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東日本大震災を経て地域に愛され続ける珈琲店と散策中に出会う|珈琲専門店ヴァンガード、くるくる喫茶うつみ、リアス調理製菓専門学校|散策記

2月17日の土曜日、K-portで読書を嗜んだ帰りに、南町1丁目・2丁目の道を散策した。

K-portの話については、上記の記事の通りである。


シャッター商店街だけどよくあるシャッター商店街ではない南町1丁目・2丁目通り

南町1丁目・2丁目の様子については、上記の記事に掲載している。上記の記事でも少し触れているが、南地1丁目・2丁目の通りは閑散としている。いわゆるシャッター商店街と呼ばれる商店街に近い。

その一方で、昔ながらお店や移住者たちによる挑戦の様子が見られる通りとなっている。歩いていると『ここでは何をやっているのだろうか』『他では見られないあまり見られないお店の様子が窺える』と思う機会が多い。

だから確かに閑散としているが、もっと多くの人々が歩き、店々との交流が行われていくと良いように感じている。いわゆるシャッター商店街であるが、よくあるシャッター商店街とは違うのだ。

レトロな空間で信じられない価格の珈琲を堪能できる「珈琲専門店ヴァンガード」

南町1丁目、2丁目と歩いているとレトロな佇まいの喫茶店が目に留まる。それが珈琲専門店ヴァンガードである。

懐かしさを感じさせる佇まい

珈琲専門店ヴァンガードは、50年以上の歴史を持つ喫茶店だ。

東日本大震災による甚大な被害を受けたものの4ヶ月程度でお店自体は再開させ、すべてが概ね整えられた時期に創業者と創業者共にお店を支えていた方が亡くなった。

その後、お店を愛する現在の店主と地域の方によって営業を継続している。地元地域の愛によって成り立っているお店である。なお、創業者の娘は現在東京で暮らしており、建物のオーナーとしてお店を支えている。

本格さと異色さを感じさせる空間

お店に一度足を踏み入れただけで、長い歴史を感じられるとともに、昔ながらの珈琲を飲める期待感が高まる。サイホン自体は現在も現役で動いているお店が多いと思われるが、アルコールランプを彷彿とさせるフラスコが使われているお店は少ないのでなかろうか。

珈琲専門店ヴァンガードの大きな特徴と言えるのは、店内を賑わすお客人の顔触れでなかろうか。気仙沼市も多くの地方同様に少子高齢化が進み、人口も減少の一途を辿っている。その結果、どれだけ目新しいお店であっても閑散している景色が珍しくない。

しかしながら珈琲専門店ヴァンガードはどうだろうか。店内に入った瞬間、地元の方々の声による賑わいが感じられる。地元の紳士淑女が思い思いに友人との語らいや店主たちとの対話、また珈琲と共に過ごす時間を楽しんでいる。確かな賑わいが店内に感じられるのだ。

真に地元に愛されているお店の姿を目にできるのである。お店の来歴あってのものだと思うが、筆者としては店主たちお店を支えている方々の人柄の良さも、そうした光景を生み出している大きな要素だと感じた。

何せ今回が初めての来店となる筆者に、入店から退店まで常に穏やかかつ和やかに接してくれるのだ。地域で新しくできたお店の情報を教えてくれるなど、ありがたい施しもあった。おかげで居心地の良さを感じるとともに、来て良かったと喜びを感じられる。

じっくりと味わえる美味な珈琲

珈琲は丁寧に入れられているためか、深みを感じた。それでいて苦みは強くない。飲みやすいので1杯2杯と飲む量を増やしていけそうに感じた。更に嬉しいのは価格である。なんと1杯300円。

珈琲以外のメニューも概ね400円以下に抑えられており、昨今の周囲の飲食店の価格帯を考えても破格であった。今回は散策の中で訪れただけだが、今度はじっくりと本を読みに訪れたいと感じるばかりである。

珈琲専門店ヴァンガード
住所:〒988-0017 宮城県気仙沼市南町1丁目1-8
電話番号:0226-22-6411
営業時間:月曜日〜土曜日 7時30分~13時30分
休業日:日曜日
決済方法:現金

