、マネジメントとリーダーシップの違いを学んだのがこの本でした。当時マネジメントとリーダーシップの違いがよくわかっていなかった私にとっては非常に実践的かつ、それまでの経験を整理することができ、学び深き本でした。

チームビルディングする際に私はお互いを知る、ということを非常に重視するのですが、その際にいくつかのサーベイ系をメンバーに実施してもらって、コミュニケーションのきっかけにする、ということをやっていました。そのときによく使っていたのがこの本です。

本の中にシリアルナンバーがはいっており、これを入力してweb上でサーベイを受けるという形になります。34の強みの項目のうち、自分のTOP5がサーベイ結果としてアウトプットされます。これを大項目ごとにプロットして、チームの偏りをみんなで議論したり、”こういうところがあるよね”とそれぞれにフィードバックしあったりしながら、相互理解を深めていきました。ちなみに、私の強みは下記の5つです。
収集心、学習欲、着想、内省、自己確信

サーバント型のリーダーシップ論が根底にある私は、心理的安全性の担保を支持しています。組織の成功循環モデルをメンバーにも伝え、そういうチームづくりを目指していました。心理的安全性があれば、失敗も成功も数多く実行し、チームに共有され成功の確率が上がる。成功すればさらにチームのモメンタムが生まれ成功していくという考えです。この本でも、そうしたチームづくりを学びました。

新規事業の起案を毎年のようにしていた私は、そのころからスタートアップへの志向があったように思います。そんなときに読んでいたのがこの本。たぶん当時は”ふーん、そんな感じか”という感想だったが、ここで書かれていることはスタートアップなら首がもげるほど共感できる内容だと思う。大企業の新規事業は本当に安全性の高い環境、マジでいくらでもチャレンジすべきだと思っています。

最後に、少しだけ毛色の違う1冊を。唐の皇帝、太宗のリーダーシップを描いた貞観政要です。部下の諌言に耳を傾け、戦略から育成に至るまで現代でも通じるいくつもの原則がここでは描かれています。私の目指すリーダーシップ像の一つとしてとても印象深く、あげさせていただきました。


コーチング(5冊)

私のリーダーシップの根底はサーバントリーダーシップのため、コーチングに興味を持ったのは自然なことだったと思います。すでに社会人3年目の頃にはこの本を読んでいました。しかもamazonの履歴みたら2回買っているw

メンバーが12人いた2017年頃、毎週狂ったように全員と1on1をしていたころに読んでいたのがこの本でした。当時は1on1を僕のように狂ってやっている人はそこまで多くなかったように思いますが、今では多くの企業が1on1を取り入れています。このときにたくさんメンバーと対話させてもらったときの気づきや、たくさんの失敗を経て、コミュニケーションの重要さをリアリティをもって気づいていくようになります。

ヤフーの1on1は日本的だなと思える内容でしたが、それとは対極的にスタートアップ的なコーチングだと、この本も非常に面白かったです。シリコンバレーの超巨大テック企業を叱咤激励したビルの言動は、これまでの私が重視していたコミュニケーションともまた異なり、それでいて優しさもある、興味深いものでした。そして、コーチングとスタートアップを接続させ始めたのもこの頃だったような気がします。

リクルートをやめ、同期のコーチング会社を手伝うことになり、コルブの経験学習サイクルを源流としたコーチング理論を一緒につくっていました。よりアカデミック寄りにこの考えを理解するのに、この本はおすすめです。

そしてその同期が先日コーチングの本を出版しました。より実践的な内容で1on1やコーチングを学びたい方は明日使える内容がたくさん含まれていますので、ぜひ読んでみてください。

本書の内容も含めた私の営業コーチングについての考えはこちらのnoteにまとめています。


組織論(13冊)

リクルートは非常に異動や組織の再編成が多い会社でした。どういう思考でこれをおこなっているか理解するために、先輩に勧められたのがこの本です。企業におけるストラクチャーを理解するための基礎に、必ず読むことをお勧めします。

リクルートは面白い会社で、全体としては事業を伸ばすためのトップダウンのカルチャーがメインですが、部署によってはボトムアップのカルチャーも共存する、そんな会社でした。完全に自立駆動する組織と、逆にトップダウンの極みである軍隊組織と両方から、組織というものを考えるために、この3冊を読んでいました。今になって、この考えを取り入れているスタートアップとお話しさせていただく機会も増えており、彼らを理解するのにも非常に役に立っています。

また、卒業という概念や出戻りが盛んなリクルートでは、企業と従業員の関係性も新しい形になります。アルムナイの考え方や、元リクと呼ばれる卒業生で作られる経済圏がいかにすごいのかということにも気付かされました。

