酉果らどん

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インディーズ音楽シーンに眠っているお宝ミュージックを発掘するブログ「発掘音楽調査ファイル」をメインに、独特の切り口で音楽にまつわる記事を書きます。

記事一覧

やらなきゃいけないおばけ【詩の練習帳 43】

やらなきゃいけないおばけは 過去の遺産が 目につくほど たくさん発生する やりたかったはずのことなにに いつしか やらなきゃいけないことになって やらなきゃいけないお…

酉果らどん
21時間前
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異世界トレイン【詩の練習帳 42】

車両の真ん中で 揺られてる 座席には うつむく人だらけ みんな異世界に アクセスしてる 身体はこの世に 在るけれど 精神はまるで 向こう側だ 紙の本を読んでる人など …

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夢の中の学園【詩の練習帳 41】

夢の中では たまに登場する 学校がある 今日もおそらく その学校が舞台だ ぼくは大学生のような服装だが クラスメイトはみんな 妙な服装をしている 原宿に居る者たちよ…

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悲鳴の媒介者【詩の練習帳 40】

マフィンを食べてたら 周りに居たこどもたちが 鼓膜の破けそうな 悲鳴をあげた ついでに その悲鳴を聞いた女性も 鼓膜の破けそうな 悲鳴をあげた もうここまで来れば ぼ…

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四季の棺桶【詩の練習帳 39】

夏が まだ死にたくないって 言っている 秋が いいから早よ棺桶入れって 言っている 冬が お前はすぐ死ぬんだから 早よ棺桶入れって 言っている 春が 何も言わずに 眠っ…

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ダブル【詩の練習帳 38】

ぼくらは 背中がくっついてる 一卵性双生児 背中でくっついてるから お互いの顔は みたことがない 手術をしようにも 背骨はひとつだから どちらか一方が 背骨を失くして …

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クラッシュ・ディスク【詩の練習帳 37】

ぼくの家の床は CDでできている 踏めば割れるから 大切なCDは 踏まないようにする 大切じゃないCDでも たまに聴きたくなるから 割れると結構悲しい けれども 床が全部CD…

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満天の星空【詩の練習帳 36】

知らない土地の摩天楼 ぼくはずぅっと 上を見渡し ネオンライトの 光線を浴びてた 脆くなっていたのか いつしか首は 取れてしまい 冷たいコンクリートの上に ごろりと落…

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ブキヨウ星人【詩の練習帳 35】

もうすぐお寺の脇の狭い道が 銀杏だらけになって 悪臭を放ち始める ぼくは その匂いをかんで 去年の項垂れてた 日々を思い出すだろう 半袖が少しずつ 鳥肌を立て始めると…

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仮眠ぐす〜ん【詩の練習帳 34】

通勤ラッシュで 慌ただしい駅を 寝ぼけ眼で 歩いてる とうとう力尽きて ベンチに座り 背骨を折りたたんで 目を瞑る お腹に挟んだ リュックの枕が 程よく皮膚を刺激する …

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夜間飛行の準備【詩の練習帳 33】

煌々と点る 蛍光灯の下 エアコンの秋風が そよぐ涼しい部屋で 夜が来るのを 待っている スクリーンに 映し出された 月のかたちは どんなだろう 月が吹く風が 金木犀の…

酉果らどん
11日前
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家の迷宮【詩の練習帳 32】

いえいえ、 私が申し上げているのは 家のことでして… いえいえ、 そうではなくて… はい? 家が塞いで通れないって? そんなバカなこと あるわけないでしょうに… 突…

酉果らどん
11日前
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空と海【詩の練習帳 31】

空が泣いている 海が涙を吸い上げている オレの水を返せと 怒ってる 空は怒られて 大粒の涙をぽとぽと 落としてる 海の怒りが収まったら 今度は空が 白いミンクのコー…

酉果らどん
12日前
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この後詩を投稿するので、しばしお待ちください。

酉果らどん
12日前
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表現の旅路【詩の練習帳 30】

過去に生み出したものが 未来の作品の糧になる はじめはひとつだったものが ふたつになり よっつになって やっつになる ひとつだったものが なくなることもある 積み重…

酉果らどん
13日前
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こころのままに【詩の練習帳 29】

