家の迷宮【詩の練習帳 32】

いえいえ、
私が申し上げているのは
家のことでして…

いえいえ、
そうではなくて…

はい?
家が塞いで通れないって?

そんなバカなこと
あるわけないでしょうに…

突然家が生えてきた?
そんなキノコじゃあるまいし…

え?
今、家に襲われてるって?
そんな怪獣じゃあるまいし…

あれ、
もしもし?

そんな電話を最後に
電話の声の主の
行方はわからなくなった

広大な畑には
一夜にして
住宅街が出来上がった

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