ともかふぇ

夢の方へ 愛の方へ 風は道を選んだりはしないよ

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大人になるって

悪いことをしたら謝らなきゃいけない とか、 上の人は下の人のお手本になるように とか、 小学生に教えてるようなことは 大人になればそんなこと全然無くって、 自分が悪…

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shiro.

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start.

言葉の話

お久しぶりになってしまったノート。 言葉を綴ることはやめてない、というか これは私にとっての自然な行動なので 言葉が浮かべばどこかで残したり、 私の中で復唱したり…

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うだる暑さ

変わりない寝返り 風鈴の空振り 上昇する赤い金魚 セミの鳴き声がたったの 7日で変わってるなんて 誰も気づいちゃいないよ そんな夏の狭間で 炭酸水の泡に夢乗せて 泳い…

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ここだけ

暖色系のライトだった。 照らすというよりも包むような光で、 私はわざと ゆっくりと瞬きをした。 目が合うと吸い寄せられるように 首に腕を回して距離を縮める。 可笑し…

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夏の風になれたら

夏の風が君のシャツをふくらませる。 背中へと抜けていく風になれたら、 君の髪を少しだけ撫でて通り過ぎる。 汗を乾かし、僅かな涼を注ぐ。 吸い込んだシャツが靡いては…

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月の光とサボテンの花

薄っすらと月の光が窓から射し込む夜。 秒針の音と自分の呼吸だけが響く部屋。 テーブルに突っ伏して考える。 私は何をやっているんだろう。 目蓋も重くうつらうつらにな…

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友達以上恋人以下

______二日前 「そんなんで、大丈夫なの…?」 彼女の積み重なる無計画さに呆れて、彼がため息と共に言い放った。彼は彼女に直接的に当たらないよう、卓上にある物…

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桜が散ってしまっただけなのに

昨夜から静かな春雨が地面を濡らしていた。 明け方もやんわりと降り続けたそれは いつもの通勤時に視線の右側に映る 淡いピンクの密度を薄くしていた。 所々に柔らかい新…

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夢の中のような

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大人になるって

大人になるって

悪いことをしたら謝らなきゃいけない とか、
上の人は下の人のお手本になるように とか、

小学生に教えてるようなことは
大人になればそんなこと全然無くって、

自分が悪くなくてもとりあえず謝らなきゃいけないし、
年下の先輩もいれば、年上の後輩もいる。面倒だ。

厄介だよ、何事も。
笑っていたはずなのに 3秒後には怒ってたり、
泣いていたはずなのに すぐ寝息をたてていたり。

こんな下書きを残した夏

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言葉の話

言葉の話

お久しぶりになってしまったノート。

言葉を綴ることはやめてない、というか
これは私にとっての自然な行動なので
言葉が浮かべばどこかで残したり、
私の中で復唱したりはしてる。

言葉を集めることも変わらず好き。
いろんな本の中で好きな表現は
線を引いたりしようかなと思う。

───────ある友達に言われた。

綺麗事ばかりじゃないのに
綺麗な貴女が好き

文字の中で呼吸してる
ともちゃんが大好き

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うだる暑さ

うだる暑さ

変わりない寝返り
風鈴の空振り
上昇する赤い金魚

セミの鳴き声がたったの
7日で変わってるなんて
誰も気づいちゃいないよ

そんな夏の狭間で
炭酸水の泡に夢乗せて
泳いで淀んで漂う

ここだけ

ここだけ

暖色系のライトだった。
照らすというよりも包むような光で、
私はわざと ゆっくりと瞬きをした。

目が合うと吸い寄せられるように
首に腕を回して距離を縮める。

可笑しいおかしい可笑しい。
こんなに好きなのに、私のものじゃないなんて。
鳩尾の奥底が握られるような痛みが響いた。

高い体温を感じて、大きく深呼吸をする。
藺草の香りと古びた太い木の匂いがした。

でもそれ以上に何にも比喩できやしない

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夏の風になれたら

夏の風になれたら

夏の風が君のシャツをふくらませる。

背中へと抜けていく風になれたら、
君の髪を少しだけ撫でて通り過ぎる。

汗を乾かし、僅かな涼を注ぐ。
吸い込んだシャツが靡いては覗いて、

ほんの少し香りを風に乗せて、
誰にも届かない場所へ飛んで行く。

風になれない私をいつか届けて。

月の光とサボテンの花

月の光とサボテンの花

薄っすらと月の光が窓から射し込む夜。
秒針の音と自分の呼吸だけが響く部屋。

テーブルに突っ伏して考える。
私は何をやっているんだろう。

目蓋も重くうつらうつらになりかけていると、ガタンッと解錠の音に身体が跳ね起きる。漂っていた眠気など消え去った。重い玄関の戸が鈍い音を立てて引かれ、待ちわびていた姿を見せる。

「っ…おかえりなさい…!!」
帰って来たこの部屋の持ち主は真っ黒な硬い靴を脱ぎながら

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友達以上恋人以下

友達以上恋人以下

______二日前

「そんなんで、大丈夫なの…?」
彼女の積み重なる無計画さに呆れて、彼がため息と共に言い放った。彼は彼女に直接的に当たらないよう、卓上にある物を薙ぎ払った。その時床に落ちてしまった止まった時計が君の視線を捉える。

「別にどうだっていいけど。」
彼の立て続けの冷たい言葉に彼女は表情を変えないまま視線を逸した。都合が悪くなるといつもそうして誤魔化す。そんな彼女に彼は苛立ちを募らせ

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桜が散ってしまっただけなのに

桜が散ってしまっただけなのに

昨夜から静かな春雨が地面を濡らしていた。

明け方もやんわりと降り続けたそれは
いつもの通勤時に視線の右側に映る
淡いピンクの密度を薄くしていた。

所々に柔らかい新緑がチラついて
新しく生きることを進んでいる。

毎年そうだ、
桜が散ってしまっただけなのに
春が終わったように感じる。

ほんの少しの肌寒さが
寂しい気持ちと同じくらいで
曖昧な季節の狭間にいる気分。

きっとどれだけ大切にしても

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