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#創作大賞2024 応募作品

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noteの#創作大賞2024 に応募中のエッセイ。届け〜!
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【旅日記】2024春、福岡。

【旅日記】2024春、福岡。

4月17日
1.
福岡へ。大好きな彼の、ライブに行くため。
昨日は準備が遅くまでかかったのと、興奮してしまって(すでに・笑)なかなか寝つけず、まあでも朝はちゃんと起きられた。

曇り空のようで晴れみたいな外。鹿児島中央駅の改札の近く、カフェに来ている。クロワッサンとホットコーヒーL。まだ、彼の音楽は聴いていない。なぜかは分からないけれど。もったいぶっている。

コーヒーを飲みながら、仕事しないで遊

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「あなたと話したい」〜昨年後半の、とても幸せな日々について。

「あなたと話したい」〜昨年後半の、とても幸せな日々について。

1.出会ってしまった

音楽家である彼と出会ったのは、去年の夏のこと。彼は音楽にあかるい人たちや、ほんものの言葉や表現を好いているような人たちから一目置かれた存在で、彼の歌や彼じしんを慕う人々が、この世にはたくさんいる。

私は数年まえから、彼の音楽を聴きはじめた。通勤の車の中や、お風呂の中で。怖くなったり心穏やかになったりしながら、ほとんど毎日を彼の音楽とともに過ごした。そうしてとうとう、彼に会

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エッセイ「燃え殻2」

エッセイ「燃え殻2」

まだ明るさの残る帰り道。桜島を右手に、会社に通勤していたあの頃と同じ道を走っていた。

すこぶる疲れていた。
新しく習う仕事を覚えるのに頭をフル回転した一日だった。終わってからも何も考えられず、音楽もかけないままハンドルを握っていた。

はあー。疲れは、思考をネガティブに寄せる。今日とは関係ないはずの不安まで大きくさせた。

気持ちを切り替えたくて、radikoを流すことにした。「お気に入り」に登

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コントロールしないということ

コントロールしないということ

平日のコメダ珈琲店、いつもと違う店舗にて。

よろしければこちらを先に、お読みください↓

熱すぎたアメリカンで舌を焼く。

さっき聴いた燃え殻さんのラジオで、また折坂悠太さんの曲が流れた。
今度は、「夜学」。
私が聴くたびに折坂さんがかかるのは、燃え殻さんが相当折坂さんの音楽を好きで、たくさんかけているからなんだと思う。だからきっと、私が聴くときだけに偶々かかっているわけではなくて、いつもかかっ

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「ユリイカの呪い」— ユリイカ / 折坂悠太・総特集を読んで —

「ユリイカの呪い」— ユリイカ / 折坂悠太・総特集を読んで —

長い間、わたしの中には、わたしを文芸の道から遠ざけた「ユリイカの呪い」なるものがある。

20年前、ユリイカの中で交わされた会話に大きなショックを受けた。「自死願望ある?」。それは当たり前の感覚として、まるでファッションのように「今日の晩ご飯食べる?」くらいの軽さで交わされていた。

わたしは激しく憤った。こんな会話を平気で交わして、さもカッコイイものかのように紙に載せてばら撒いている雑誌が憎かっ

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