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私のために永遠に生きて
私には自分しか好きなものがなくて、目も、耳も、口も、自分のために働かせることしかできません。
見たくないものを見たくないし、聞きたくないことも口にしたくないことも、そう。
だから私は彼女のことを知り過ぎていて、目は宇宙の赤いつらなりまで見つけられるし、耳は声をガラスの瓶のなかに雫みたいに落とします。口も、そう。
南アルプスのふもとで彼女の義母と私が話していたのだって(折りたためる木のテーブルにク
LINEでツイッター
「サク山チョコ次郎って知ってる?」
舞香にLINEした。
朝のラヴィットで紹介されていて食べたくなった、新製品のチョコ菓子。私が見たのも、発売も少し前だったけど、それからずっと気になってた。
「今日買ってみたんだ」
「なんか駄菓子みたいな印象のお菓子?でも二百円くらいする。ブラックサンダーで良くね?ぜんぜん違うか」
連投して、五分経過。
「おいしかったー!」
私が送った一通りのメッセージはまだ既読
可愛いトリオは不格好
あなたって嘘をつく前に一瞬、目線を左下に泳がせるのね。
それで顔を上げたときには、ほらさきっき「冬の青い空が好き」って、話してくれたのと同じくもりのない目だわ。
ごまかし方は上手いほうだと思うけれど、すべて分かっている私にとっては、あなたの前後に矛盾のない優秀な台本や上手な演技も、茶番にしか見えないの。
一度なくした手袋のスペアを買うくらい、そのプレゼントは大切だったの?
私の知らない女の人