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【経営学40】BTOとは?

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はじめに

今日は、比較的短い内容になる予定です。
というのも、誰しもが知っている言葉だからです。

しかし、本質的にはとても重要な気付きがあると思うので、あえて解説させていただきます!

ということで、今日取り扱うキーワードは「BTO」です。

IT企業に勤める皆さんはよくご存知の単語で、それ以外の業種においてもすでに浸透しきっているといって差し支えないと思います。
この言葉の解説を通じて、今日は経営の本質的要素を勉強していきましょう😁



1.BTOとは

BTOとは、Built To Orderの略称で、日本語では、受注生産方式を意味する単語です。

最も有名なBTOメーカーといえば、DELLです。
DELLでPCを買ったことがある人は意外と少ないと思うので、簡単にご説明しますと、DELLでは、基本的に電話又はネットからPCのスペックを指定して注文します。
その後、DELLがその指定スペックどおりのPCを海外で作って、家まで届けてくれます😁

ヤマダ電機やヨドバシカメラなどで売っているような、すでに完成されているPCを買うのではなく、自分の必要とするスペックだけを備えたPCを買うという買い方です。

PC以外にも、車、靴、バイク、家電製品、大型重機などの分野でも受注生産方式は活用されています。

また、広い意味では、注文住宅などもBTOといって良いかと思います。
自分好みの機能、間取り、家具家電を選んで、注文をして、数ヶ月かけて家を建てていくという方法です。
もちろん建売住宅よりは高くなる傾向がありますが、全部自分で好きなように設計できるので、お金をある程度有する家庭には人気の方式です。




2.BTOのメリット


(1)生産者側のメリット


この方式のメリットは、生産者側(メーカー側)としては、完成品の在庫を持たなくて良くなるという点が挙げられます。

受注生産方式の逆は「見込み生産方式」で、この方式は『このくらいなら売れるだろう』という予測に基づいて、完成品を作り、その在庫を売り捌くという方法です。
見込み生産方式だと、どうしても在庫を抱えなければならず、売れ残った場合は不良在庫を抱えることになります。

例えば、分譲マンションなどを思い浮かべてください。
100戸ほどある大型のマンションを建築し、それを販売する場合、出来立てホヤホヤの綺麗なマンションであればある程度売れるとは思います。

しかし、ちょっとでも市況が悪化したり、評判が悪くなったり、選ぶ駅を間違うと、売れ残りが発生します。
不動産会社も1戸数千万円もする在庫を抱え続けるわけにはいかないので、新築後1年以上経っても売れないマンションは、大幅に値引きされて中古として販売されることになります。

不動産の世界は、数百万円の値引きは当たり前の世界なので、それほどの値引きをしてでも売らないといけない在庫リスクは相当なものです。

PCや電化製品などでも同様で、数ヶ月置きに新製品や新機能が出てしまう分野なので、常に在庫リスクを抱えています。

この点、受注生産方式(BTO)であれば、部品や部材だけ揃えておけば良いので、完成品在庫を抱えるよりは不良在庫を抱えるリスクを抑えられます。
というのも、完成品の場合は流動性が低いのですが、部品や部材だけならばまだ流動性が高い(他社に売って使ってもらえる)からです。
売れそうにないという状況になっても、材料だけ別に売ってしまえばなんとかなります。

在庫地獄


(2)消費者側のメリット


続いて、消費者側のメリットを考えてみましょう。
消費者が、BTOを利用する場合、最大のメリットは、自分の好きなもの、理想的なものを買えるという点でしょう。

経営学の教科書には、たまに「安く買える」という点がメリットだと述べているものもありますが、むしろ既製品を買う場合より高いケースの方が多いと思うので、メリットとは言い難いでしょう🤔

なぜ高くなるかというと、大量生産がしづらいからです。

BTOは、消費者側からの注文を起点に作り始めるので、全く同じ注文が大量に入るなどの事情がない限り、大量生産はできません。
その結果、個別に対応せざるを得ず、生産コストがより多く発生するのです。
それゆえに、BTO商品の多くが、ある程度高い価格で販売されています。

ただ、消費者は、自分の欲しい機能だけを注文することができますし、場合によっては、既製品とは異なる色や形で注文することもできるので、理想に近い商品を手にすることができます。
それこそが最大のメリットだろうと思います。

このメリットは、注文住宅をイメージするとわかりやすいです。

建売住宅は、構造上どうしても似たりよったりになりますし、使い勝手もそこまで考慮されておりません。
各家庭にはそれぞれの生活感があり、動線があるので、建売住宅にぴったりな生活という人はほとんどいないでしょう。
しかし、注文住宅ならば、自分の好きなように設計できますし、好きな家具・家電を選べますから、自分たちの生活に合わせた理想的な家に近づけていくことができます。

