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うつ休職の要因は会社の組織構造も関係する


「今ある仕事を投げ出せない」

心療内科を初めて受診し、自律神経失調症と抑うつ状態だと診断されたときに、真っ先に頭に浮かんだ言葉だった。
医師から即日休務するように指示されたため、その日中に上司に休職報告のメールを送って休職した。

「自分の担当顧客の仕事は誰が引き継ぐのか」
「絶対明日中にしなければならない仕事もあるのに、どうするのか」

診断されたのが週の半ばだったため、その週の金曜日まではなんとか仕事をして、どうにか区切りのいいところまで仕事を終わらせて引き継げるようにしようかとも一瞬は本気で考えた。
ただ、医師からはそれはオススメしないと強く言われた。

「仕事を終わらせないとと思ってしまう今の状態が気持ちと身体に良くない」
「今は交通事故と同じ状況なんです。交通事故で入院したらその瞬間に仕事なんてできなくなるでしょう。それと同じ状況だと考えてください。」

これらの言葉を医師に言われて、自分の中でようやく腑に落ちた。
「もう休もう。」

それでも家に帰ったあとになかなか気持ちの整理はつかなかった。
会社ではできるだけ平気を装っていたし基本在宅ワークだったから、みんな私がここまで不調なことは知らないと考えていた。

「急に休んでしまって部署の人や顧客に多大な迷惑がかかる。」
「急に休むことに他の人はどう感じるんだろう。」

こんなことが頭から離れなくて、どうしようもなくて泣いた。ただ、仕事をこのまま続けるのは無理と感じていたし、休職の指示が出てホッとした自分もいた。

自分がいなくなるだけで仕事が回らなくなる組織はいい組織とは言えない

この言葉は、私が友人に休職を伝えたときに友人から言われた言葉だ。
その友人は別の会社だが、私たちの会社は似たような規模間であり、また似たような仕事の裁量を会社から与えられていた。その中で、この言葉を聞いたときは衝撃だった
当時の私にはこんな発想は毛頭なかったから。

私の会社は社員全体の3分の1が20代の若手という急成長企業だ。
だからこそ組織も未だ日々改革中で、いうならば「不安定」だった。
まだ固まっていない組織構造やリーダーシップも散見される。
正直、各自の担当顧客に対する仕事も属人化している部分はあったと思う。

そのような企業であることは入社前から想定はしていたし、その組織だからこそ、年次のわりにかなり裁量権のある仕事も任されて大きなやりがいもあった。
ただ、その組織の「不安定さ」は私の仕事や部署の状況を悪化させていたことは誰の目でも明らかだった。

そもそもハードワークで有名だった私の部署は、この1年でどんどん人が辞めていた。辞めた人に後に転職理由を聞くと、組織改革により違和感を感じて辞める人や、ハードワークに見切りをつけて辞める人などがほとんどだった。
こうなると、悪循環が発生する。残った人にはさらにハードワークが待っているのだ。

フラストレーションに感じていたことは、この状況が会社全体ではなく、あくまで私の部署に限った話だったこと。人手不足の調整に必要な戦力は社内に十分にいるのではないのだろうか。
友人の言葉からそう感じてしまった。

また、うつになるのは自身の身体や気持ちの問題だけでなく「組織の問題」も大きな要因になり得ると感じた友人の一言だった。





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