人には4つのモチベーションがあり、企業側が示す企業のあり方と合致した時にエンゲージメントが高まるという考えにもこのとき出会いました。「Philosophy(理念)」「Profession(仕事の内容)」「People(人)」「Privilege(名誉・待遇)

組織のサイズについて。一時期小さくて大きな業績を上げている会社がクールだと考えている時期がありました。その時に読んだ本がこちらです。

企業の在り方を考える中で、2021年にかなりバズワードになっていたパーパスについても触れていくことになります。より抽象的な概念理解と、事例からの理解ではこの2冊がよかったと思います。

さらにより具体のマーケティング手法論に寄せていくと、大学時代の友人が博報堂でのお客様とのご提案の中でまとめたメソッドが参考になりました。

スタートアップであるMagic Momentにきてからは、大企業とは違う組織のあり方を考えるようになります。極端な例としてはNETFLIXのカルチャーづくりの考え方にも触れました。

そしてまた一周戻ってきて、トップダウンとボトムアップについて考える機会をくれたのがこの本。企業のフェーズや事業特性によって、どちらがよいかというのはケースバイケースで移ろうものだという理解になりました。

CEOFlowについての和訳解説はこちらのnoteにまとめています。ぜひご一読いただけたら嬉しいです。


スタートアップ(9冊)

リクルートでは徐々にスタートアップへの憧れが強くなり、RINGと呼ばれる起案コンテストに応募を繰り返すようになります。実際に起案が通りMVP検証するなかで、プロダクトの価値について考えるようになりました。そのときに参考にしていたのがこの本です。シェイクの価値=ジョブの話は目から鱗でした。プロダクトの価値という視点をいつも意識するのはこの本を読んでからですね。

起業を考えたり、スタートアップに身をおく中では、さまざまに体系立てて書いてくれている名著をたくさん読みました。この4つは手元に置いておきたい4冊です。

SaaS関連だと、書籍ではないですがSaaS Playbookはとても参考になります。考え方の指針を立てるのに、いつも示唆をくれるコンテンツです。

また、私はファイナンスの基礎知識が全くなかったので、基礎知識を得るための学習を下記の4冊でおこなっています。ファイナンスに矢面にたって仕事をしたことはないため、概要理解にとどまっているかとは思いますが、お金の動きを理解する上では役に立ってくれていると思います。営業職も業界によってはこの辺りの知識がないままキャリアを積まれている方もいらっしゃると思いますが、提案活動の中で資金の流れを理解しておくことは顧客の解像度を上げる助けになるでしょう。


営業(18冊)

私のキャリアで最も向き合ってきた”営業”。本がなければ体系だって自社の営業プロセスを見直すのも難しい世界でした。この複雑で多様な営業の世界を歩く羅針盤としての、珠玉の18冊です。(前提としては私のキャリアがBtoBセールスになりますので、その視点からの参考になる書籍を選出しているとご理解いただければと思います)

まず、若手営業パーソン、とくに営業1年目に絶対読んでほしいのがこの本です。出版自体は最近ですが、もし私が社会人1年目にこの本の内容をがっつり体得していたら人生変わってただろうなと思います。根性論や、たまたまのナレッジ共有ではなく、科学的かつ具体的な内容がこれでもかというくらい詰め込まれています。

リクルートで個店向けの営業をしていたところから、異動して法人営業をやるようになったときに部長にお勧めしていただいたのがこの本です。ベーシックな与件整理や課題設定、問題と課題の違いなどをきちんと理解できたのはこの本がきっかけでした。

顧客価値とはなにか?の出発点は顧客の事業構造の理解だと思っています。そして動かしうるドライバーを理解し、ステークホルダーを強く巻き込みながら自社のソリューション(開発も含めて)でその課題を解決していく。この基礎的な因数分解を学べるのがこの本です。これができないと逆に常に課題設定がぶれてしまいます。いつでも立ち返ることができる事業ドライバーの特定は、マジで重要です。

こうした数字は、既存顧客だけでなく、未取引の顧客についても、IRからたくさん読み取ることができます。経年でいくつかのIRを追うことで、企業がその開示で伝えたい情報ではなく、ファンダメンタルにどういう状況になっているかを分析できるようになります。ドライバーに人モノ金が投資される、そこに自社の提案価値を見出せるか、というのが営業の必須条件になると思います。

