声援はパワーになる!
力や暴力で追い込まれた時、人はいったい何を支えに再び立ち上がることができるのでしょう。
今日はそんなことを考えてみました。
力で押さえつける
私はstand.fmで音声配信をしていますが、そのスタエフで、一人の女性が数年間、上司のパワハラに苦しんでいたと話されていました。
ただ、それは特別な話ではないはず。
虐めも、ハラスメントも、きっとどこにでもあります。
そういう私も、パワハラに苦しんだ一人です。
それから、誰もが心を痛めている現在のウクライナの現状。戦いが始まってもう一月が経ちます。
もちろん、個人の虐めやパワハラと、国家間の戦争を並べて語ることの危うさは分かっているつもりです。
けれど、どちらも弱者を力で抑え込もうとする行為です。そうした行為に共通するのは、時に人の命が奪われるという事。
個人と国家、接点など無いようでもよく似ています。
国を形作るもの
国家を規定するものを、時に考えます。
激しい戦いが始まった今、私達は嫌でも国を感じます。有事の際、国境の内側のこの場所が、いかに私たちを守ってくれているかを知るのです。
それでも、人は時に、母国をあとにします。ウクライナの人が国境を越えてポーランドに、あるいは他国へ。すると彼らは、他国に住むウクライナ人として存在することになります。けれど、国境を越えても、その人はまだウクライナの人です。
国を規定しているのは国境ではなく法律、つまり国内法です。それが国の形を作り、その国に暮らす人々の考えをも作り上げます。
ですから、こうした有事に、人々は、日本に住む私たちは、自分が主権者であることに思い至るのです。
人を鼓舞するもの
ただ、その国内法は、残念ながら有事にはあまり役立ちません。現実の力の勢いに色褪せるのです。
では、そうした時、私達は生きる術を失うのでしょうか。
いえ、それほど人という存在は単純なものではありません。
たとえ身の危険を感じたとしても、たとえ孤立したとしても、支えになるものはあります。それは、理解と声援です。
どんな国内法より、どんな国際法より、理解や声援が、意気消沈した人を鼓舞し勇気づけるのです。
先にお話ししたstand.fmのパワハラで苦しんだというその人は、会社を辞めてはいません。
もちろん法律には力がありますが、残念ながらその力が及ばないケースもあります。
けれど、スタエフで配信されたその人には、周りの人の励ましがありました。ですから、その人は会社を辞めずに働くことが出来ました。ウクライナの人々も恐らく同じです。世界の人々の理解と声援が彼らに届いている、だから彼らは耐えているのだと思うのです。
一冊の本との出会い
私も以前、ボスを中心にした集団のパワハラにあっています。原因も告げられないまま長期間孤立しました。しかも、そのボス自身がハラスメントを防ぐ側の立場の人でした。
そこで私が学んだのは、
ということ。しかも、それは誰にでも起こり得ることです。
そんな風に、一人打ちひしがれていた時、私は一冊の本と出合いました。それが、
直ぐに立ち上がれ!
