「歩く」というのは最高の趣味なのだ♪32
わが町を歩こう
山口瞳さんの著作に『わが町』という好編がある。
お住まいになってた国立が舞台だ。
一読して、国立という町の空気がわかる、人情がわかる。
町で暮らす人がいて、店があって、花が咲き、グランドで少年たちが野球をしている。
タクシーの運転手や仕事帰りの市役所職員の溜まり場となっている店がある。
つまり、この本は国立という町の散歩マップにもなっている。
しかしガイドブックというわけではない。
強いて言えば心の散歩マップである。
この本を読んでこの町を訪れる読者は多いらしいが、みな、ガイドブックを持って歩く旅のようには歩かない。
そぞろに歩いて、かつて山口さんが吸ったのと同じ空気を吸って帰る。
わが町。あるいは、わが街。
誰にでもある「わが町」。
私で言えば北九州だ。
北九州・・自然はどうなっているのか?・・知るためには歩くしかない。
都心に通っていて、家の周りはせいぜい土日にブラブラする程度だから、土地への愛着心は薄い、こんな人は意外と多いのではないか?
しかし、こんな考え方もできる・・
ブラブラ歩いている道から見てどとらの方向に駅があるか?
本を買いたいと思ったとき、夕飯で魚が食べたくなったとき、どこに行けば本屋や魚屋があるか。
小学校はどこにあって、その門の前の植え込みに咲いている花は何で、校門の横の木の名前は何か?
郊外の小川には橋が何本かかっていて、春になるとメダカの群れが見れるポイントはどこで、昼寝ができる公園はどこか。
例えばこんな風に聞かれて、一応答えられる町は今住んでいる町か、かつて住んでいた町か、故郷ぐらいしかないのだ。
全国に無数にある町の中で、そういうことを答えられる町を「わが町」と言っていい。
つまり人は誰でも最低一つは「わが町」を持っている。
白地図を埋めるほどの情報はなくても、心の中に漠然とそのマップは広がっている。
地図上の「わが町」で自分がよく知っている人が住んでいる所、広場、好きな店、子どもがよく行く場所などに仮に頭の中で赤いピンを刺していったら、自分の行動半径、生活範囲が赤い点々になって現れるはずだ。
この地図は、「この町はこの間も歩いたから、今日は反対の方に行ってみよう」・・こんなふうに歩くことで深められていく。
つまり好奇心をもった散歩は、心の中のわが町をさらに印象深いものにしていくのである。
さあ「わが町」をどんどん広げる散歩に出かけよう。
・・つづく・・
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【参考書籍】『歩くとなぜいいか?』(PHP文庫)大島清著
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