意識しないところに 答えがある 無意識的に選んだものは 自分の奥底に眠るもの ふと過去の自分に 答えを渡される 今まで解けなかった 問題用紙が すらすらと 解けてゆく…

酉果らどん
2週間前
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やらなきゃいけないおばけ【詩の練習帳 43】

やらなきゃいけないおばけは
過去の遺産が
目につくほど
たくさん発生する

やりたかったはずのことなにに
いつしか
やらなきゃいけないことになって
やらなきゃいけないおばけになって
背中にどんどんつきまとう

やらなきゃいけないおばけは
実態を持たないくせに
背中にとりつかれると
とても身体が重くなる
ついでに
こころも重くなる

やらなきゃいけないおばけを
背中からとり除けたら
おばけになってし

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異世界トレイン【詩の練習帳 42】

車両の真ん中で
揺られてる

座席には
うつむく人だらけ

みんな異世界に
アクセスしてる

身体はこの世に
在るけれど
精神はまるで
向こう側だ

紙の本を読んでる人など
誰ひとりとして居ない

きっと
ぼくも異世界に
いるのかもしれない

この電車には
乗らない方が
よかったかもしれない

たくさんの肉の塊が
小さい画面に
ケーブルをつけて
情報を抜き取るだけの
異世界だ

夢の中の学園【詩の練習帳 41】

夢の中では
たまに登場する
学校がある

今日もおそらく
その学校が舞台だ

ぼくは大学生のような服装だが
クラスメイトはみんな
妙な服装をしている

原宿に居る者たちより
若干未来型の。

至る所にはクモの化け物や
蠍と蛇が合体したような
生物まで居るにも関わらず
みんな平気で学生生活を送っている

化け物が暴走した際には
トリケラトプスのぬいぐるみが
避難誘導してくれる

おそらく、教師だと思

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悲鳴の媒介者【詩の練習帳 40】

マフィンを食べてたら
周りに居たこどもたちが
鼓膜の破けそうな
悲鳴をあげた

ついでに
その悲鳴を聞いた女性も
鼓膜の破けそうな
悲鳴をあげた

もうここまで来れば
ぼくも悲鳴を
あげてやろうと思ったが
いかんせん
鼓膜が限界だ

今、ぼくが
悲鳴をあげたら
この鼓膜は破れるだろう

正直、みんなが
悲鳴を上げる理由が
わからなかったが
視界の端に
黒色の人気者が
コンクリートを這うのが見えた

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四季の棺桶【詩の練習帳 39】

夏が
まだ死にたくないって
言っている

秋が
いいから早よ棺桶入れって
言っている

冬が
お前はすぐ死ぬんだから
早よ棺桶入れって
言っている

春が
何も言わずに
眠っている

鈴虫が
秋を応援していて
無理やり夏に
お経を唱える

でもまだ夏が
死にたくないって
言っている

四季の棺桶は
年中通して開いてる

季節はこうして廻ってる

ダブル【詩の練習帳 38】

ぼくらは
背中がくっついてる
一卵性双生児

背中でくっついてるから
お互いの顔は
みたことがない

手術をしようにも
背骨はひとつだから
どちらか一方が
背骨を失くして
死ぬことになる

そこで
天才外科医は考えたのだ

ひとりの人間に
してしまえばいいと

脳みそを
ソーセージのように分解して
ふたり分を合体させた

身体のあらゆるところが
二倍になって
こころなしか
見える景色が広くなった

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クラッシュ・ディスク【詩の練習帳 37】

ぼくの家の床は
CDでできている

踏めば割れるから
大切なCDは
踏まないようにする

大切じゃないCDでも
たまに聴きたくなるから
割れると結構悲しい

けれども
床が全部CDだから
どれかを割って
進まなければならない

割れたCDは捨てるのだけど
新しいCDを買ったら
割れたCDの下から
床として生えてくる

もう流石に引っ越したいけど
引越し資金が貯まるまでは
この家に住むしかない

C

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満天の星空【詩の練習帳 36】

知らない土地の摩天楼

ぼくはずぅっと
上を見渡し
ネオンライトの
光線を浴びてた

脆くなっていたのか
