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シネマ・エッセイ 〜暮らしに映画のエッセンスを

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人生の旅路という表現が意味するように、時に人生は旅に例えられる。映画は、さまざまな人生の縮図。旅をするように楽しむ。日常の、または非日常の暮らしにもっと映画のエッセンスが注がれた…
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#エッセイ

映画『東京画』

映画『東京画』

巨匠・小津安二郎監督の墓跡には
「無」と一文字だけが刻まれている

小津監督を敬愛する映画監督および関係者は数多

小津作品には欠かせない逸材である笠智衆さん
監督からの演技指導に必死に順った笠さんは語る
「自分を忘れて 白紙になる術を学んだ」と

乾為天の二爻「見龍」
周りを見て頑強な型を作る時
一度できた土台は揺るがない
笠さんは小津監督から一生ものの役者としての「型」を授かった

いまはただ

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映画『緋文字(1972)』

映画『緋文字(1972)』

映画『PERFECT DAYS』を鑑賞して以来

ヴェンダース作品が気になり出す

ちょうど、サブスクのザ・シネマにて
彼の過去作17作品を配信中であることに気づく

いざ観るぞ!と意気込んでみた作品が『緋文字』

『PERFECT DAYS』とはまったく異なる風合いの映像世界に
気持ちが少々へこたれてしまう

癒しに愛犬の寝姿を描いて、気持ちを潤した

この後、ヴェンダースがどのような変遷を経て

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現代アートハウス入門 皆勤賞

現代アートハウス入門 皆勤賞

先日の現代アートハウス入門の皆勤賞特典が、本日届きました。本物のフィルムでできた栞。映画ファンであればぜひいただきたい品。しかもそのフィルムのシーンがこちら↓

「心配ないわ 検査は陽性 おめでたです」

どうも、来年はおめでたいことが来るのかな。

そんな暗示のようなセリフに期待大、です!

映画と熟成

映画と熟成

2021年12月19日、今年最後の満月の夜。以前からずっとの気になっていたフジコ・ヘミングのソロコンサートへ行ってきました。以前は頻繁に通っていたライブやコンサート会場。その雰囲気がとても新鮮に感じました。

フジコ・ヘミングは多くの方々が知るとても有名な方ですが、わたしがその存在を知ったのは、かれこれ4年ぐらい前。きっかけはこちらの映画でした。↓

2018年7月21日に鑑賞。ラ・カンパネラをは

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わたしにとっての現代アートハウス入門

わたしにとっての現代アートハウス入門

現代アートハウス入門Vol.2が終わった。今年初旬に開催のVol.1から全講座に参加。合計14回。私と映画との関わりが、確かに変わったように思う。特に、今回は2回目ということもあって、「映画をまなぶ」という姿勢が自分の中で強くなった。まだ夢心地のような気分なのか、うまく自分の思いを記しておくことができるかわからないが、わたしにとっての現代アートハウス入門の位置付けは書き残したいと思った。まずは、今

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ジョニー・デップに通底する易経の教え

ジョニー・デップに通底する易経の教え

私は現在10歳2ヶ月になるチワプーのわんちゃんと暮らしています。彼が心臓などいくつかの大病を患っていることが判明したのが、昨年11月。その後、運よくたどり着いたのが薬膳のドッグフードでした。不安で不安で仕方がなかった日々が、薬膳と出会えたことでとても心強い味方を得たような気持ちになりました。幸いにして今は、以前と変わらず元気に平穏にシニアライフの日々を過ごしています。実はこれを契機に、この4月から

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健康と人生に向き合う映画の時間

健康と人生に向き合う映画の時間

先週の日曜日、この2作品の映画を鑑賞しました。今回は2作品の間に長尾先生ご本人のトークイベントとサイン会も行われました。

健康という言葉にとっても鈍いと言いますか、体調を崩してはじめて心配し始める方も多いのではないでしょうか。少なくとも私はその一人です。昨年から私の家族はさまざまな体の問題に悩まされてきました。母親が夏に腸のヘルニアと秋には誤嚥性肺炎に罹患。また愛犬のリオンさんは心臓病など複数の

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まちの映画館だからこそ、できること。

まちの映画館だからこそ、できること。

春分の日に催された映画イベントに参加。北九州にある小倉昭和館にて。映画館だからこそできることを実体験しました。

昭和館では2作品1200円で鑑賞でき、この週はコチラのラインナップ。

突然ですが、みなさんはストリップ劇場に行ったことはありますか?以前は男性が足を運ぶ場所と思われていましたが、近ごろでは若い女性ファンも増えてきてだいぶ様相が変わってきたそうです。ちなみに私は未経験。全盛期には400

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映画『世界で一番しあわせな食堂』 私の未来を照らす作品

映画『世界で一番しあわせな食堂』 私の未来を照らす作品

2021年2月22日。「2」がたくさん並ぶ日に観た映画にときめいています。いえ、映画の内容とテーマに私の未来を見透かされているようでした。正直、自分の気持ちをうまく整理できていません。興奮した気持ちのままいまつづっています。

フィンランド北部の小さな村にある食堂へ、上海から料理人チェンとその息子がやってきた。恩人を探していると言うが、知る人は誰もいない。食堂を経営するシルカは、チェンが食堂を手伝

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現代アートハウス入門を終えて思うこと

現代アートハウス入門を終えて思うこと

時が過ぎるのは早いもので、もう2月も半ばを迎えようとしています。みなさんはいかがお過ごしですか?私は、1月30日から2月5日まで開催された連続講座「現代アートハウス入門 ネオクラシックをめぐる七夜」に参加しました。(もちろん、感染対策は徹底して!)今回の映画エッセイでは、この七夜連続の講座を通してアートハウスについていま思うことをまとめます。まずはそれぞれの作品の紹介と簡単な感想です。

第1夜 

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ニャンコ先生好きでなくても、きっとハマる猫映画3作品

ニャンコ先生好きでなくても、きっとハマる猫映画3作品

ここ最近、動物を主人公にした映画を観る機会が増えたように感じます。なかでもニャンコ先生(←愛情を込めて、私は日頃から猫をこう呼んでいる)が活躍している映画が気になります。そこで 今回はニャンコ先生の映画を3作品ご紹介します。

お気づきかと思いますが、最初のチラシは中国の大ヒット映画ですよね。『羅小黒戦記』。ファンの方は、中国語字幕と日本語吹替版と、両方とも繰り返し鑑賞しているみたい。私は字幕版で

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映画『滑走路』 今年一番、鼻がツーンとした作品

映画『滑走路』 今年一番、鼻がツーンとした作品

鑑賞してからちょうど1ヶ月。時間が経ちましたが、観た感想をどうしても書き残したいと、想いをまとめます。

『滑走路』

2017年12月25日に初版が発売された、「歌集 滑走路」を映画化した作品。作者である萩原慎一郎さんは入稿したのち、自ら命を絶ったそうです。当時この歌集はとても話題になったとか。お恥ずかしい話ですが、私は知りませんでした。それ故に、行きつけの映画館に掲示してあったポスターにもさほ

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台湾と映画と私

台湾と映画と私

そうだ台湾に行こう!

1月に初めて訪れた台湾・台北。世界の動乱が起きる直前でした。いまでは3年ぐらい前のことのようにとても懐かしく思います。その時に撮った写真を見返していると、映画館巡りをしたり、地元の人が行く飲食店に行ったり、日帰りバスツアーに参加したり(160人中、日本人は一人。私だけ)、すべてが“I LOVE TAIWAN”だったことを思い出すわけですよ。ちなみに、こんな感じです。写真のい

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