特にエンタープライズセールスでは、営業のコミュニケーションスタイルによって、結果は大きく変わります。この2冊は穴が開くほど読みました。

このチャレンジャーセールスモデルのカウンターパートとなる、バイヤー側のキーマンを探す手法について書かれたのがこの本です。顧客側のChampionをどう探索し攻略するかについてです。

既存顧客へのアカウント営業における攻略の考え方がまとまっているのがこちらの本です。薄めの本ですがエッセンスが超詰まっています。

ここからは、TheMODEL型を基本とした分業型セールスについて参考になる本をご紹介します。まずは、弊社Magic Momentの思想にかなり近い書籍として、アクセルをご紹介します。日本の営業実態から見ると、やや未来地図的にもなっているので、この本で営業の未来を想像していただけると良いと思います。

そして日本にTheMODELを広めたこの本。

MAとインサイドセールスで実現できる世界はこちらに。

Salesforce黎明期にインサイドセールス組織を立ち上げ、巨額のレベニューを築いたアーロン・ロスの「成功しなきゃおかしい」。インサイドセールスから始まる超効率的なセールスプロセス全体像を理解するには必読です。

日本でのインサイドセールス第一人者といえばこの方でしょう。ビズリーチでのかなり具体的なエピソード含めてリアリティ持って組織構築について理解できます。

カスタマーサクセスの青本。これはCSだけでなく全ての営業に読んでほしい。顧客との価値共創を行う美しいビジネスモデルであるSaaSを理解し、SaaSだけでなく顧客のサクセスに向きあうきっかけにしてほしいです。

大転職時代に向かうにあたり、セールスイネーブルメントの重要性はましています。イネーブルメントの概念を日本で広めたのはこの本でしょう。

そしてこのジャンルで新しいチャレンジをしているのがナレッジワークの麻野さんですね。

2021年はProduct-Led-Growth(PLG)がもてはやされた1年でした。その中心にあったのがこの本。

PLGとSales-Led-Growth(SLG)についての解説は別途noteでも書いていますのでぜひご覧ください。

最後にエンタープライズセールスの超具体的かつ体系的な内容がまとまっているのがこちら。今のボスの島本さんにおすすめしてもらいました。本当に名作なので全エンプラ営業パーソンに読んでほしいと心から思っています。

5回連続でnoteで解説していますので、英語はちょっと・・・というかたはぜひこちらをお読みください。

The Qualified Sales Leader解説①B2Bセールスのプロセスは不可逆な一連の流れだ
The Qualified Sales Leader解説②Scopingの3つのジャーニー
The Qualified Sales Leader解説③Championを見極める
The Qualified Sales Leader解説④Championを握れているとはどういうことか
The Qualified Sales Leader解説⑤Economic Buyerとのミーティングで準備すべきもの


思考法(9冊)

考えるということには一定の型があると思っていて、その基礎を徹底的に叩き込むべきだと思います。その時の必読書がこの4冊。

経営に近い仕事をするようになったら、読むべきがこの「具体と抽象」です。それまで具体的だった業務が、急に抽象度が高くなりついていけなくなることがあると思います。そしてその抽象度へは、経験をもってしか発想にたどりつくことができない。だからその箱を開けるための訓練をしましょうという話です。

細谷さんの本では、アナロジー思考もお勧めです。目の前の事象を具体でとらえるのではなく、抽象化処理し、他に転用する。これは事業アイデアやものごとの理解のフレームとしても非常に有用で、常に意識しておきたい考え方です。

マーケティング的な考え方もそうなのですが、物事をダイナミックに動かしたい、という勇気をくれるのがこの本です。刀の森岡さんの言葉は、いつも力強く、渋沢栄一的な日本を変えようというカッコよさがあってとても元気をもらっています。

期を待つ、その時に大きく伸ばす、そのためのリソースの貼り方の考えかたを学んだのがこの本です。割と博打的に生きている私の人生はこの思想にすごい影響されました。

最後に、基礎スキル的なところですが次のプレゼンにもつながる本としてこちらを。わかるということは、正しく分けることができるということだと改めて思った1冊です。


プレゼン(3冊)

営業推進はエクセルと毎日睨めっこする仕事と言っても良いです。運用が容易で、他者が見てもすぐ構造が理解でき、それでいて早く仕事を進めるためのさまざまな工夫が必要です。この領域は絶対的にコンサルや外銀の得意領域ですので、そうした本から学ばせていただきました。

プレゼンの空パケ=ゴールイメージを頭の中で想像しながら、1回目の打ち合わせでのヒアリングを行い、打ち合わせ終了時点で内容がFIXしているというベテランコンサルの生産性の高さに驚きました。

