加美村啓

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記事一覧

加美村啓
1年前
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おはようございます

加美村啓
1年前
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アウトプットは、出そうとして出せるものではない。勝手に溢れ出るのだ。インプットされて、醸成されたものが。逆に、インプットは、勝手にはできない。自分から取り込もうと思って、努力してインプットされるのだ。だから、やるべきことはインプット。アウトプットは、その後、勝手に出る。

加美村啓
1年前
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『コティロリー・ザツベルクラータの雪』

『コティロリーザツベルクラータの雪』 加美村啓  不穏な空気が流れている。もし平常通りならば、静かな午後になるはずだったその日、……残念ながら、……静寂と平和は…

加美村啓
1年前
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小説『緑』

『緑』第五話 風が緑なら、光が緑なら、声が緑なら、『夕』の入る余地はない。そこに『夕闇』は、ないから。青く晴れ渡った空に白い雲の広がる『朝』もないし、光り輝く六…

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小説『緑』

『緑』第四話 響くわけがない。そう彼は思った。何といっても、ここには『緑』しかないのだから。自分ですら『緑』であって、風も光も声までも、全てが『緑』なのだ。美し…

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加美村啓
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小説『緑』

『緑』第三話 2018年4月は、彼の長い長い人生の冬の終わりを舞い散る大量の桜の花びら達と一緒に、いつまでも祝ってくれているかのようだった。バラ色ではなくて、辺り一面…

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『緑』

『緑』第二夜 その帰り道、『緑』が思っていたのは、「あれは、何だったんだろう?」だった。 彼は、毎年六月になるとそこに訪れる。これで四回目だった。初めてそこに訪…

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見渡す限り緑の世界の中に足を踏み入れて、ひんやりとした空気が体を吹き抜けた。そりゃあ、ぶるっとしたけれども、同時に六月の強い陽射しも体を居抜き続ける。それよりも…

加美村啓
1年前
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。。

加美村啓
1年前
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幸せであれ✨

加美村啓
2年前
+4

ただ空である。

加美村啓
2年前
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希望砲

加美村啓
2年前
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コスモス

加美村啓
2年前

celebration

加美村啓
2年前
3

アウトプットは、出そうとして出せるものではない。勝手に溢れ出るのだ。インプットされて、醸成されたものが。逆に、インプットは、勝手にはできない。自分から取り込もうと思って、努力してインプットされるのだ。だから、やるべきことはインプット。アウトプットは、その後、勝手に出る。

『コティロリー・ザツベルクラータの雪』

『コティロリー・ザツベルクラータの雪』

『コティロリーザツベルクラータの雪』 加美村啓

 不穏な空気が流れている。もし平常通りならば、静かな午後になるはずだったその日、……残念ながら、……静寂と平和は、この町とこの物語の主人公たちには訪れなかった。

 舞台はアミストロットベクヤーダというなんの変哲もない普通の町である。

 そこには、生前はトーラ・ネコラフという名前の、三十四歳の冴えない男が住んでいた。 彼はのちに、アンストン・ウェ

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小説『緑』

小説『緑』

『緑』第五話
風が緑なら、光が緑なら、声が緑なら、『夕』の入る余地はない。そこに『夕闇』は、ないから。青く晴れ渡った空に白い雲の広がる『朝』もないし、光り輝く六月の『緑』の『昼』もない。『闇』と言っても『夜』ではないし、そうなると朝も昼も夜もない。また勝手なことを言っている。声も言葉もないのなら、どうしてこれが書けるというのだろう?いや、むしろ、書かないことの方が可能だ。書かないっていうのは、どん

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小説『緑』

小説『緑』

『緑』第四話
響くわけがない。そう彼は思った。何といっても、ここには『緑』しかないのだから。自分ですら『緑』であって、風も光も声までも、全てが『緑』なのだ。美しいはずのその『緑』はしかし、今や彼の目を痛めつけているのだった。『夕』がいるわけがない。「どうして、私がいちゃいけないわけ?勝手にそんなストーリーにしないで」いや、いないよ。勝手にも何も、俺だって気がついたら『緑』の中だったんだ。そう言って

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小説『緑』

小説『緑』

『緑』第三話
2018年4月は、彼の長い長い人生の冬の終わりを舞い散る大量の桜の花びら達と一緒に、いつまでも祝ってくれているかのようだった。バラ色ではなくて、辺り一面桜色のその世界が、むしろもっともっと華やかでずっとずっと輝いて見えたのは、そこに夕(ゆう)がいたからだ。彼が夕のことを思い出す時は、いつも桜が舞っていたのだった。彼女の周りに。彼女の背景に。優しい風も吹いていた。雨が降っていようと、ど

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『緑』

『緑』

『緑』第二夜

その帰り道、『緑』が思っていたのは、「あれは、何だったんだろう?」だった。

彼は、毎年六月になるとそこに訪れる。これで四回目だった。初めてそこに訪れた時には三十代の前半だった彼は、今ではすでに三十代の後半に差し掛かっている。見た目はそれほど変わっているようには見えなかったのと同じように、中身もそれほど変わってはいなかった。しかし、それこそが問題だった。

「いつから変わらなくなっ

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緑

見渡す限り緑の世界の中に足を踏み入れて、ひんやりとした空気が体を吹き抜けた。そりゃあ、ぶるっとしたけれども、同時に六月の強い陽射しも体を居抜き続ける。それよりも、目が痛い。目が。目に入ってくる緑が強すぎる。風も光もここの緑には敵わない。いや、ここは風も光も緑なのである。「どうして、ここだけ?」空気は緑になり、光も緑になる。
「何度目だ?」その声も緑だった。ここには、緑しかない。「答えてどうする?」

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