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兎がほざく

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ショート•エッセイ、140字以内。毎日投稿、どこまで続く?
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#身体

兎がほざく1163

兎がほざく1163

自分が現実と夢とに挟まれたものだとして、身体を取り戻すのは現実からでも夢からでもあり得るのでしょう。

歌をうたう、絵を描くなど、現実において身体を取り戻しています。

眠るのは夢において身体を取り戻しているのです。

眠りは万人のする芸術なのかもしれません。

兎がほざく1162

兎がほざく1162

声を出して歌をうたうというのは言葉が身体を取り戻すことだと思います。

詩歌は歌曲からメロディーを去ってなお言葉が身体を回復しているという際どいところのものです。

演劇と物語の関係も同様でしょう。

演劇から演技を去った際どいところに物語が成り立つのだと思います。

兎がほざく1160

兎がほざく1160

気晴らしにはふだん飼いならしたり従えたりしている自分の身体をしばし取り戻すのがいいみたいです。

美術も音楽もスポーツも。
旅行も飲食も温泉入浴も。

デジタルの世界では身体の回復は起こらないです。

バーチャルな気晴らしで身体はフラストレーションを溜めていそうです。

兎がほざく1148

兎がほざく1148

言葉と身体との関係を考えるうえで舞踊や音楽のアーティストの話はとても有益です。

生きた身体が意志によってどんな表れ方をするかが重要なようです。

生きた言葉が意志によってどう語られるかが重要なように。

表れる前の身体や語られる前の言葉はどこかで待っているのです。

兎がほざく816

兎がほざく816

人類の歴史という一つの巨人の身体に芸術家が同化する、という話を読んで考えました。

これはやはりおとぎ話です。

歴史的傑作はそうすることではじめて生まれるといいますが、これは魔法使いの囁きです。

自分自身の欲動を失った人にどうやって創造ができるのでしょう?

兎がほざく811

兎がほざく811

意味とは意欲の味ということでしょう。

ぼくのわたしの意欲する、その意欲の味。

漢字二文字が教えてくれました。

言葉の意味とはその言葉を語ろうとする意欲の味ということになります。

意味ないとは意欲の食指が動かないことです。

きっと意欲が身体により肉声になるのです。

兎がほざく779

兎がほざく779

物語と身体。

人の生きた軌跡はそのまま物語です。

フィクションでなくても伝記だって物語です。

たとえ思想がはっきり書かれていなくても生き方で語るということがあります。

その意味でバイブルもお経も物語です。

主人公の生きた身体の行動が雄弁に語ります。

兎がほざく718

兎がほざく718

言葉が絵空事でなく現実の力になるには身体が必要だと思います。

五感、たとえば目で見て耳で聞いて、言葉を現実と照合します。
それで言葉は本当のことを言っているかどうか確認されます。

そして言葉を身体で実行して現実の力になるのだと思います。

身体が関門です、きっと。