記事一覧
「奏章プロローグ」と『被検体:E』の矛盾点について:FGO2部考察
7章の終了直後、にわかに追加された「奏章プロローグ」では、あらたな物語の始まりとともに、2部を通して提示されている謎『被検体:E』についての「結論」じみたものがシオンの口から提示されていました。
しかし、ここで明かされた結論には、現時点では明らかに矛盾があるように感じ、さらにはその矛盾は意図的に仕込まれているのではと思ったため、自分が内容の整理のためこの記事を作成いたしました。
この記事では、あく
『15秒のターン』感想
時間の感覚とはひどく主観的で、感情が大きく揺らぐ瞬間は振り返ってみると永遠のようにも感じられる…かもしれない。それが、たった15秒でも。
紅玉いづき先生の『15秒のターン』は著者のデビュー15周年を記念して刊行された青春小説を5編収録した短編集です。文庫かつどれも読みやすい分量で一気に読んでしまえる勢いと、卓越した文章力を感じる作品でした。
表題作の「15秒のターン」は初出が2008年、3作目
「エス」とは何か?:『ALTER EGO』感想・考察
※別所に掲載していたものを発掘したので再掲しています※
『ALTER EGO』をプレイしていく中で、自分が納得するために走り書きしていたものがあったので、ある程度読めるように整理しました。
はじめに、最後まで読んでも万人が納得できる、明確な結論はありません。
ただ、プレイ後に何かを考えるきっかけになってくれればと思います。
※注意事項※
・『ALTER EGO』のあらゆるネタバレを含みま
「Liminal Space」とオタクの心象風景
見た目は同じなのに、気づいたら自分だけが別の世界に移動している…そんな妄想をしたことが人生で一度はあるかと思います。そんな感覚を的確に思い起させてくれるのが、「Liminal space」です。
「Liminal space」とは
「Liminal space」というのは、4chan発祥のインタネット・ミームで、FANDOM内「Aesthetics(美学) Wiki」によれば「他の2つの場所お
心がつらい時は『檸檬』を読むとややマシになる:日記
生活をしてると時々、漠然とつらい気持ちになって、なんだか何もする気が起きなくなることがあります。昨日までバカみたいに周回していたゲームが、なんでこんなことをしていたのかと虚無感まみれになって、うっかりデータ消しそうになる。消さないが…。(いっそのこと消せれば一番よいのに)
そういう「なんだかな」という日は、漠然と文字列を追っていると心が落ち着くことが多いのですが、最近特に読むのが梶井基次郎『檸檬
現実<ゆめ>を見ているのはどっち?:『NEEDY GIRL OVERDOSE』感想・考察
『NEEDY GIRL OVERDOSE』は、最強のインターネットエンジェルを目指す承認欲求強めな「超絶最かわてんしちゃん」こと「あめちゃん」を、導いていくADVゲームです。
※本記事は『NEEDY GIRL OVERDOSE』の各エンディング・および最重要のネタバレを含みます。未プレイの方は下記URLへアクセスして購入&プレイをしましょう!!
本作品はプレイヤーの選択次第で、いくつものエンデ
宮嶺望は寄河景にとっての「特別」だったのか:『恋に至る病』考察
!!本記事には『恋に至る病』の全編に渡るネタバレが含まれています!!
『恋に至る病』は斜線堂有紀先生による、先日発売された作品です。
『青い蝶(ブルーモルフォ)』という参加者は最終的に自殺してしまうというゲームのマスターである寄河景と、そんな彼女を観測し続けた宮嶺望という二人の物語。
『青い蝶』は、ロシアで始まったといわれている自殺教唆ゲーム『青い鯨』を下地にしているものでしょう。
本記事