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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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記事一覧

【読んでみましたアジア本】2025年を前に読んでおきたい、お薦めアジア本5冊

2024年も最後1週間。今年は正月早々、能登半島沖地震が起き、羽田空港では航空自衛隊とJAL機の衝突と、とにかくあまり心穏やかではなく始まったので、あまり良い思い出がないという人もいるだろう。筆者も同じで、個人的な体験でも納得いかない出来事が多かった。

そんな気持ちを整理する意味でも、年始年末は思い切って読書に没頭するのも良いかもしれない。どうせネットを開いても、テレビをつけても、毎年似たような

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【読んでみましたアジア本】食べて、知って、読んで、楽しむ:崔岱遠・著/李楊樺・画/川浩二・訳『中国くいしんぼう辞典』

月初めに東京に中国や香港の映画を観に行ったとき、もう一つ楽しみにしていたのは、昨今東京界隈で激増しているいわゆる「ガチ中華」だった。

ネットやSNSではすでに、あれも、これも、どれも、すでにここまで……!というほどさまざまな「今の中国で普通に食べられている中華料理」が、中国からの留学生、そして移住者の激増によって、どんどん日本に流入している。彼らをお客として狙って展開されるだけではなく、日本への

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241130 【ダイヤモンド・オンライン寄稿】難病発症で“安楽死”を選んだ40代女性の「カウントダウン動画」に批判殺到 中国

この秋、中国ではさまざまな女性の話題が続きました。それぞれ別のテーマ、案件で、批判/賛成を集めていたのですが、それらを読みながら感じたのは、間違いなく中国の女性、特に30代から40代の女性たちは、経済的な独立性を手に入れて、ますます自分の「生き方」や「言葉」を手に入れているということでした。

今回の記事では二人を取り上げました。最初にご紹介したのはスタンダップコメディエンヌの楊笠さん。彼女を巡る

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【読んでみましたアジア本】時代を記録し、時代を紡ぎ、時代の哲学を説く:残雪・著/近藤直子・訳『蒼老たる浮雲』(白水Uブックス)

今年のノーベル文学賞は、韓国の韓江(ハン・ガン)に贈られた。アジア人女性としては初の受賞で、アジア文学、そしてアジア人女性、などさまざまな視点から見て画期的な一歩となった。

受賞理由は「歴史のトラウマと向き合い、人の命のはかなさをあらわにする強度の高い詩的散文に対して」(毎日新聞より)とのこと。筆者はまだ彼女の作品を読んだことがないので、なにも語れるものはもっていない。ただ、SNSで流れてきた、

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【読んでみましたアジア本】「異」と「記憶」に苦しめられる「脱北者」たちの姿、しかし彼らの過去は見えない/チョン・スチャン・著/斎藤真理子・訳『羞恥』(みすず書房)

みなさんは、「異文化」とはどのようなものだと思っておられるだろうか。

もちろん、その意味を調べると、「生活様式や社会習慣、ものの考え方などの異なる文化」(https://x.gd/Gw1Mk )とある。

ならば、そんな「異なる文化」に接した時、自分はどう処すべきなのか――たぶん、今の日本で「異文化」と聞いたとたん、最も多くの人たちがそれを考えるのではないだろうか。

実際にはそうした「異文化」

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240925 【緊急寄稿/ダイヤモンド・オンライン】中国・日本人男児刺殺事件、「本当に申し訳ない」多くの中国人が涙した“父親の手紙”の中身とは

240925 【緊急寄稿/ダイヤモンド・オンライン】中国・日本人男児刺殺事件、「本当に申し訳ない」多くの中国人が涙した“父親の手紙”の中身とは

中国深セン市で日本人学校に通っていた、10歳の男の子が正体不明の男に襲撃されて亡くなってからまる1週間が経ちました。あまりの衝撃的な事件は、日本社会だけではなく、中国人社会の中にも激しいショックをもたらしています。

ただ、事件から1週間が経ち、中国当局側からもたらされる情報はあまりにも少なく、その間日本メディアは焦点を中国における「反日教育」に絞って集中砲火を浴びせています。

中国社会では、「

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【読んでみましたアジア本】びっくり、ただの漁村じゃなかった植民地前の香港:魯金・著/倉田明子・訳『九龍城寨の歴史』(みすず書房)

【読んでみましたアジア本】びっくり、ただの漁村じゃなかった植民地前の香港:魯金・著/倉田明子・訳『九龍城寨の歴史』(みすず書房)

今年6月、ちょうど香港デモ5週年にあたるということで津田大介さん主宰の「ポリタスTV」で香港の話をした(https://youtu.be/8k_6Kfib-aI?si=-LMaalDAepLvOgMJ )。

