あまのうずね

フリーの演劇制作。東京在住。

あまのうずね

フリーの演劇制作。東京在住。

マガジン

  • 午前3時

    今の自分の生き辛さに向き合う時、過去の自分が見えてくる。それがどんなに辛い過去だとしても、先に進むためには必ず向き合わなければならない。それが今の自分も救うことになる。note「演劇制作のリアルでブラックな日々」を経て、初めて告白する試練の日々。もがき苦しみ必死で生きて来た全ての人たちに贈る。全16話。

  • 空っぽな世界

    note「演劇制作のリアルでブラックな日々」(全25話)で書けなかったことや、その後の日々、躁鬱気質を持つゆえに生きるのが困難な幼少期の思い出を書きました。全16話。

  • 演劇制作のリアルでブラックな日々

    演劇好きの余り田舎の会社員を辞めて東京の演劇制作へ。東京での演劇制作15年の日々を日記として記録しました。裏方中の裏方・誰も知らない知られていない演劇制作の仕事の赤裸々な現実を書きました。全25話。

最近の記事

自分を取り戻すための日記 55

2022.12.3 正念場 この三年間で多くの仲間が周りからいなくなった。 文字通り突然亡くなった人もいるし、コロナで仕事がなくなって田舎に帰った人もいるし、この業界を諦めてまともな正職に転職した人もいる。 精神的に追い込まれて鬱になって辞めた人もいるし、身体を壊して引退した人もいる。 急に姿を消して行方不明になった人もいるし、心配して何度連絡してももう繋がらなくなった人もいる。 多くの役者やスタッフが演劇界からいなくなった。 SNSでも毎日のように「俳優活動を停止しま

    • 自分を取り戻すための日記 54

      2022.11.19 産まれる この日記を書き始めてから8か月がたった。 「自分を取り戻すための日記」と題しておきながら、 8か月たってもまだ自分を取り戻せていない。 でも、当然だ。 子どもの頃から半世紀以上、ずっと自分を失い続けてきたのだから、 一朝一夕では自分を取り戻せるはずはない。 そんなに簡単に暴力の後遺症が消せたら、 世界中にこんなに精神疾患者はいないし、依存症患者もいない。 前に私は虐待から生き延びたサバイバーだと書いた。 でも、正確にはサバイバーと言え

      • 自分を取り戻すための日記 53

        2022.11.11 自分を取り戻すための試行錯誤12「比べない」 物心ついたときには他人と比べられる人生だった。 ずっとずっと、近所の子や同級生や同僚や同世代の女性や世間というものと比べられ、「お前はダメだ」「お前は劣っている」「お前には出来ない」「お前は家の恥だ」と言われ続けてきた。 自分の意志を持つよりも先に、他人と比べて私はダメな人間なんだという認識を脳に刻んでしまった。 頑張って頑張って何かをやっても、バカにされ罵倒され足蹴りにされた。 命令に従わないと、恐ろ

        • 自分を取り戻すための日記 52

          2022.11.4 自分を取り戻すための試行錯誤11「なにかのせいにしない」 20年前に別れた元夫の夢を見た。 夢の中では私たちはまだ一緒に暮らしていて、 留守がちな私は夫の存在をまったく忘れていたことを思い出し、 深い罪悪感に陥っていた。 夢から覚めて、まだ意識が朦朧とする中、ふと元夫に連絡しようか、連絡して一言謝ろうかと思った。 でも、もう彼の連絡先もわからない。住所さえ知らない。 なにせ20年前別れたきり一度も会っていないし、所在確認をしたこともない。 もう連絡の取

        自分を取り戻すための日記 55

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        • 午前3時
          16本
          ¥3,200
        • 空っぽな世界
          16本
          ¥3,200
        • 演劇制作のリアルでブラックな日々
          25本
          ¥5,000

