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自分の中のルールから抜け出すと「家族」はもっと自由になれる

あなたにとって「家族」って何ですか?

家族あっての自分。
家族なんていらない面倒なだけ。
家族にはずっと苦しめられてきた。
家族を食わせてやっている。
わたしを分かってくれるのは家族だけ。
なにかがあったとき頼れるのは家族だけ。

う~~ん、たかが家族、されど家族。

きょうはそんなお話しを。


ミスドとホットケーキ

「母の日」の翌日、ふと目に留まった記事、それは、オシリズムさんが書かれた記事でした。

オシリズムさんは小さなお子さんがいらっしゃるママさん。彼女は「母の日」にご自分でご馳走を作ろうと準備されていました。


すると、玄関先で、お隣のパパさんとお子さんにバッタリ。で、オシリズムさん、彼らの夕飯が「ミスド」であることを知るのです。

どちらも働くママ。そして「母の日」。

お隣のママは「母の日」お仕事。パパと子どもだけの夕飯。ママは好きなもの買ってきていいよ~と言ってお出かけされたそう。

オシリズムさんは「母の日」お休み。それでも貴重なお休み。それなのに「母の日」のためのごちそうを作ろうとされていた。


この記事を読みながら、わたしは少し前に目にした新聞記事を思い出していました。

それは、ボルボ・カー・ジャパン社長マーティン・パーソンさんのインタビュー記事。

日頃から、家事育児をされているマーティン・パーソンさんは夕飯も作られるけれど、夕飯が「ホットケーキ」の時もあるのだとか

日本経済新聞20220223「できる男 カジダンへの道」

その理由は、子どもたちが喜ぶから

そして、オシリズムさんのお隣のお子さんも夕飯がミスドを喜ばれていた

そして、どちらのパパもミスドにもホットケーキにも罪悪感ゼロ!




同質パワーから抜け出す?

さて、ちかごろ子育てをするパパをよく見かけます。在宅が増えたから?でも、なんだかそれだけじゃない気がするのです。

気づいたパパがいる

時々、そんなことを思います。

子育ては楽しい

そこに気づいたんじゃないかと。ほんの少しだけど…

子どもと時を過ごすと、幼い頃の自分を思い出し、自分の知らない新しい世界も見せてくれる。一見、原始的に見えるけれど、かかわる大人は、過去と未来を行ったりきたりできるのです。

ほんの少しのパパが、そこに気づいた?

それなら、それは凄い変化だと思うのです。

なぜって、先のマーティン・パーソンさんがインタビューでこんなお話をされているのです。

子育てで悔いが無いわけではない。日本でのモーレツサラリーマン時代に子どもが生まれた時、育児休業を取らなかったのは惜しかった。もっと赤ちゃんの育児に関わりたかった。

日本経済新聞20220329 「できる男 カジダンへの道」

と。

そう、マーティン・パーソンさんは、日本支社勤務時代にお2人のお子さんが生まれていますが、育休など考えつきもせず残業ばかり。出身は、男性が家事育児を普通にするスウェーデンだというのに…

そう、どんな環境で育った人でも、周りがモーレツ社員ならモーレツ社員になる可能性があるということ。

だから、この同質な社会で、

子育てや家庭を振り向き始めたパパがいる

そのことが気になるのです。

同質すぎるこの国で、自ら変わり始めた少数のパパたち。

でも、それって凄い変化なのです。




当たり前の基準?

そのマーティン・パーソンさん、ドイツ転勤で、家事と育児をされるように。理由は、

皆がそうしているから

そう、ドイツでは誰もが家族中心で、残業もなく、子どもが生まれたらパパも育休をとる。しかもドイツ以外の欧州でもそれは同じ。

こうした彼の変化は、とても示唆に富む変化だと思うのです。


印象的なのが、6回の海外転勤で、社員がモーレツに働いていたのは日本と上海。で、そのマーティン・パーソンさん、上海に転勤で、またモーレツサラリーマンに逆戻りされているのです。