その方が愛着も湧くでしょう😁

家って難しいですよね



3.BTOのデメリット


(1)生産者側のデメリット


生産者側のデメリットは、ビジネスモデルの設計が非常に難しいという点が挙げられます。

消費者側にどこまでの選択肢を与えるのか、その個別性にどう対応するのか、課題は山積みです😱
受注生産方式は、たしかに在庫リスクが低くなりやすいですし、確実に売れるというものを世に送り出せるビジネスモデルです。

しかし、そのモデルの構築と維持には相当なコストがかかりますし、そこまでの需要がBTOにあるのかどうかもわかりません。

多くの人間が「高いんだったら既製品でいいや」と思ってしまうでしょうから、そもそものターゲット層が薄く、顧客が少ない領域で戦わざるを得ない点も大きなデメリットです。

わざわざ高いお金をかけてまでその商品を欲しいと思っている人が世の中にどれだけいるか。
その点を事前にしっかり調査し、BTOでも利益が出せるのかどうかについて検討が必要でしょう。

マイノリティを対象にしたビジネスモデルといえそう



(2)消費者側のデメリット


続いて、消費者側のデメリットについては、先程述べたとおり、値段が高い傾向があるという点です。

個別の注文に対応してもらう以上、どうしても生産コストがかかってしまうため、通常は既製品よりも高くなってしまいます。

また、既製品をその場で買い取るよりも、製品を手にするまでの時間が長くなりがちです。
注文から納品までにかかる時間を「リードタイム」といいますが、リードタイムが長くなっても構わないという商品でない限り、BTOで買うことはできません。
急ぎで必要なものについては、BTOは利用しづらいのです。

せっかちには向かない買い方




4.BTOから学べること

さて、やっと本題に入ります。

BTO自体は昔からあるビジネスモデルの一つなので、そこまで珍しいことではありません。
今では様々な企業がBTO又はBTO亜種(例えば、いくつかのパターンの中からオーダーしてもらうパターンオーダー方式など)を活用してビジネスを展開しています。

このBTOから学ぶべきことは何でしょうか。

私は、

「買手を先に見つけてくることの重要性」

だろうと思います。

受注生産方式は、完成品在庫のリスクを抑えることを目的に生み出されたビジネスモデルだと思いますが、「買手が確実にいるものを売る」ことに本質的な価値があると思います。

買手を先に見つけてきて、その後商品を揃えるという方法なら、損をすることはほぼありません。
これってビジネスの本質だと思いません?🤔

特に小規模ビジネスにおいて最重要な考え方だと思うのです。

小規模ビジネスでは、ほんの少しのミスが命取りになります。
資金力も生産力も営業力もブランドも何もないのですから、売れるかどうかわからないものを売るなんていうリスクは極力取らない方が良いです。

そういうリスクを取っている時点で、成功がかなり怪しくなります。

小規模ビジネスこそ、買手を先に見つけてきて、その後商品なり、サービスなりを作る方が合理的です。
ほぼ勝てる勝負をして、利益を積み重ねていき、その利益がある程度大きくなった時点でリスクの高い商品・サービスに手を出す方が良いでしょう。

BTOの事例としては、DELLやナイキ、ハーレーダビッドソンなどの大手企業ばかりが出てくるので、一見すると大手企業しか成し得ないビジネスモデルのように思いますが、本質的な部分は中小企業でも同じ発想ができると考えています。

自分が作ろうとしている製品、売ろうとしている商品、行おうとしているサービスについて、まずは買手を見つけてくる。
買手が見つかってから、どうやって作るか(提供するか)を考える。

ビジネスの成功法則の一つだと思うんですよね🤔
難しいことですけども。


おわりに

ということで、今日はBTOについて解説させていただきました。
誰もが知っている有名な単語だったと思いますので、知識のおさらい程度の記事だと思ってくださいませ😁

ちょっと視点を変えると、転職市場でも買手を見つけることの重要性は同一だと思います。
自分がこれから身につけようと思っている能力や経験を獲得できた後、一体どんな会社がその能力を欲しがるのか。
需要のあるスキルや経験は一体なんなのか。
そういう視点で日々転職市場の求人を見ていると、自分が進むべき道が見えてくるかもしれません。

求人案件は、今の時代はいくらでもタダで見れますから、日頃から転職サイトに登録しておいて、内容をチェックしておくと良い情報収集ツールになります。

WARCが運営するSYNCA(シンカ)も、ベンチャー企業の経営管理部門に特化した転職サイトなので、必要であればお使いください。
もちろん無料です。

経営管理部門の専門職でいうと、経理・財務・人事はずっと需要があるんですよね🤔
経理財務については需要が落ち込んでいる時期をまだ見たことがないです。

会計の汎用性の高さを思い知らされますね。

一方で、私の専門分野である法務は…
ははは(´;ω;`)


では、また書きます。


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【著者情報】

著者:瀧田 桜司(たきた はるかず)
役職:株式会社WARC 法務兼メディア編集長
専門:法学、経営学、心理学
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