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キャッシュレスの話⑦ さようなら、想い出語りの先輩

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。
日曜は〇〇(キャッシュレス)の話。

今回は、1999年の「地域振興券」で
空前の売れ行きを見せた自転車の春
ここから変われた者、変われなかった者

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自転車、空前の「爆売れ」の春

地域振興券では、各企業ごとに様々なものが買われたであろうが、政府の思惑やメディアの見込みとは裏腹に、その主流は嗜好品やぜいたく品ではなかった。

様々な要因があったのだが結果、いつもと同じ生活必需品や日用品の購入に充てられ、「15歳以下1人当たり2万円」を子供に替わり受け取った親の多くは、子供へ使途の説明もしやすい学用品などにでも使おうと考えた。

様々な要因については次回以降で詳しくお話ししたい。

春先に発行されたことや2万円という金額もあり、多くの親の頭に浮かび、ピタリとはまった1つが「通学用自転車」だったようだ。
かくして空前の「自転車爆売れの春」を迎えた。

自転車メーカーも当然に増産体制を取っていたものの、それを遥かに上回る需要で業界がパニック状態になり、急ピッチで生産するが、生産してもトラックの手配がつかない、などと各所が混乱した。

夏以降はその反動で落ち込みがあり年間の数字としてはそう伸びなかったようだが、おそらく春需要としては、日本史上最も自転車が売れた春だったのではないかと思う。

役に立たない先輩は要らない

現場はどうだったのかというと、もちろん自転車売り場にそんなに多くの従業員はいない。過去に担当したことがある部門責任者や上司などもすべて売り場に連れてきて、若い現担当者の指揮下に置いた。

店長だろうがエリアマネジャーだろうが前任者だろうが、「現担当者の指示に従え」ということにした。応援という名の下に現担当者にアドバイスをしたり上司ぶって売り場論を語ったりするのも禁止した。

繁忙期に管理職者などを現場応援に回すと、若手に指導をしはじめて、役に立たなかったり、余計に現場が混乱したりすることがよくある。

「地域振興券」商戦の狂乱の中でそんなことをされたら、たまったもんじゃない。「とにかく指示に従って、言われた作業をしろ」とした。

この頃、自転車の材質や細かいところの構造、流通形態などが変わってきていた頃でもあり、5年前10年前の経験者に「俺の時代は」と以前のやり方を押し付けられても困る事情もあった。

そして現場に出てみると確かに、「昔取った杵柄」とばかりに息巻いて出てきた代々の担当者が、その息をのむほどの客数に呑まれる自転車売り場を見て、そうせざるを得ないと悟り、みな従った。

決してそれに留飲を下げたわけではない。

目の当たりにする明暗

現場感と変化を感じ取り、ずいぶん年下の若い指揮官に素直に従い協力した彼らは、新しい動きに柔軟に対応し、組織や指令系統やをも変化させる術を身に付け、この後も私にとって素晴らしい仲間や上司であり続けた。

一方で、あれやこれやと先輩面をすることに終始したり、上役ぶった理由をつけて持ち場を離れれたりと、素直に従いきれなかった者たちは、この後の変化にも対応できず、身を持ち崩していった。

若いうちの、ほんの20代あたりだけは真摯に学んでいたのであろうが、管理職になった途端に学ばなくなった彼らには、その後も「あの時は売れた」「あの時は大変だった」と思い出を語ることしかできなかった。

ただただ変化を避けたり、理由をつけて自分を守るための行動しかできない彼ら。

企業体としても店舗体質としてもそうなってしまっては、顧客の暮らしを変え、暮らしを守り、買い物に楽しさを感じさせる店舗は決して作れない。

彼らは淘汰されるべくして淘汰されていった。
目の前でそれを見ていた。

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