TMS療法が効く条件について
TMSは日本語で経頭蓋磁気刺激療法といいます。
脳の前頭前野に磁気刺激を与えて活動を促す神経治療です。
ざっくり言って、前頭前野は理性・思考に影響する部位なので、恐怖や不安を司る扁桃体の過活動を抑制することができます。
なので主な適用は、うつ病、双極性障害、強迫性障害、それらの周辺疾患、そして麻痺や疼痛も含まれます。
電磁気を用いた脳神経の治療全般を、ニューロモデレーションと言ったりします。
さて、↓ でも多少ふれましたが、
ニューロモデレーションまたはニューロフィードバック療法が、
効く人・効かない人がいる。
(※ニューロフィードバックの紹介はこちら ↓ )
この違いは何なのか?
かなり重要なポイントなので、必ず押さえておかなければなりません。
TMSは高額治療
基本は保険が効かない高額医療だからです。
(※一定の条件を満たせば保険適用です。)
TMSについて、受けた人の話を聞き、SNSの体験記を読みあさりました。
「世界の見え方が変わりました!」
「景色が立体感を増しました!」
というように、大きな効果が見込めそうな印象です。
が、僕はまだ試す予定はありません。
理由はシンプルです。
治療完了から数か月・数年経過後の情報が極めて少ないからです。
リアルで試した知り合いの子も、数年たった今ではかなり鬱々としています。
この点を踏まえ、懇意にしているニューロフィードバックの研究者兼臨床家の教授に話を聞きに行きました。
(※ニューロフィードバックはTMS等の隣接領域で、その人はTMS治療の症例報告や研究会にもよく出席されています。)
教授いわく、ニューロモデレーションとニューロフィードバックに共通する弱点は、
「脳内に異物があると効果は一時的あるいは極めて薄いこと」でした。
異物とは、有害金属・細菌や微生物・特定の化学物質、未消化タンパク質などです。
そう思って調べてみると、ニューロフィードバックの方の症例も、子どもの発達障害やてんかんなどの症例がとても多いことに気づきます。
あるいは健常者が集中力を高めピークパフォーマンスを向上させる。
そういった使われ方が海外では普及しているようです。
年が若い、あるいは健常者。
両者に共通するのは、脳内に蓄積した有害物質の量が少ないことです。
内科的治療を完璧にしてからTMSに臨む
有害物質が脳内に侵入する原因はたいてい腸内環境です。
リーキーガット症候群からの水銀・鉛の蓄積、あるいは慢性的な細菌感染、有害ペプチドの血中侵入は、発達障害にいたる王道パターンです。
こういうものを治療するのがこのマガジンでいう「内科的治療」です。
臓器としての脳の治療です。
発達障害/精神疾患においては、
「侵入した有害物が酵素反応を阻害し自然排出を妨げる」
という、まるで格ゲーのハメ技のような現象が身体のそこかしこで起こっているから厄介なのです。
これらの物質はもちろん、リアルタイムで神経伝達物質の働きを邪魔します。
TMS治療は磁気刺激による前頭前野活性化からの海馬・偏桃体の活動への介入というアプローチです。
ですが、神経の活動が回復しても固定化せず、一定時間で効果が減衰していってしまうのです。
内科的治療には必ずステップがあるので、それらを確実にクリアしてから神経治療に臨むのが成功の秘訣です。
(詳しくは ↓ )
高額医療は必ず研究者にヒアリングする
この件に関しては、僕もネットや他人の事例がなければ見落とすところでした。
知り合いに専門家がいたとしても、こちらから自分の情報を渡して尋ねなければ教えてはくれません。
以上の理由から、TMSとニューロフィードバックについては、内科的治療をすっかり終えてから挑みたいと思いっております。
出来れば今年中に開始したいですね。