        記事

          自分を取り戻すための日記 51

          2022.10.28 自分を取り戻すための試行錯誤10「信じる」 私の問題は、自分を信じられないこと。 それに尽きる。 自分の中の力を信じられないぐらい徹底的に尊厳を破壊された。 私は自分の力を信じていない。 自分の存在を認めていない。 いつも自分の目ではなく、他人からのジャッジを評価を信じてしまう。 余りにも長い間存在を否定され、虐待され続けて来たために、加害者の価値観を内面化してしまった。 常に他人からジャッジされ、評価され続けてきたために、自分の価値観を信じること

          自分を取り戻すための日記 51

          自分を取り戻すための日記 50

          2022.10.21 自分を取り戻すための試行錯誤9「待つ」 待つことが出来ない性格だった。 考えるよりも先に動く。 これだ!と勘が働いたら、すぐに身体が反応する。 ダッシュして、走り出してから、行く先を考えるようなタイプだった。 「待つ」とは私にとって、忍耐とほぼイコールだった。 耐えて待つことが一番苦手かもしれない。 じりじりと身を焦がすような焦燥感でいっぱいになる。 でも、人生には「待つ」ことがとてつもなく大切な時もある。 周りの人全員が親切に道を譲ってくれるよう

          自分を取り戻すための日記 50

          自分を取り戻すための日記 49

          2022.10.14 自分を取り戻すための試行錯誤8「集中する」 幸せになるには工夫がいる。 ただ、それに集中すること。 幸せになることだけを考え、幸せになる行動だけを繰り返す。 いまやってることに集中し、それだけのことを考える。 過去のことも、未来のことも考えない。 ただ目の前にあることだけに集中し、それだけを懸命にやり続ける。 小学校の時から通知表に「注意散漫」「気分にムラがある」と書かれて来た。 色々な所に意識が飛んで、目の前のことにまったく集中できない。 目の前

          自分を取り戻すための日記 49

          自分を取り戻すための日記 48

          2022.10.7 自分を取り戻すための試行錯誤7「続ける」 躁鬱気質を持つ私が一番苦手なこと。 それが「続ける」こと。 夢中になることを見つけたら、その瞬間に脇目も降らず走り出し、寝ることも食べることも忘れて好きなことに没頭する私は、 興味が尽きるまでは尋常じゃないほどの集中力とエネルギーで爆走するが、 興味が尽きた途端、燃え盛った炎に水をかけたように、一瞬で醒めてしまう。 昔から1つのことをコツコツと長く続けることができない。 どんなに好きなことも熱く熱中したことも

          自分を取り戻すための日記 48

          自分を取り戻すための日記 47

          2022.9.30 自分を取り戻すための試行錯誤6「動く」 「夢がいつまでも実現しないのは、行動しないからだ」とよく言われる。 その言葉を聞くたびに、こんなにクタクタに疲れ切ってしまうまで毎日必死で働いているのに、めいいっぱい動いているのに、なぜ私の夢は叶わないのだろうと思っていた。 でも、今考えると私は口ばかりでまったく動いていなかった。 やらない理由を幾つも数えて、「だから出来ない」と言い訳ばかりを並べていた。 持っていないものばかりに文句をつけて、持っているものを

          自分を取り戻すための日記 47

          自分を取り戻すための日記 46

          2022.9.23 自分を取り戻すための試行錯誤5「許す」 私はずっと長い間、自分が許せなかった。 自分が嫌いで嫌いで仕方なかった。 自分自身が自分を責めていた。否定していた。 そして、他人も許せなかった。 誰よりも他人を求め、期待していたのに、その期待に応えてくれなかったら、激しく憎んだ。 「大丈夫!」と言い、平気な顔をして笑っていても、実はまったく許してなかった。 そんな度量の狭い、小さなことにいちいちクヨクヨする、そんな自分が情けなくて恥ずかしくて、 より一層落ち