その本には、米国の大学で起こった先生同士のトラブルが書かれていました。小さな出来事や嫉妬がきっかけで何かの犯人にされたり、陥れられたときの対策です。いくつかのケースを追跡調査した結果、そうした被害にあった場合、取るべき対策があるのだと。
そこには、
と書かれていました。
ウクライナのゼレンスキー大統領の戦う姿を目にするたび、私はあの日であった一冊の本と、辛くて惨めだった日々を思い出すのです。
虐め、パワハラ、戦争では、声の大きな方が圧倒的に有利です。声の小さな側は耐えるしかない、そんな状況に追い込まれます。そうして徹底的に攻撃を受けると、人はみじめさに押しつぶされそうになります。
私もそうでした。その場を去ることばかりを考えるようになりました。けれど、逃げだしたらその先、
なぜ、美しい国を焦土にしてまで人は戦うのか、そう思われる人もいるでしょう。けれど、すべてを諦めて国を手渡したとき、ウクライナの人はウクライナの人としては生きていけなくなる、そのことを彼らは知っているのです。
人の心を蝕む力の暴力。
それでも、その本には、
と書かれています。
被害者の心情
その本には、力で抑え込まれた人の心情がこう書かれています。
それは、私にも起こりました。
そして、そんなふうに考えてしまうのは「公正世界仮設」にあるとも。それは、
だからこそ、被害者側は、
私も当時、惨めな自分を恥じました。そして、その本には、
アメリカの調査で得られた結果が、日本で暮らす私自身の中で起こっていることと噓のように重なりました。
苦しくても話す
その本には、
と書かれています。
そして、失意や落胆を乗り越える最善の方法として、
とあるのです。それから、
と書かれています。
被害者にできること
現在、ウクライナの大統領は、繰り返しSNSで苦しい状況について詳しく発信しています。それから、アメリカやイギリス、ドイツなど沢山の国で、そして日本の国会でも、今ウクライナで何が起こっていて、人々がどんな状況に置かれているのかを言葉にして訴えています。
私はその姿を見て、感動を覚えるのです。あゝ、諦めていないのだと。彼らには誇りがあるのだと。
そして、国と個人の出来事をならべて語ることの愚かさを許してもらえるのなら、あの時、私も、同じことをしました。
信頼できる人を選び、何があったのか、何をされているのかを包み隠さず話しました。
そして、話していくと、2つの事が分かってきました。
勇気を出して語ったことで、外から見た自分の姿が見えてきました。私の置かれた状況が、私の所属の外側の人には、容易に想像できたのです。そう、そのボスの世間の評価は、その人が手にした肩書きとは全く異なるものでした。
ですから、話したことで、私は、
話すことや、誰かに惨めな自分の姿を晒すことはリスクだと思っていましたが、逆でした。話さないことこそリスクだったのです。力の暴力では声の小さな人は絶望し立ち上がれなくなります。けれど、それこそが暴力をふるう側の狙いです。
恥を忍んで誰かに訴える、それが被害者にできる唯一の手段、そんな時があるのです。
声援は希望
私の目に映るゼレンスキー大統領は、当初、絶望の淵に立つように見えました。けれど、彼は今自信を取り戻し、力強いリーダーになっています。それは、
それを対、人で考えるなら、虐めやパワハラが1対1であっても、対集団であっても、さらに、巧妙に証拠が残らぬよう事が画策されていたとしても、それでも、できることはあるということ。
もちろん、これは本に書かれていた方法であり、私の経験した一結果に過ぎません。
ただ、私には分かるのです。
だから、誰かの理解と声援は尊いのです。
結びに
今、私たちは、言葉の力の強さを感じています。それを教えてくれたのはウクライナの大統領であり、ウクライナの人々です。
力の暴力に、言葉は大きな力となって向かって行き、返ってくる声援に、弱者は勇気を貰います。
けれど、それは国家間だけの話しではありません。
今、虐めやパワハラにあっている人は、是非、自分の周りにいる善良な人を探してみてください。探せば必ずいます。人の痛みの分かる人がきっといます。
たとえ直接手を差し伸べてくれる人がいなくても、あなたが口を開くことで、あなたが語る真実はこの世に刻まれていきます。そして、不思議なことがあるのです。世の中に一度刻まれた言葉は消えてなくなることはありません。どこかで、そのことを誰かが語り伝える、それが言葉の力です。そう、
虐待も、虐めも、パワハラも、戦争も、人を不幸にする行為です。
パワハラ防止法は誰もが知るべき、誰もが自覚すべき法律です。ここに本気で取り組むか否かはその団体のトップの責任。国の侵略行為や子どもの虐待と同じく、パワハラはやってはいけない行為だと誰もが自覚する必要があるのです。
※辛い経験を乗り越えさせてくれたこの一冊の本を、今苦しんでいる人に向けて、今後も紹介していきたいと思っています。
ウクライナの現状と個人の状況とを同じように語ることを不快に思われた方がいたら申し訳ありません。この戦争が一刻も早く終わることを心よりお祈りしています。
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