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【理論】品揃えと価格論① 売り手はどこに立つべきか

いらっしゃいませ。
本日も小売王_マグロ大使のnoteにご来店有難うございます。

今日は品揃えについてのお話です。
大型店舗やチェーン企業のバイヤーの皆様には当然のことながら、コンビニ店員や飲食店オーナーにも役立つ品揃えの基本的な考え方です。


インフレの時代を迎えています

製造業やサービス業の多くが値上げに踏み切っています。飲食店もそれに呼応するように値上げもしくは高価格商品の販売に手を付けていますが、飲食の場合はコロナ以前から構造上の値上げに追い込まれていたこともあります。

人件費並びに原材料費の高騰ですね。

一言で言ってしまえばそうなんですが、ここには日々折り重なる苦悩がありました。弱り目に祟り目、泣きっ面にはち、一難去ってないのにまた一難、さらに一難、と次々に重なっていったのが2020年前後です。

ここを苦しみながらも耐えていたところにコロナが来て、さらに状況は悪化するとともに、もはや「値上げ」はできず、八方塞がりとなりました。

そしてコロナが明けてわずかながら客足が戻る中に襲い掛かったのは、更なる原材料費高騰です。

「値上げ」をしよう。
少なくとも社会全体に明るい兆しが見えている今しかないと、半ば背水の陣の心持ちで値上げを決意したというのが、飲食業の偽らざる本音です。

今まで耐えていた分、5年前と比べて都合1.5~2倍程度への値上げも全く正当なものであると言えるでしょう。

なぜ値上げをするのか

値上げには、インバウンドによるものもあります。また、SNSをきっかけに外観や希少性、一種の芸術性に価値を見出すという、これまでと違う市場も生まれています。

批判的な意見も見られますが、それそのものが悪いことではありません。そこに価値を感じる人や必要とする人、すなわち「需要」があり法に反するものでなければビジネスとしてなんの問題ありません。

ただ、それを押し売りしたり、独占的なシェアを持っているものを強行的に値上げしたりすることは、既存品の顧客にとっては迷惑極まりなく、日常を壊す外敵に見えますから嫌われます。

そういった独善的な発想や顧客を裏切るような発想を起点とした値上げは消費者として「利用しない」という態度で断罪すべきすが、新たな市場としての高付加価値品はもっと社会に受け入れられるべきだと言えますね。

生活密着型の小売飲食業はどうすべきか

このようなご時世にあっても一部の飲食チェーンは価格維持を謳うところもあります。そして小売業においては大半のチェーン企業が価格維持を模索しています。一部には逆行値下げで独り勝ちを狙うものもいます。

自由経済ではありますが、デフレを脱してもなお、強者が資本的な体力を武器に独り勝ち狙いを仕掛け、それに伴って業界全体が消耗戦に突入する展開は見たくないものです。

ただし構造的に作り上げられた安さであれば、単なる人気取りの値下げではなく、「イノベーション」になります。
そしてこの「イノベーション」がつまびらかにされると、さらに新たな別の手法で追従できないか、追い越せないかと、業界に刺激を与えます。

同じものなら安い方がいいのは、当たり前のことです。それは否定すべきものではありません。

消費者としては低品質ものものより高品質のものがいい、普通のものより便利なものがいい、古いものより新しいものがいい、そして、高いものより安いものがいい。

このように単純比較で考えてしまいがちな消費行動において、「安さ」を求めることはやはり自然な欲求であり、出来る限りそれを満たしてあげたいという小売りの努力や消費者目線の精神はあってしかるべきです。

購買行動を立場で分ければ、小売りと客の関係は売る側と買う側になりますが、商品の流れで言えば、作る側と使う側に分けられます。

この場合小売りがどこに位置するか。
最終消費者に直に接する小売や飲食は、使う側に寄っていき、当然に 
その立場から作る側に品質や価格を要求することとなります。

飲食の場合は、ここに作る側の立場も加わりますが、原材料に対してはやはり小売りと同じように使う側(この場合食べる側ですね)に寄るものとなります。

つまり客の代弁者なのです。
客側の立場で品揃えを作り、それに見合うための品質や価格を製造業や卸売業に対し求めていくのがあるべきですね。

結果、値下げするどころか価格維持も厳しく、値上げに振れたとしても、その精神があれば値上げ幅はおのずと抑えられていきます。


次回は具体的に押さえるべき
品揃えを考えるときのポイント3つ
に入っていきます。

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