その「香港の話」なのだが、実は当初、津田さんからご相談をいただいたときは「デモから5年になりますし、この5年間の香港の変化について」というお話で、筆者もそれで話をするつもりで準備を進めていた

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【読んでみましたアジア本】さまざまに読み比べて知る、「廃れない本当のルポルタージュ」/高野秀行『アヘン王国潜入記』(集英社文庫)

自分でも意外だが、振り返ってみると、この「読んでみましたアジア本」ではもう何冊もミャンマー(ビルマ)に関する書籍を紹介してきた。

いつも、韓国や中華(主に嫌中、あるいは好台)本を除いて、「日本にはとにかくアジアをテーマにした本が少なすぎる!」とぼやきながら書籍を選定しているが、ことミャンマー本に関しては、個人的には特にこの国に思い入れはないのだが、読んでみたどの本も大変印象に残る興味深い本となっ

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【読んでみましたアジア本】一般論ではわからない事実、残酷な現実を知ること/林奕含・著、泉京鹿・訳『房思琪(ファン・スーチー)の初恋の楽園』(白水社)

あれからそろそろ1年が経つ。振り返ってみても、まさかAがあんなふうに人生を終えるとは思ってもいなかった。

AとはTwitter上で知り合った。当時の中国のネットは、時々海外のページにアクセスできないことはあったものの、今に比べるとまだまだずっと自由だった。モバイル前の時代だったから、中国でネットを使っている人たちといえば、PCを持っているか、学校の図書館やコンピュータールーム、あるいは職場などで

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【読んでみましたアジア本】ねっとりとまとわりつく空気の中であえぐ女性たちを描く:賀淑芳・著/及川茜・訳『アミナ』(白水社)

「純真なアジアの人たち」

かつて、このような主旨の形容を使ったコメントを受け取ったことがある。そのコメント全体の文脈が、わたしの原稿に対する批判だったのか賛同だったのかはもう覚えていない。わたしの目はその表現に釘付けになった。

もし、それが観光PRのコピーならまだわたしもやり過ごせていた。だが、わたしの書く記事への感想として堂々とそういう表現を使ってくる人はいったい何を見てそう思っているのだろ

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【読んでみましたアジア本】画一的な中国観・中国人観を打ち破るには最適の一冊/ケン・リュウ選『金色昔日:現代中国SFアンソロジー』(ハヤカワ文庫SF)

劉慈欣『三体』のNetflix版ドラマの配信開始で、再び視野に入ってきた中国SF。

Netflixドラマは主要登場人物の人種や性別が原作と大きく違うことで、中国のみならず、同じ東アジアの日本でもファンの間で違和感を唱える声も上がっているときく。しかし、逆にわたしのような「中国屋」の目から見て、ゴテゴテの中国っぽい「しがらみ」を出発点にしたあの作品を、西洋人やインド系、黒人に置き換えても立派に成り

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【読んでみましたアジア本】かつては心身ともに潰されそうになったこの都市を愛するということ:カレン・チャン『わたしの香港 消滅の瀬戸際で』(亜紀書房)

毎日ニュースチェックをしていて、どんなに丁寧に読んでいるつもりでも、しばらく現地を離れていると現地の空気というかムードがいつのまにかぼんやりとしてくる。そんなこともあって毎年最低1回は香港に行っての「定点観測」は欠かせない。

その定点観測で最も参考にしているのが、友人たちの話やその表情だ。30年来の友人はもう幼馴染のようなもので、適当にぽーんと疑問や質問を投げてもわりときちんと受け止めてくれる。

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『時代の行動者たち』書評続々

昨年12月に白水社から刊行した『時代の行動者たち 香港デモ2019』ですが、このところ続々と新聞各紙でご紹介いただいています。

●日経新聞 2024年3月9日朝刊

「多層的な運動 担い手の証言」 評者:国分良成・前防衛大学校長

●毎日新聞 2024年3月9日朝刊

今週の本棚 評者:米村耕一・毎日新聞外信部デスク

●しんぶん「赤旗」 2024年3月10日朝刊

「デジタル時代の社会運動を研

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【読んでみましたアジア本】世界のあちこちに存在する「中国」を拾い上げる/安田峰俊『中国vs.世界 呑まれる国、抗う国』(PHP新書)

2023年度の四川省成都市主催のSF大賞「ヒューゴー賞」にまつわる騒ぎについて記事を書こうとさまざまな資料を読み漁っているとき、欧米SFファンや関係者が訴える「疑惑」の既視感に困惑した。

外国の権威ある大賞の名誉や栄誉に預かろうとする中国の狙いは今に始まったことではない。そしてその目的遂行のためにできる限りの組織票を動員して自国に有利な状況を作るための、ゲリラ的な活動はお得意である。さらにはそう

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