詩編7:不自由落下
真夜中の海の上を歩くガラス玉
くすんで見えるから重力に身を任せた
いつか海底まで沈むその日を夢見て
泥塗れの理由を描くための不自由落下
狭い狭い部屋の中で一生を終えようと思えば終えられる
そんな自分を認めるのが怖いから虚勢を張る
掴めない現実から逃げて逃げて辿り着いた仮想の地獄
溺れてく僕は綺麗だけど醜いアヒルの子って
保つ平衡とすれ違う世界は平行
無関係な桜が舞う窓の外を見れば
夜空は紫紺と真円の月は黄金
そんな月並みな言葉で表せるほど
美しさに感謝を込める日々
明るい未来が恋しいから今はおやすみ
繋がりを断たなきゃいけないような曖昧は現在
朝起きたら時計が進んでるような結末には慣れたから
静かに待っているだけの重い心と身体
きっとさっき通り過ぎた何かが今心の中で僕を嘲笑う
そんな世界で生きたくないから普通を棄てたいんだろう
辿り着いたみたいなそこは底かわからないけど暗闇は渦
でも証明不足で照明は不要だからここで一度切ろう
救いは来ないよ
求めなかったから
俯瞰性の中毒にいる未熟なオトナ
綺麗な未来へ必要な犠牲
そんな身勝手な創作に頼るほどの
不完全さには気付こうともせず
暗い未来が見えたから今はおやすみ
目の前を通り過ぎる世界が進む経過時間は未来
眠るための努力をする元気すらなくなったみたいだから
夜明けを待っているだけの重い身体と心
朝焼けの海の上を歩くガラス玉
眩しくて目立つから重力に身を任せた
いつか地面を練り歩くその日を夢見て
好きなだけ痛みを描くための不自由落下
水面に向かい足掻くガラス玉と
立ち止まったような速さの世界
二足歩行は重労働
速さを補う姿勢は
同士の歌を聴くその頭と
石ころを持つ両手と
不満足な楽しささえも武器にできること
制約の創る自由の享受と記憶
世界を許してやると思うなよ
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