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くるくる喫茶うつみで町について知る

珈琲専門店ヴァンガードで過ごした後、本noteで最も多く取り上げているくるくる喫茶うつみに足を運んだ。

くるくる喫茶うつみ

くるくる喫茶うつみについては、上記の記事を参考にして欲しい。他にも数記事、くるくる喫茶うつみを舞台にした記事があるので、ぜひ探してみていただけると嬉しく思う。

この日は、くるくる喫茶うつみの斜め向かいにある建物が工事されていたため、その工事の理由を伺いたいと感じた。地域の話は地域のお店で聞くに限る。近所ならば尚良しといった具合である。

斜め向かいの建物

くるくる喫茶うつみの店主・吉川氏に話を聞けば、どうやら気仙沼市に外からやってきた方が空き家を買い取り、今後宿泊施設ような形で運営すべく、改修しているらしい。

以前から伝えている通り、気仙沼市は移住者など外からやってきた人々たちの挑戦を後押しする文化を持っている。くるくる喫茶うつみで今月から始まっているgrandmaのおにぎり屋もそうであるし、他にも様々なチャレンジが気仙沼市内で行われている。

アジアカフェもその一つと言えるだろう。地元の方ではあるが、nihongo cafeだってチャレンジの一つである。誰しも、『機会があればやってみたい』『挑戦してみたい』と心の中で想っていることはある筈だ。しかし、現実には中々一歩を踏み出すのは難しい。

しかし気仙沼市では、そうした個々の人々の『やりたい』をやれるように後押ししてくれる人々がいて、実際に『やりたい』を形にしている人々がいる。ある意味で地方の在るべき形が顕現しているように、筆者には感じられる。

また、気仙沼市ではふるさとワーキングホリデーも積極的に利活用してきた。ふるさとワーキングホリデーを通じて気仙沼市を知り、生じた繋がりが今なお続いているケースも少なくない。

今年の3月8日、金曜日に報告会が気仙沼市内で実施される。くるくる喫茶うつみの吉川氏も本会にて話をする。筆者は参加できないが、興味がある方はぜひ参加を検討して欲しい。Facebookから打診できるようになっている。

気仙沼市の復興を目指して設立された気仙沼リアス調理製菓専門学校の卒業作品展を見る

この日は、学校法人晃陽学園・気仙沼リアス調理製菓専門学校において、卒業作品展が行われていた。本校は、東日本大震災の後に新設された専門学校である(通信制の高等学校機能も持っている)。

気仙沼市に縁のある理事長が、東日本大震災の被災後の町並みを見て、復興に一助になるべく設立された背景を持っている。つまり東日本大震災からの復興の担い手の一つである。

人口減少が進む中にあって、専門学校を運営するのは簡単なことではない。何せ進学する生徒の母数が減る一方である。気仙沼リアス調理製菓専門学校にとっても、その点は課題となっていると聞くが、学校に通うのは何も若者だけでないらしい。

専門学校の良さと言おうか、それこその専門学校の専門学校たる所以と言おうか、改めて料理(製菓)を学ぼうと考えた人々や調理師資格の取得が必要となった人々など、年齢を問わず様々な人々が通う姿が見られていると聞く。

さて、そんなリアス調理製菓専門学校の卒業作品展だが、以下のような作品が見られている。どれも細部までこだわり抜かれており、また1枚の絵画のような美しさがあった。見ていてとても良い展示だと感じている。

入り口
廊下に飾られていたウエディングケーキ
作品展に並んでいたウエディングケーキ
色とりどりの料理が目を楽しませる
逆光で暗くなっているが鮮やかな料理が多く、美しさを感じた
縁起の良さを感じさせる
こちらも縁起の良さが感じられる内容で良かった
スイーツの良さや海鮮の良さがふんだんに盛られた展示であった
色とりどりの和が感じられる
洋と和の対比が味わい深かった
かわいらしい創作がこしらえられたケーキたち


季節のイベントがぎゅっとつまっていてかわいいケーキだった

校内では学食も開放されており、地域の人々が食事を楽しむ様子も見られた。食を通じて学びと地域がつながる光景は、地方における学校の在るべき形のようなものを垣間見せてくれて、興味深さを感じた。


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