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「#このお店が好きなわけ」素敵な作品をピックアップ!~「人生を語る上で外せないお店」ほか

noteさんとコラボしたお題企画「 #このお店が好きなわけ 」にご応募いただいた作品の中から、4つのテーマ別に素敵な作品をご紹介する連載企画。今回はその中から「人生を語る上で外せないお店」と「コミュニケーションが心地よいお店」を取り上げます。

テーマ1「人生を語る上で外せないお店」

生き方や考え方に大きな影響を与えてくれたお店、青春時代や過去の職場で働いていた時の思い出が詰まったお店など、自分の人生と大きくリンクするお店は、やっぱり特別な存在になりやすいもの。「好き」の熱量が高い投稿や印象的なエピソードがたくさん寄せられました。

★彡 「心の拠りどころ」

・ずっと馴染めずにいた東京に、帰る場所が出来た気がした

mochino|マネー・住まいさんは、上京4年目に出会った大好きな1軒のカレー屋さんとのエピソードを教えてくれました。
おしゃれな外観、自分だけのカレーが食べられるという点が好きで行っていたお店が約1年後に閉店してしまいます。
その時は『美味しかったのに、残念』という気持ちだけだったようですが、その後、SNSで場所を変えて営業していることを知り、何度か足を運ぶうちに店長さんと「ビートルズが好き」「彼が福岡に転勤になる」といった他愛もない話をするようになったそうです。
そして時が経ち、ポール・マッカートニーの来日公演のために東京に来ていた彼が、公演中止のアナウンスを聞いて福岡へ帰る前に東京でしたかったことが、このカレー屋さんに行くこと。二人でお店に行くと、公演中止になったことをニュースで知っていた店長さんは『待ってたよー』『ポールにも会えないならここくるしかないだろうなって思ったから』とお出迎えしてくれたそうです。
mochinoさんは『東京という町に自分たちのことを気にかけ、待っててくれた人がいることがとても嬉しくて涙が出そうになった。』『ずっと馴染めずにいた東京に、帰る場所が出来た気がした。』と感動し、このお店が特別でかけがえのない存在になったようです。最初の出会いからお店のことを好きになっていく過程がよく伝わる作品です。

・みんなの「心のよりどころ」だった、父の店

父が営んでいた中華料理屋が小さい頃から常にお店が身近な存在だったことを教えてくれたのは、はっしー|ファミリーコーチングさん
1階が店舗、2階が家族の住まいという1軒家の造りで、子どもの頃に近所の常連さんや同級生、先生も食べにくる中、お店ののれんをくぐって2階に上がるのを恥ずかしく感じていたことや、大学生になると店を手伝って小遣い稼ぎをするといった話は、自営業ならではのエピソードではないでしょうか。
閉店前最後の2週間は常連やかつてのバイトさん、同級生などが食べに来てくれて、みんな帰り際には涙し、お花やプレゼント、色紙をもらったことを振り返り、『きっと、父の店は、みんなの「心のよりどころ」だったのだろう』と綴ります。
何度も聞いたことのある『店の儲けより、人を喜ばせることが大事』『お客さんがな、うちのファンになってくれるねん』という2つのセリフのとおり、「儲けよりも人を喜ばせる」という理念を体現することでみんなに愛され、必要とされるお店になっていく様子が描かれた、温かい気持ちになる作品です。

★彡 「青春や昔を思い出す」

・大学時代の思い出が詰まった、自分にとって唯一無二の喫茶店

大学時代に毎日のように通っていた喫茶店ソワイエを紹介してくれた、犬井ワンさん。基本的に店はガラガラですが自分にとっては何かと都合がよく、『常連の店がある』という気持ちよさもあって、何かにつけて友だちをそのお店に誘っていたそうです。このお店の魅力について『このお店が僕の青春そのものだからだ。ソワイエは、僕の大学生活そのものであり、僕の大学時代のおかんがいる場所であり、この世にふたつと存在し得ない思い出の場所だったのだ。』と、犬井ワンさん。
そこで過ごした時間、人との会話、それらの思い出自体がお店への愛着を育み、自分にとって特別な存在になっていることが分かります。ちなみにこのお店、大学時代の友人からの連絡で最近閉店したことを知ったそうです。最後に通ったのは閉店する1年前とのことなので、大学卒業後も通われていたのでしょうか。この作品が、お店のママに届くと良いなと思いました。

