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Interview 21

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-地域で活躍する芸工大卒業生の姿- 地域で活動する東北芸術工科大学の卒業生・在学生はどんな方法で、 社会に学びを活かしているのでしょうか。 本校の総合美術コース学生21人がインタ…
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記事一覧

子どもたちに届けたい素敵な出会い

子どもたちに届けたい素敵な出会い

──ニュータウンの子育てサロン

蔵王みはらしの丘は、山形市と上山市に位置するニュータウンである。みはらしの丘にこにこサロンは、みはらしの丘に住む未就学の幼児とその保護者を対象にした子育てサロンである。サロンは平成17年夏に設立された。サロン開催日は毎月第一・第三木曜日の午前10時から11時半に開催されている。

運営しているのは、すべてボランティアのスタッフであり、その代表を務めるのがみはらしの

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金山に生きる魅力、はっけん

金山に生きる魅力、はっけん

山形県金山町。山形県北部に位置するその町は、豊かな山々の自然が広がり、また白壁と杉板張りの美しい町並みが印象的だ。その舞台で地域のために活動する1人の女性がいる。

東北芸術工科大学コミュニティデザイン学科を卒業した新潟県出身の本間真生さん。2021年4月から金山町地域おこし協力隊として活動している彼女は、「地域の資源を活用した関係人口の創出」をミッションに掲げ、イベントの企画・実践や展示会の

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わくわくを、ぎゅぎゅっと。 -誰もが楽しめるアート教室を-

わくわくを、ぎゅぎゅっと。 -誰もが楽しめるアート教室を-

──アートの需要に、救いの手を。

2021年9月、山形県新庄市のエコロジーガーデン「原蚕の杜」では、沢山の親子が賑わいを見せていた。

インタビューに答えてくれたのは、東北芸術工科大学(以下、芸工大と略す)コミュニティデザイン学科 3年の有我朋恵(ありが ともえ)さん。

有我さんは、この「原蚕の杜」にて行われたアートワークショップイベント「新庄教室」の学生代表として活動の主軸となって活躍してい

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昔ながらの丁寧な食事を、今こそ

昔ながらの丁寧な食事を、今こそ

 山へキノコを採りに行き、2〜3時間かけて下処理を行う。それから調理をして、ようやく食卓に並ぶ。
 電子レンジ1つで温かい食事にありつける現代社会の中にも、こうした昔ながらの食生活を送る人々がいる。そして、そんな暮らしを営む人々のもとに赴き、その魅力を発信する活動を行う美大生たちがいる。

──地産地消の暮らし

「七軒スタジオ」は、山形県大江町七軒(しちけん)地区を舞台に、地域活動を行う団体だ。

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ゴミに向けられた、それぞれの思い

ゴミに向けられた、それぞれの思い

私は、「白の橋」(しろのはし)という学生プロジェクトの参加者にインタビューを伺った。インタビューに応じてくれたのは。東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 日本画コース1年(2021年度入学)の勝又愛乃(かつまたあいみ)さんと、同学、学部、学科、同
コース3年(2019年度入学)の江守彩夏(えもりさいか)さんである。

「白の橋」とは、芸術作品を制作、オンライン公開し、販売する活動である。活動のそれら

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そっと寄り添い合う

そっと寄り添い合う



画⾯いっぱいに広がる美味しそうなパスタ。
ナスの焼き⽬、トマトのぷっくりとした形、⾒ているだけでお腹が空く。これはクレヨンで描かれたものだ。柔らかで鮮やかな⾊の中にある⽩⾊が、より美味しそうに魅せる。
絵を描いたのは東北芸術⼯科⼤学芸術学部美術科総合美術コース 3 年の増⽊英莉さんである。
⾷べ物を描く際は実際に⾷べたものを描くというこだわりを持っているのだ。

──吸収して、外へ

紙を持

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自分なりの和菓子を伝えたい

自分なりの和菓子を伝えたい

田中 美海さん(メディアコンテンツデザイン学科情報計画コース2010年卒業)現在は山形市双葉町で『和菓子甘果』を経営している。

店内を覗くと、背の高いカウンターに身を近づけ、私たちに笑顔で挨拶をする一人の女性。田中美海(よしみ)さんは、製造から販売を一人で行う『和菓子甘果』のオーナーで、東北芸術工科大学(以下、芸工大と略す)を卒業している。

