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自分を取り戻すための日記 54

2022.11.19 産まれる

この日記を書き始めてから8か月がたった。
「自分を取り戻すための日記」と題しておきながら、
8か月たってもまだ自分を取り戻せていない。
 
でも、当然だ。
子どもの頃から半世紀以上、ずっと自分を失い続けてきたのだから、
一朝一夕では自分を取り戻せるはずはない。
そんなに簡単に暴力の後遺症が消せたら、
世界中にこんなに精神疾患者はいないし、依存症患者もいない。
 
前に私は虐待から生き延びたサバイバーだと書いた。
でも、正確にはサバイバーと言えない。
今は生きているけど、明日はもういないかもしれない。
それぐらいの危うさで今も生きている。
 
機能不全家族で育ち、虐待や酷い暴力の被害者になった人たちが、
どう生き延びて、どんな大人になって、どんな生き方をして、どう死んでいったか、どこにも詳しい資料はない。
 
子どもや女性への暴力がどうして起こり、それがどんな深刻な影響を与えるかまでは、色々な分析がなされているし、専門書も沢山ある。
でも、その後、いまも深い傷を抱えたまま生き延びて大人になった人たちが、どうやってこの地獄の苦しみから抜け出せるのか、具体的な方法はどの本にも書いていない。
 
地獄の苦しみとは圧倒的な「自己否定、自己批判、自虐、自尊心の低さ」である。
親から徹底的に自分を否定するように育てられた。
周りのすべてが上手くいかないのは「お前のせい」と教え込まれた。
自分がいかにバカで無能かと繰り返し教えられ続けた。
自分が嫌いで嫌いでたまらない。
 
どんなに頑張っても満たされたことがない。
80点とっても、20点足りないと思う。100点取れない自分はダメだと思う。
常に自分の中にいる他人の目に評価され、ジャッジされる。
常に足りないところを数えている。
常に欠けているところにばかり目がいってしまう。
究極のネガティブシンキング。
 
機能不全家族で育った人は他人が信用できないと、本で読んだことがある。
血の繋がった親にさえ利用され騙され続けてきたのだから、自分を守るためにそうならざるをえないのは仕方ない。
愛とはいつも対価と交換だった。
なにかの役に立たなければ存在を許されない。
なにかを差し出さなければ愛してもらえない。
愛されるためには自分の大切なものを、尊厳や人権を犠牲にして、相手に差し出さなければならなかった。
親から子どもへの無償の愛というものを、私は見たことがない。
見たことがないから信じることも出来ない。
 
8か月試行錯誤して改めて解ったことは、
自分を取り戻すために大切なことは「自分」だった。
私は今まで余りにも親をはじめとする「他人」ばかりを優先して、尊重して、自分を置き去りにしていた。
 
自分を大切にする。
自分に集中する。
自分のことを考える。
自分を優先する。
自分に優しくする。
自分と対話する。
自分の感覚を信じる。
自分の判断を尊重する。
自分の人権を守る。
自分の生活を楽しむ。
自分の中にいる自分の声を聴く。
自分の身体を愛おしむ。
 
まずは自分だ。
 
半世紀以上、他人のために生きてきた。
自分自身を置き去りだった。
だから、最初から自分自身をやり直さなければならない。
新しく自分を産みなおすのだ。
生まれ変わるように、最初から。
この世にたったひとりで産まれてきたように。
大きな声で泣きながら、初めてこの世を見たように、もう一度産まれるのだ。
 
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