・大好きだった和菓子屋に、お土産を持って挨拶に行く

サキさんは大学時代に数えきれないほど足を運んだ和菓子屋について綴ってくれました。このお店のファンと自覚しているとおり、たくさん好きな理由があるようで、「味・価格・人柄・ホスピタリティ」の4つに分けて紹介してくれています。
数年後、仕事で久々に近くを訪れたのでお土産を持っていくと、すでに閉業している様子。自宅と一体化した建物だったのでインターホンを押してみると、お店を営んでいたおばあちゃんが出てきてくれたそうです。きっと自分のことは覚えていないだろうと思いながらも、『私はお店の和菓子が大好きで、何度もこの味で幸せをもらって、辛いことを乗り越えてこれました。大好きです。ありがとうございました。』と感謝を伝えられたこと、そして『顔に皺をいっぱい寄せて「ありがとうございます」と笑ってくれた。』というおばあさんの姿から、とても特別な瞬間だったと感じました。
近くを寄った時にわざわざお土産を持っていくほど、ご自身にとって忘れられない大切なお店。お店はなくなってしまいましたが、おばあちゃんに想いを伝えられたことで、サキさんの記憶の中にいつまでも残り続けるのではないでしょうか。

・きっと他の高校生は知らない、自分たちだけの秘密の場所

日野笙 / Sou Hinoさんは、親や大人がいない中で外食をするようになった高校生の頃、友達たちといつもと違う店を探して、雑貨屋兼カレー屋さんに出会います。店内には手作り感のある雑貨や家具が並び、まるで違う国に来たような不思議な空間。そして、家のカレーとは違う色々なスパイスの香りがする『大人の味』や『見たことのない色々な雑貨』のすべてがお気に入りに。その後『私たちはなんだかあの店を知っているのは自分たちだけ』と、4人のお友達だけの『まるで秘密のたまり場』のような気がして、ひっそりと通い続けたそうです。
異国情緒溢れる店内の雰囲気、不思議なテイストの雑貨たち、そして普段食べたことがないスパイスカレーと、“初めて”とたくさん出会い、他の高校生は知らない自分たちだけの秘密の場所だったこともあって、行きつけの店になっていく。お店自体が持っている魅力と、日野笙さんたちが魅力に感じることがタイミングよく一致したからこそ、「好き」が育まれていったのかなと思いました。こちらのお店も閉店してしまったようですが、今でもお店の空気やお香の香り、カレーの味をたまに思い出すようで、記憶に深く刻まれているお店であることが伝わりました。

・梅田のマクドナルドが、自分にとって特別な理由

中川達生/AI開発のROX CEOさんは、高校合格祝いに5つ上の大学生だった兄が寿司をおごってくれた話を紹介してくれました。寿司屋に行く前、お兄さんは一人マクドナルドでセットを食べて、寿司屋では2、3貫つまむ程度だったそうです。今になって思い出すのは、寿司の味や兄との会話よりも、『あの時、マクドに入って行った兄の背中』であり、『若干19才の兄貴が、頑張って弟に優しくしてくれたんやなということ。』だと言います。
そんな思い出がある中川達生さんの好きなお店は、「梅田のマクドナルド」。お店の前を通るたびに、ほんわか温かい気持ちになるそうです。
マクドナルドといえば、どの店舗に行っても同じ品質のサービスが受けられる世界的ファーストフードチェーンですが、それでも忘れられない記憶や印象深い思い出と結び付くことで、特定の店舗が自分にとって特別になる。そのようなことを改めて実感するエピソードでした。


テーマ2「コミュニケーションが心地よいお店」

店主との会話や考え方からその人柄に惹かれてお店が好きになる、店員さんの接客やサービスがお気に入りでリピートしている、店員だけでなくそこに集まる人たちとのコミュニケーションや雰囲気が魅力的など、お店をきっかけに生まれる自分とお店との程よい“コミュニケーション”が好きな理由になるというエピソードを紹介します。