          自分を取り戻すための日記 46

          自分を取り戻すための日記 45

          2022.9.15 自分を取り戻すための試行錯誤4「期待しない」 前回の「諦める」とこの「期待しない」は似て非なるもの。 とても近くて、でも違う。 私はずっと他人にばかり期待していた。 親が変わってくれること 友達が変わってくれること 上司が変わってくれること 社会が変わってくれること いつも受け身で、他者が変わることに期待してばかりいた。 自分は何もしないのに、他人に過剰に期待していた。 でも、どんなに願っても他人は変わらない。 いや、変わっているのかもしれないが、そ

          自分を取り戻すための日記 45

          自分を取り戻すための日記 44

          2022.9.11 自分を取り戻すための試行錯誤3「諦める」 私はしつこいほうだ。 過去に受けた仕打ちもすべて覚えているし、言われた言葉も覚えている。 その時の相手の表情も言葉のニュアンスも、まるで映画のワンシーンのように鮮明に記憶している。 だから苦しい。 繰り返し繰り返し過去の現像が蘇る。 その度に、いま現在受けているかのような痛みと苦しみを覚える。 なぜそんな辛いことを性懲りもなく繰り返すのか。 私はまだ期待しているのだ。 いつか親が(彼が、学校が、会社が、社

          自分を取り戻すための日記 44

          自分を取り戻すための日記 43

          2022.9. 6 自分を取り戻すための試行錯誤2「認める」  突き付けられた問いで一番キツかったのは、 自分が努力を積み重ねることができない怠慢な人間、ダメな人間だと認めることだった。 ダメな自分を認めるのは辛い。 若い年齢なら早急に反省して柔軟に変化できることが、 年齢を重ねてつまらないプライドに凝り固まった後だと、なおさらキツい。 いまの自分が幸せと感じられないのであれば、それは今までの自分の生き方・考え方が間違っていたのだ。 「自分が間違っていた」ということを認

          自分を取り戻すための日記 43

          自分を取り戻すための日記 42

          2022.8.31 自分を取り戻すための試行錯誤1「手放す」 昨夜、夢の中で火事が起こった。 部屋の電気ストーブが布団の上に倒れて、そこから火が出た。 熱波の中の夏の終わりに、冬の光景の夢を見る。 火事の夢は吉夢か凶夢か。 火事で家が焼け落ちる夢が前兆のように、現実の私は清々しいほどすべて失くしてしまった。 焼野原。なにもない。 この先のスケジュールは真っ白だし、本当に何もない。 仕事もないし、やることもやりたいこともない。 堕ちるところまで堕ちるともう何もない。

          自分を取り戻すための日記 42

          自分を取り戻すための日記 41

          2022.8.25 ゼロ 危ないところでした。 自分を取り戻せないまま日記が終わるところでした。 心って簡単に壊れます。 それを実感した日々でした。 とことん底まで落ちたと思っていたけれど、まだ底がありました。 真っ暗な奈落に落ちてしまうところでした。 とりあえず踏み止まりました。 必死で踏ん張りました。 どんなにキツくても苦しくても、踏ん張り続けるしかない。 またゼロから始めます。 泣いてる場合じゃありません。 生きないと。 歯を食いしばってしがみついて、みっと

          自分を取り戻すための日記 41

          自分を取り戻すための日記 40

          2022.8.6 決別 父親が自殺未遂した。 入院していた病院の窓から飛び降りようとしたのだ。 弟からの電話でそれを聞いたとき、私は何故か驚きもせず、一瞬ですべてを理解した。 私が縁を切る前に、父親がすべてを自分から断ち切ったのだと。 半世紀以上、親との関係に悩み続けてきた。 親からの虐待の数々は前のnote「午前3時」にも書いた。 私は紛れもない被虐待児だし、重度のACである。 いまもその後遺症に悩まされ続け、苦しみ続けている。 長い間、自分の価値を否定し続け、役に立

          自分を取り戻すための日記 40