そしていざ紙に落とす時。当時営業推進で2000名近い事業メンバーへ期の方針を伝えるキックオフ資料を担当していた私は、キーメッセージをきちんと全員にとどけるための表現はどうしたらよいかに悩んでいました。ソフトバンクのIR資料などを手がけた前田さんのこの図鑑が一番基本のパターンを網羅しており、基本表現の参考にさせていただきました。


落合陽一(5冊)

デジタルネイチャーが出版される少し前から、私は落合陽一さんの考え方に興味を持つようになり、彼の本や彼のお勧めする本を読むようになりました。彼は現在に至るまでたくさんの本を書いていますが、さまざまなイシューに対して彼の思想を反映した本が多くなっており、そのエッセンスが一番詰まっているこの2冊をお勧めさせていただきます。

そして彼の思想の源流にある本としてこの2冊を。科学もその大元は思想だということ、思想があるからそれを叶えようとたくさんの叡智が集まり具現化されていっているということを学べ、とても胸が熱くなります。

最後に、彼がお勧めしていたこの本を。

リクルート社長の出来場さんと、KAIZEN Platformのすどけんさんとの「世界は落下している」という話が私は好きなのですが、世界は見えざる何かの力によって一方向に動いていると思っていて、その端緒を見ることができるこの本がとても好きです。


歴史(6冊)

高校時代、地理マニアだった私は、あまり歴史に興奮するタイプではないのですが、人にフォーカスを当てたものより、全体の流れを俯瞰して解説してくれている本は好きだったりします。

SNSがない時代でも、物事は複雑性の中でものすごい大きなうねりになりうる(バタフライエフェクト)ということだったり、当たり前だと思っている時間の概念も、その起こりとこれまでの解釈の歴史をたどると、自分自身の時間への捉え方も色々な見方ができると感じるようになりました。

人類の歴史全体感解説シリーズ、ハラリの2作品はもちろんお勧めなのですが、ビルゲイツがお勧めしていた「暴力の人類史」は本当にお勧めです。
人間の本来持つ残虐性と、このたった数十年でそれが全く異なる様相になっているということ。もちろん、凄惨な事件はやむことはありませんし、メディアの発達により、僕らにとってそれは身近なことに感じられる距離感になり、絶望することもあると思います。それでも、ファクトだけを客観視すると、世界は(少なくとも暴力性の観点では)めちゃくちゃいい方向に変わっているということ、世界の見方を変えてくれる1冊でしたし、ビルゲイツが莫大な資産と時間をベットしているイシューについて、少しだけ理解ができたような気がします。

最後に、Pivotの佐々木さんがお勧めしていたのがこの日本人の人生観。
神や家の概念が、現代では会社におけるお偉いさんと自組織の関係性に反映されているという概念は、日本企業、特に大手企業というものを理解するのに非常に示唆深いものでした。


心理学(2冊)

人生、辛いこともあります。心理学的な学びは、自身の心の動きを客観視させてくれるいいきっかけになりました。

フロー体験は今の仕事を”楽しい”と無心で取り組めているかを考え、その前提となる条件を解説してくれています。これが全部揃うことは難しいかもしれませんが、そろえる努力はできるかもしれませんし、揃わないなら別の場所へ移るという判断もあっていいと思います。

人には発達段階というものがあり、その発達には個人差があると言われています。発達段階を乗り越えるタイミングは認知的不協和が発生しやすいですので、辛い気持ちなってしまうことも多いです。また、発達段階が違う相手との対話では、相手の言動が理解できないということもあるでしょう。そうした悩みの根底にある発達段階というものを理解するために、この本はとてもお勧めです。核家族化や都市への人口集中が進む中で、日本人は世代間を超えた交流が減ってしまい、こうした気づきを得るきっかけが少なくなっていると思います。人間関係の悩みの処方箋の一つとして、おすすめさせてください。


リクルート(7冊)

私が約7年在籍させていただいたリクルートでは、辞めた今だからこそわかるさまざまな強い仕組みとカルチャーがありました。いろんな本がありますが、この7冊を読んでもらえれば概要理解できると思っている本をご紹介します。

まずは創業者の江副さんのヤバさが伝わるこの2冊を。
「自ら機会を創り出し 機会によって自らを変えよ」
は本当にずっと大切にしたい言葉です。
また私は幸運にも、この本で紹介されている方とお仕事を少しだけ一緒にさせていただく機会がありました。物腰やわらかく、それでいて社会に対しての捉え方がやはりかなり大きく、ダイナミックに考えている。自分の視座が低くなっていないか、いつも自問したいなと思います。