毎日のように中国各地に出張したり、夜は会食したり

日本経済新聞20220329 「できる男 カジダンへの道」

それが上海の職場環境だったと。

そんなご経験をされて、マーティン・パーソンさんは、

国や地域が変われば、家事育児との距離も変わる。どの国でも子育てしやすい環境が整っていれば理想的だが現実はそうではなく、育休を取りづらい雰囲気の国は世界中にある。

日本経済新聞20220329 「できる男 カジダンへの道」

とおっしゃるのです。

そう、人は環境に、生き方を左右されるちっぽけな生き物なのです




自分もまた同じ…

で、このお2人の記事、決して他人ごとではないのです。

我が夫、自慢じゃありませんがずーとモーレツ社員でした。で、わたしはワンオペ育児。

そんな中、わたしには勘違いしていたことがあったのです。

夫は、男が外で女はイエ、そんな考えの男だと思っていたのです。

ところが、数年前から母との同居が始まり、介護と仕事で恐ろしく忙しくなったわたしを見て、夫が軽やかに動き始めたのです。

夫は今でも食事は作りませんが、お弁当でも、デパ地下でも、駅前のスーパーでもぜんぜんOKな人。休みの日には、お掃除も洗濯も買い出しもするようになり、散歩のついでに、お昼のお弁当を買ってきてくれることも。

ところが、わたしときたら…

夕飯は手作り、残り物もダメ、家の事はしない、なぜか夫がそんなタイプだと思い込んでいたのです。だから、お弁当の夕飯に胸がチクチク。

それは、夫がモーレツ社員ばかりの会社で働いていて、仕事の他には何もできなかったから。そもそも、なにかをする時間さえなかった。だからわたしは、彼の行動と彼の気質が同じだと思い込んでいたのです。

20年以上一緒にくらしていて、わたしたちはまだ互いをちっとも知らなかったってことなのです。

でもね、それこそが作り出された会社人間なのです。

自分のことについて考える機会を奪っていく働き方。

ただ、こんな社会で暮らしていると、夫婦の関係をこじらせる理由はそれほど単純でもないと思うのです。わたしの中にだって、妻とはこうあらねばならない、そんなものがあちらこちらに住み着いていた。

それは、作り出された会社人間の妻ってことです。

でも、想定外のことだってあります。

ここ数年で、夫が古臭いわたしを軽やかに飛び越えていったのです。

そう、夫は夫本来の気質を行動にうつしはじめています。



わたしが変わればOK

いい妻とか、いい嫁とか、いい母とか、よくよく考えてみると怪しい言葉ですよね。

先のオシリズムさんにとって、お隣の夕食ミスドはちょっとした事件だったにちがいありません。だからこそ、彼女は、

明日に備えて早く寝たいと考えているのに、わざわざ手の込んだ料理をやろうとしているわたし。明日に備えてゆっくりしたいなら、今日は手抜きしていいじゃない。

オシリズムさんの記事より

と思われて、さらには、

「こうしなければ」という頭の根っこにこびりついている”じぶん”に気づこう。
「こんな日もあっていいんじゃない」を意識的に増やそう。

オシリズムさんの記事より

と思われたのです。


そして、気になったこのお二人の記事を音声配信stand.fmで配信すると、


ドイツにお住いのムティさんがコメントを下さったのです。彼女は、

ドイツの夕飯は火を通さない食事が一般的で簡単に済ませることが普通です

とおっしゃるのです。

日本生まれで日本育ちのムティさん。最初は戸惑われたかもしれませんが、家族の時間が多く取れて思い出が沢山作れたことはこの環境だからかとも思ったりします、とも書かれています。

もちろん、夕飯に火を使わないのはドイツだけではありません。

かつてお邪魔していたアメリカ人家庭でも、台所の上にズラリと大きな缶詰がならんでいました。それが夕飯だと聞いて驚いたことがあります。

残業がないだけじゃなく、火を使わない夕食で、無理なく夫婦で働き続けられる、まあ、当たり前と言えば当たり前の工夫です。

体に悪い?

いえいえ、火を使わなければ洗い物も少ない。

それに、無理して頑張ることで体調を崩すことだってあります。

だから、気づいた人が変わればいいんです。

だって、ママも母も、料理の専門家じゃないのですから。



自分の気持ちも労る

結構無理してるなぁって思うこと、ありますよね。

働いて、子育てして、介護して。

忙しい。

だったら気づいてあげたらいい。

ちょっと頑張りすぎている自分に。

まず自分が変わる。

周りより、少しだけ早く、自分が変わる。

時に、ミスドやパンケーキでも、お弁当でもOKで、ちゃんとしなきゃの呪いを振りほどく。

夫がそれを許さない?

だったら、どんどん口にしてみて下さい。

人って環境で作られる生き物。

繰り返し、繰り返し耳にした言葉は、いつしか聞いた人の当たり前になっていきます。

でもね、もしや、それを楽に超えられるのは、パパの方かもしれませんよ。


※オシリズムさん記事をお借りしました。ありがとうございました。



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