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自分を取り戻すための日記 50

2022.10.21 自分を取り戻すための試行錯誤9「待つ」

待つことが出来ない性格だった。
考えるよりも先に動く。
これだ!と勘が働いたら、すぐに身体が反応する。
ダッシュして、走り出してから、行く先を考えるようなタイプだった。

「待つ」とは私にとって、忍耐とほぼイコールだった。
耐えて待つことが一番苦手かもしれない。
じりじりと身を焦がすような焦燥感でいっぱいになる。

でも、人生には「待つ」ことがとてつもなく大切な時もある。
周りの人全員が親切に道を譲ってくれるようなことはない。
細い道だったら尚更。
みんな他人を押しのけて我先と前に出る。
誰もが早くゴールにたどり着きたいから、自分だけその宝を手に入れたいから、相手を蹴落として、我が我がと先に出る。

でも、そんな時にも、慌てず騒が静かに待っている人が少数いる。
その人たちは皆、悠然と涼しい顔で待っている。
時が来るのを。
自分の出番が来るのを。
誰も押しのけず、なんなら時には道を譲って、焦る相手を先に行かせる。

焦りも不安も怒りも不満もない、「待つ」人たちのその清々しさ・美しさは、急ぐ人の心に爽やかな風を巻き起こす。
悟りを開いたような落ち着きと静寂をまとった人たちの姿は、
汗だくになって先を争う欲にまみれた自分の姿を恥ずしいと感じ、冷静に振り返るきっかけになる。
 
時を待つ。
他人に道を譲る。
相手に勝ちを譲る。
相手に花を持たせる。
負けて勝つ。

時を待つとは、諦めてしまうことではなく、
自分にベストなタイミングを焦らずじっくりと待つ、
ここぞ!という時を逃さずキャッチするということでもある。
最後に勝てば、それでいいのだ。

その待てる余裕が、相手に花を持たせることのできる余裕が、
自分自身の自信にも繋がり、自尊感情を高め、信頼や尊敬を呼び覚まし、勝利の女神さえ微笑ませる。

焦らないこと。
腐らないこと。
侮らないこと。
怒らないこと。
騒がないこと。
諦めないこと。
止めないこと。

ただ、じっくりと「その時」を待つ。
最後に勝てばいいのだ。

待つとはただの忍耐ではなく、受け身な行為ではなく、
とても戦略的で能動的な、最後に勝つための行為なのだ。

だからなんでも待てばいいと言うものではない。
自分が本当に好きなもの、やりたいもの、勝ち取りたいものが解っていないと、真に待つことはできない。
どんなに時を費やしても、達成までの苦渋を味わっても、
最後に必ず手に入れたいものは何か。

本当に手に入れたいもの、達成したい夢のために、
じっくりと時を待つ。
その時間は限りなく楽しく幸せな時間だ。
最後に勝つのが解っているから、その過程さえも楽しみ、余裕で待つことができる。
 
待つとはとてもポジティブでアグレッシブで知的な行為なのだ。
 
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