リクルートは「Keep Young」や「自分よりすごいやつを採れ」など、若手への期待を大きくかける会社でした。その根底にあるのが、創業メンバーの一人、大沢さんのこの本です。リクルートという会社のエネルギーの源泉をしることができるこの本は、若手メンバーが多くなるスタートアップでも必読の書です。

私の古巣のHotpepper事業を理解するにはこの2冊。中の人として事業拡大を経験された平尾さんの解説と、外からそれを見て経営学的に解説いただいている楠木さん。戦略と実行は不可分で、それを繋ぐのが”事業価値”のストーリー。これは私が現在お客様と営業プロセスで対話するなかでもすごく大事にしている概念です。SaaSであればなおさらですね。

新規事業開発室にいた私が、別の部門に異動した後に読んだのがこの本。改めて事業を創るということを再整理できたのがこの本でした。そして、グロースの経験がない私はグロースの経験を求めてMagic Momentに入社することになったのでした。

そして、元リクと呼ばれるリクルート卒業生がスタートアップを起業するとどうなるか、ということがわかるのがこの本。すでにスタートアップとはいえないくらい大きくなったじげんですが、平尾さんの思考に垣間見るリクルート的な発想がすごく参考になりました。


その他(13冊)

ジャンルわけをするほどの冊数があるわけではない本たちを最後にご紹介します。

まずは、社会人として基本のこの2冊。何も説明いらないと思いますが、マストで読みましょう。

働くということの意味について、思いを馳せるきっかけをくれたのがこの本です。私の社会人人生の最初の上司が、異動のときに同期メンバー全員にプレゼントしてくれた本でした。当時の同期は散り散りになり、リクルートに残る者、卒業してそれぞれの道にすすむ者、いろんな形になりますが、どこかでまた接点を持って一緒に仕事ができたり、これからも線が複雑に交錯していくと思います。仕事って、人って、人生って、と1年目ながらに考えるきっかけをもらえたのはとても幸せなことでした。

人としてのあり方はこの本で。

この本をきっかけに、ハーバードビジネスレビューを買い漁るようになり、経営視点に想いを馳せるようにもなりました。

未来を考える思考はこの本で。

かなり昔の本ですが、ユダヤの根底に流れる”信頼される人間”や、”人生観”は日本人ともまた違い、とても参考になる本でした。

日本の未来を、具体的な戦略に落としてくれているのはこの本。日本のトップクラスの方の思考も学べるエキサイティングな内容でした。

先ほどご紹介した暴力の人類史でもそうでしたが、私たちの世界への認知は歪んでいます。明確なファクトをもとに、正しく世界をとらえることはとても重要です。そんな、認知矯正を行うならこの本で。

データだけでなく、わたしたちの思考は言語に縛られています。日本語で表現できない感覚は日本人は認知できませんし、逆に日本語だけで表現できていることで日本人のみが認知できる感覚もあります。そうした、言語による思考制約を感じられるのがこの本。割と衝撃かもしれません。

そして、データやロジック、言語による思考は模倣が容易です。美という感覚を様々なアートから摂取しながら、自分だけの感覚を磨いていくこと。これからの必要とされる人間はこういう習慣が必要だとも思いました。”社会彫刻”ということばにもこの頃出会い、会社をつくること、事業を行うこと、組織をつくること、その全てはアート=社会に対して自分が何を残していきたいか、なのだとも感じるようになったきっかけの本でもありました。

一部では陰謀論すらあるのですが、アメリカではめちゃくちゃ人気なのに日本ではほとんど認知されていない、このアイン・ランドの「肩をすくめるアトラス」。世界を変えたいと思っている全ての人にお勧めしたい小説です。めちゃくちゃワクワクします。

最後に、メメント・モリ。死を想うこと。いつになるかわからない「死」、そしてだいぶ先かもしれない「死」。ここに視野を引き伸ばすことで、現在の具象の捉え方は大きく変わると思っています。たいていのリスクはただのイベントとして楽しめるかもしれないし、踏み越えてはいけないリスクもあるかもしれない。人間の根底にはいつも「死」がある。それを教えてくれたのがこの本でした。

100冊のご紹介ということで、いつもながらに長文のnoteになりましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

どの本も自信を持ってお勧めできる内容ですので、もしご興味を持っていただけた方は本を手に取っていただけたらと思います。これからも本を読み続けていきますので、ぜひ本好きの皆さんと繋がれたらと思います。


営業とか、本とか、キャリアとか、いろいろ気軽に話しませんか?
もちろんMagic Momentのこともお話しできますのでお気軽にお声がけください。


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