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キャッシュレスの話⑥ 「お釣りいらない」は許しません

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。
日曜は〇〇の話。

今回はキャッシュレスの一種、商品券類のなかでも
強烈な印象を残した1999年の「地域振興券」。

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1人2万円で経済好転なるか!?

ここで触れる「地域振興券」は、現在各地域で発行されるものとは別で、1999年、国策として全国で発行されたもの。

最近よくあるプレミアム付きで販売するようなものではなく、15歳以下と65歳以上のほとんどに無償配布された1人当たり2万円分の券。

経済浮揚策として100%政府補助の元、市(区)町村から発行された。発行市(区)町村内の店舗でのみ使用可能で、6か月間が使用期限であった。

お釣りは出せない、出させない

その景気対策としての性格から釣銭を出すことは禁止とされていて、私がいた自治体でも店舗側に具体的な指導がなされた。

ぎりぎりの買い物をして「お釣りの端数は要らない」と言われるようなケースでも、「お釣りを出せない」のではなく、「お釣りが出るような買い物が駄目」なのだと説明して、券面額以上のお会計になるように、追加で何かを買って貰いなさい、とのことだった。

例えば、19,800円の商品を買ってお釣りを要らないと言われる場合に備えて、レジ周りにちょうど100円とか200円の商品や、飴・ガムなどを陳列して「これを買ったらちょうど20,000円になります」とか、「これを足して20,040円にして40円だけ手出ししてください」とかいう販売をするように推奨された。

地域振興券で何を買う?

発行されたのが春先であったため、新生活・新入学にちょうどいい2万円程度のものが売れた。私の勤め先では19,800円の通学用自転車がとにかく売れた。

自転車の需要が、量販店や郊外の専業大型店などへの移行が活発になってきたころで、街の自転車屋さんは徐々に廃業し始めた頃だった。

個人の街の自転車屋さんでは大体3万円からが相場、量販店では15,000円前後が主流で底が12,800円ぐらいだった。

そこで多くの量販店はこの期間主力の価格帯を19800円に切り替え、いつもの商品ラインより上の、自動点灯式のライトや内装型3段変速が標準装備されたものなどをこの価格帯に落とし込み集中販売を目論んだ。

果たしてそれは狙い通り、いや狙い以上に爆発的に売れた。自転車が100台以上並ぶ売り場は、営業中に商品補充をしても、夕方には毎日何も残らない空き地となった。

スペース効率が悪く、「地域振興券」需要には外れる幼児車はほぼ売り場から外して倉庫の奥にしまい、売り場は中高生向けの19800円のシティサイクルをばかりをびっしりと並べたが、増やした分だけ売れた。

売り場では、購入客に防犯登録などの対応をしながら整備をし、購買手続きを進める客と従業員が常時10組程度いて、その周りで手空きになる従業員を順番待ちする客がそれ以上にいる状態が朝から晩まで、1か月程度続いた。

次回は、「地域振興券」が変えた自転車業界のお話です。

つづく

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