いつしか首は
取れてしまい
冷たいコンクリートの上に
ごろりと落ちた

けれども
だぁれも拾ってくれない

手元の電子無線に夢中で
見向きすらしてくれない

おまけに
ぼくの首を蹴っ飛ばして
サッカーする者までいる

上下左右逆転する視界に
ネオンライトが
ぐるぐる線を描く

残された身体は

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ブキヨウ星人【詩の練習帳 35】

もうすぐお寺の脇の狭い道が
銀杏だらけになって
悪臭を放ち始める

ぼくは
その匂いをかんで
去年の項垂れてた
日々を思い出すだろう

半袖が少しずつ
鳥肌を立て始めると
不時着したUFOから
重傷を負って飛び出し
傷を癒しながら生活する
宇宙人のことを
思いだすのだ

とりあえずすべて
投げ出したものの
手のひらに残ったものは
たくさんあった

なんなら
抱えるぐらいはあるので
総動員して生きて

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仮眠ぐす〜ん【詩の練習帳 34】

通勤ラッシュで
慌ただしい駅を
寝ぼけ眼で
歩いてる

とうとう力尽きて
ベンチに座り
背骨を折りたたんで
目を瞑る

お腹に挟んだ
リュックの枕が
程よく皮膚を刺激する

程よく刺激された皮膚を
炭火の煙をまとった風が
ただがむしゃらに撫で回す

雲ひとつない空には
卓上電灯が吊り下がって
じりじり皮膚を焦がしてく

秋めく空とは言い難い
夏休み気分の抜けない空を
半目になりながら
睨みつける

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夜間飛行の準備【詩の練習帳 33】

煌々と点る
蛍光灯の下

エアコンの秋風が
そよぐ涼しい部屋で

夜が来るのを
待っている

スクリーンに
映し出された
月のかたちは
どんなだろう

月が吹く風が
金木犀の香りなら
なおさらいいのだけど

陽の光を避けて
木造の城のなかで
あることないこと
妄想してる

妄想が過ぎて
白い壁に三日月を描いて
金木犀の香水を
ふりかけた

さぁ、夜だ
そろそろ準備をしようか

家の迷宮【詩の練習帳 32】

いえいえ、
私が申し上げているのは
家のことでして…

いえいえ、
そうではなくて…

はい?
家が塞いで通れないって?

そんなバカなこと
あるわけないでしょうに…

突然家が生えてきた?
そんなキノコじゃあるまいし…

え?
今、家に襲われてるって?
そんな怪獣じゃあるまいし…

あれ、
もしもし?

そんな電話を最後に
電話の声の主の
行方はわからなくなった

広大な畑には
一夜にして
住宅

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空と海【詩の練習帳 31】

空が泣いている

海が涙を吸い上げている

オレの水を返せと
怒ってる

空は怒られて
大粒の涙をぽとぽと
落としてる

海の怒りが収まったら
今度は空が
白いミンクのコートを着て
海に向かって
自慢する

海はミンクのコートが欲しくて
高潮で手を伸ばすけど
空にはなかなか
届かない

そんなことをしているうちに
海はまた怒り出し
嵐を呼んで
空が着ていた
ミンクのコートを剥ぎ取らせ
空がまた大泣

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この後詩を投稿するので、しばしお待ちください。

表現の旅路【詩の練習帳 30】

過去に生み出したものが
未来の作品の糧になる

はじめはひとつだったものが
ふたつになり
よっつになって
やっつになる

ひとつだったものが
なくなることもある

積み重ねたり
無くしたりしても
根本にあるものは
おんなじだ

愛と不安

光を追い求め過ぎると
太陽に焼かれて死ぬ

月の影に怯えながら
海と空の間を
不安定に飛行する

翼に火がつき
全焼する直前に
海に飛び込む者もいる

表現は狂

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こころのままに【詩の練習帳 29】

意識しないところに
答えがある

無意識的に選んだものは
自分の奥底に眠るもの

ふと過去の自分に
答えを渡される

今まで解けなかった
問題用紙が
すらすらと
解けてゆく

純粋な感情は
時に自分自身の
助け舟となる

こころのままに
感情の流れに
身をまかせ

今この時を
生きようじゃないか

今すぐ
答えが出なくとも
いつの日か
それが
答えになるさ