田中さんは大学卒業後、和菓子職人を目指して修行をし、

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ろうそくで灯す飯舘の輪

ろうそくで灯す飯舘の輪

──飯舘村でものを作る楽しさと魅力を発信する。

東日本大震災で村全域が避難区域になるなど、原発被害で厳しい現実に見舞われた飯舘村。そこで復興の一助として「地域おこし協力隊」として移住しキャンドル制作を行う「工房マートル」をオープンさせた、東北芸術工科大学(以下芸工大) プロダクトデザイン学科卒・大槻美友さんに活動に至った理由から現在までを迫る。

工房マートル(大槻美友人さん) 
Faceboo

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実践から知る「強み」

実践から知る「強み」

大学に入った当初から地域で何か活動をしたい、貢献したいという思いがあり、チャレンジしたいと思った、と語る高野奈美さん。(美術科総合美術コース4年生)

高野さんはできることは率先して行い、先輩後輩関係なく皆から頼られる存在だ。

一見「チャレンジ」と聞くと不安を感じ、ハードルが高く感じる人が多い。では実際に活動をしている人はどの様なことを意識して実践に繋げていったのだろうか。

きっかけは東北妖怪

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花を咲かせるために 〜大学での学びとは〜

花を咲かせるために 〜大学での学びとは〜

私は小学生の時の「総合的な学習の時間」で紅花染めをした。初めての素材や技法にドキドキしていたことを覚えている。その際講師として来校されたのが、今回インタビューをした竹越友美さんだ。約10年ぶりにも関わらず私を覚えていてくださり、とても嬉しかった。

竹越さんは、東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 テキスタイルコース(以下芸工大)を平成22年度に卒業。その後、山形大学 地域教育文化研究科 修士課程

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思いやりは1つじゃない

思いやりは1つじゃない



———活動概要

普段から頼りにされていて接しやすい雰囲気を持つ熊田敏秀さん。周りからは 「くまちゃん」と呼ばれ親しまれている。熊田さんが所属し指揮を取る    「Art in Life」は、有賀三夏先生ご指導のもと、「人生に芸術をどう使おうか?」というテーマを掲げ、アートが持つ力を利他的に社会と繋げる実践活動を行なっている東北芸術工科大学の学生有志団体である。「芸術思考」という他者や社会に貢

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捨てられる遺骨をアートに変える

捨てられる遺骨をアートに変える

──「白の橋」プロジェクトとは。

愛護センターで生を終えた動物たちの遺骨は、どうなるか知っているだろうか。愛護センターで殺処分または施設内死亡となってしまった犬や猫の遺骨は、一般廃棄物つまり”ゴミ”として処分されてしまう。そんな中、「人間と共生してきた犬猫をゴミにしたくない」という思いから、東北芸術工科大学 美術科 日本画コースと有志の学生が集い、動物の遺骨を「骨絵の具」として利用し、絵画作品の

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ケーキの味に思いを込めて

ケーキの味に思いを込めて

洋菓子店「九二四四」公式ホームページ

―ケーキ屋という道に進もうと思ったきっかけ
2001年に東北芸術工科大学 情報デザイン学科を卒業し、現在、仙台市で洋菓子店「九二四四」を経営している橋浦邦義さんは、在学中にやりたいことを見つけられないまま卒業し、仙台に戻ってきた。そんな時、ケーキ屋を経営していた叔父さんからアルバイトの誘いがあり、それがきっかけで洋菓子の世界を知ることになった。

ーケーキを

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美容室から始まるアートと地域の繋がり

美容室から始まるアートと地域の繋がり

「芸術地域連携企画Daz」

 年内の展示を目指し活動する「芸術地域連携企画Daz(ダズ)」。
 その代表の総合美術コース3年永沢ほのかさんと、副代表日本画コース3年宮古真奈さんに活動内容やそれぞれの企画にかける思いを聞いた。(以下、苗字表記)

–「Dazの活動内容について」 Dazとは、代表の永沢さんが美容室『Kuria.』のオーナー(滝本義貴さん)より「芸工大生に展示用の絵を描いてもらえない

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