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オーソモレキュラーとは(2)



前章の続きですが、要は発達障害/精神疾患を根本治療できる医療ジャンルのお話です。


標準医療の精神科と違いは?

前章で解説した尿中有機酸検査は尿から脳の神経伝達物質の情報を引き出します。

脳は内臓の一部です。

つまり脳は血管と神経で身体全体とつながり、24時間ホルモンや物質の出し入れを行っているのですが、一般的な精神科医はそこをフルでシカトします。

そして脳に直接働きかける薬物を使用します。

たとえば、統合失調症は前頭葉のドーパミンの機能不全だという仮説があるので、「前頭葉の活動に働きかける薬を処方しよう」
…以上、思考終了です。

しかもその薬も効く仕組みがよく分かってないです。
(分かってなくても効けばよいという考え方もアリですが、効かなくて困ってる人は多いと思います。)

以前僕は、コンサータ、ストラテラという発達障害の定番薬を最大容量で飲んでましたが、調べれば調べるほど怖くて飲めなくなりました。

作用機序(薬が効く仕組み)も、長期服用患者の追跡調査もきわめて情報に乏しいからです。

(科学的根拠に乏しいという理由で漢方を疑う人、精神科もトントンです。)

それが根本治療を探す動機の一端でもありました。

話を戻すと、精神科は神経伝達物質の正常な活動が妨げられてる原因を特に探そうとしません。

別に怠慢ではありません。

彼らは「精神」科です。

寿司屋に行ってチャーハンを注文しても出てこないのは当たり前と思いますし、チャーハンが食えないせいで人生棒に振ったとしても、寿司屋に責任はありません。

標準医療の精神科は対処療法です。

つまり根本治療が終わるまでの間、一時しのぎのための薬をもらうための存在です。

僕はそう割り切っています。

具体的な治療内容は?

統合医療の医師はだいたい内科医です。
(歯科や精神科・診療内科を兼ねてる人もたまにいます。)

なので特別なことをするわけではありません。
基本は、

・検査
・内服薬とサプリメントの処方
・食事指導

です。

「そんなもので発達障害/精神疾患が治るわけない」
と思う人は必ずいると思います。

が、そもそも、うつ状態・集中力低下・感情のコントロール…、などの脳機能の異常を、精神科ではなく、治療実績のある内科医に相談したことのある人は、ごく少数ではないでしょうか?

血管と神経を通じて脳が身体とやりとりし、それが脳の状態を決める、というのは慢性疾患の治療において当然の考え方です。

その理屈で説明できない原因といえば、事故や奇形による物理的な損傷と、精神的トラウマくらいだと思います。

(なので、下記の記事の図にある通り、器質的治療(脳と身体の治療)と心理療法は並行して行うのが最適です。また、トラウマ治療の詳細については別途に解説記事を書く予定です。)

つまり、統合医療は(日本の)医療業界においてやや異端かもしれませんが、実際、治療に対する考え方はきわめて普通なのです。

ただし、検査や処方される物はアメリカ製やマニアックなメーカーのものが多く、ほとんどが見慣れないものばかりだと思います。

参考のために、現在(23/11月)僕が服用しているものを掲載しておきます。
治療内容は主として重金属の排出です。


・プロバイオティクス(いわゆる善玉菌。主治医のレシピ)
・プレバイオティクス(善玉菌の餌となる水溶性食物繊維。主治医のレシピ)
・抗真菌剤(カンジダ菌の除菌用。一般内服薬)
・NACエンハンスド(抗酸化物質。脂肪細胞から金属を排出する)
・キレート剤(血中に出た重金属を尿から排出する物質)
・MVM-A(デトックスで失われる必要ミネラルの補充)
・サッカロマイシス(腸内免疫を強化する菌類。23/3月時点の検査でIgAの値がかなり低下していることを確認)
・フォスセリンコンプレックス(同上)
・サッカロマイシス(学習能力にかかわるアセチルコリンの活性化用)
・フルスペクトラザイム(グルテン・カゼインをアミノ酸に分解する酵素。ラーメン前の頓服用)

僕の主治医は特定のメーカーにこだわったり、かと思えば自分で腸内細菌のレシピを作るような人ですが、統合医療においては同じ役割のサプリメントでも医師によって選択が様々です。

標準医療の精神科との大きな違いは、一つ一つの数字の読み方や処方のチョイスに根拠と自信を持っていることです。

(たまにそうでない人もいますが、そういう人は腕が悪いので主治医にしないようにしましょう)

何故マイナージャンルなのか?

マイナーと言いましたが、発達障害/精神科の根本治療をしようとしている人は大抵存在を知っています。

精神科にしかかかったことのない人とは、情報格差がものすごいです。

なぜほとんどの内科医が統合医療のやり方を学ばないのでしょうか?

答えは簡単で、儲からないからです。

検査もサプリも保険が効きません。
一般処方薬でも適用が違うため非保険になることが多いです。

保険が効かないことは、患者にとってかなり痛手ですが、医師にとっても相当な不利益です。

なぜなら、

・3割負担の診察のみ行えば、患者が3000円支払った時、クリニックの売上は一万円です。

・非保険治療の場合はそれがないので、単価を上げざるを得ない。しかも検査やサプリは原価が高く、結果として患者が激減する。

・保険適用でないこと自体、一部の患者の信用を妨げる。

あなたの周りの労働者で、仕事を人生の中心にすえ、稼ぎじゃなくやりがいが第一、という人はどのくらいますか?

かなり少数派だと思います。

しかも開業医になる人は、莫大なお金と努力を支払ってきています。

その上でさらに冒険をしたい人は、一般的に言って、はぐれ者、変わり者、あるいは無頼と呼ばれる類の人たちです。

何が言いたいかというと、統合医療に限らず、根本治療をしようとする医者・研究者はたいてい濃い性格の人です。

いろんな医師のブログを読んでいると、やはり自分や家族の人が原因不明の心身の不調に冒され、どうにもできない国内の標準医療に愛想を尽かしてその道に入った、というケースが多いです。

つまり、治療を始めようとしているあなたと同じぐらい我が強い人たちであることは覚悟しておいて下さい。(笑)

その上で、つづく記事では、

を紹介します。

本章は以上になります。

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