★彡 店員さんとのコミュニケーションに惹かれる

・一緒にいて気持ちいい人と時間を過ごしたい

おじゅさんは、いろんな美容室に行く『美容室ジプシー』を経て、お気に入りの美容師さんにたどり着きました。期待以上の仕上がりや髪のクセを考慮してくれるアドバイス、同い年ならではの感覚の近さ、会話の楽しさなどが相まってファンになり、その人が独立してからも追っかけて通い続けているそうです。『全部、人で選んでる。だって物の価値は私には良くわからない。でも過ごす時間の価値なら選べる。一緒にいて気持ちいい人と過ごしたいし、この人好きだなって人に頼みたい。』と、“人”や“コミュニケーション”の心地よさが「好きなお店」の明確な基準になっているところが印象的です。

今回、美容室や床屋のエピソードもたくさん集まりましたが、“人”や“コミュニケーション”が通う店の決め手になっていることが多いと感じました。例えば、のーす|須坂市地域おこし協力隊 北直樹さんも、行きつけの理髪店には地域から信頼される店主がいて、そこにいろんな情報が集まり、店主を起点に人と人とがつながる様子を教えてくれました。

そう考えると、人柄やコミュニケーションが重視されやすいお店のジャンルもあるのかもしれませんね。

・ドトールの店員さんとの緩やかなコミュニケーションに満たされる

きほ🍎さんは、地元のお祭りでハンドメイドアクセサリーを見ていた時、急に声をかけられて警戒していると、その人は『お客さん、朝、ドトールきてくれてますよね?』と定期的に利用する職場近くのドトールで働いている店員さんだったことが判明。毎日通っているわけではないのにも関わらず覚えていてくれたことから、その日からきほ🍎さんにとってドトールがサードプレイス(心地の良い第3の場所)になったというエピソードを教えてくれました。
それ以来、コーヒーを受け取るほんのわずかな時間にドトールのお姉さんと話す会話で『すっごく満たされた気持ちになる』とのこと。緩やかなつながりが幸せに生きる上で大切な要素であることを感じさせてくれる作品です。

★彡 お客さんも含めたコミュニケーションや、お店の雰囲気に惹かれる

・店員とお客さんの境界線が曖昧になることに、愛おしさを感じる

よさくさんが紹介してくれたのは、先輩から教えてもらって1人で行ってみた定食屋のエピソード。雰囲気のいいおばあちゃんがやっている昔ながらの中華屋ですが、なんとお客さんが配膳を代わってあげたり、常連客が店じまいを手伝ってあげるお店で、お会計もお釣りを自分でカウンターから取るセルフ方式なのだとか。おばあちゃんの優しさや笑顔に、まわりの人たちも優しくなっていき、心地よい空間が生まれているようです。『店員とお客さんという境界線がどこかへ飛んでいってしまうことは、時にくすぐったくて、愛おしくて、あたたかい。』と、衝撃を受けつつもすっかり魅了されてしまった様子です。
おばあちゃんの人柄や笑顔があるからこそ、そこにいるお客さんも気持ちよく手伝いをしたくなる。不思議だけど温かいコミュニケーションが生まれている素敵なお店です。

・「味は普通」でも通い続ける理由

pwccaさんのお気に入りのお店は、実家近くの雰囲気のあるラーメン屋さん。味は『正直なところ“普通”』のようですが、お気に入りの理由は「安心感」を与えてくれるから。おっちゃんが小窓から「おう、姉ちゃん。元気か?」「おう、お帰り!」と話しかけてくれる言葉や、肩肘張らずに行けるお店であること。そして、定休日以外は夜中12時まで空いていて、残業で疲れた帰り道を明るく照らしてくれるため、『夜遅くまで働いていたのは、私だけではない』と安心感を覚えるそうです。古参従業員が辞めてしまってラーメンの味は変わってしまったそうですが、『これから先もこの店が私のお気に入りであることは変わりない。』と断言する様子から、決して味だけではない、店員さんとのコミュニケーションやお店の雰囲気も「好き」を左右する重要な要素であることを改めて認識しました。


以上、「人生を語る上で外せないお店」と「コミュニケーションが心地よいお店」という視点で、皆さんから寄せられた「 #このお店が好きなわけ 」を紹介させていただきました。

次回は「ここにしかないお店、特別な体験ができるお店」、「モチベーションアップ/リフレッシュできるお店」というテーマで、引き続き素敵な作品をピックアップしていきたいと思います。

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