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三城俊一/歴史ライター
2021年10月24日 20:59
中東(オリエント)やペルシア地域(イラン)と聞くと、現代人は「イスラム圏」のイメージを持つだろう。だが、この地域がアラブの征服を受けてイスラム教が定着したのは7世紀のこと。イスラム以前のオリエント世界について、現代日本人はあまり多くを知らない。 アケメネス朝ペルシアは、今から約2500年前にペルシア~エジプトまでにいたるオリエント世界を統一した「世界帝国」である。アケメネス朝に関する逸話は、
2021年10月10日 20:47
日本中世史を専門とする著者による、「鎌倉の王権」をテーマとした本である。書名は「中世」であるが、最後に後醍醐天皇が出てくるくらいで、鎌倉時代の議論がメインである。 鎌倉時代の日本の支配体制は、どのように理解すればいいのか。幕府と朝廷の関係については、研究者の間でも見解が分かれている。1.権門体制論 天皇(朝廷)が中心となり、政治をつかさどる公家、軍事をつかさどる武家、宗教をつかさどる
2021年10月2日 20:30
たぐいまれな扇動政治家であったヒトラー。彼の武器は何といっても「演説」だ。だが、そのすごさを具体的に説明できる人はあまりいないと思う。 本書の著者は歴史学ではなく、言語学方面の専門家(専門は近現代のドイツ語史)だ。なので、歴史の専門家とは違う新鮮な切り口で、ヒトラーの実像に迫ることができる。例えば、150万語に及ぶヒトラーの演説のデータを用い、単語の出現回数などを統計的に分析している。