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なぜ姿勢を良くするのか
今回は、「なぜ姿勢を良くするのか」というテーマで私が考える姿勢を良くする理由についてお話ししたいと思います。
まず、「姿勢」という言葉の確認をします。
Wikipediaで調べると、「姿勢とは、重力に対して、バランスを取っている時の体の姿である」と書かれています。さらに、「見た目の格好、立ち姿等の目に見える姿形をさすだけではなく、その人の心構え、気持ち、気構えや決意をこの言葉で代用する事がある」
脳卒中の運動麻痺について
ここでは、脳卒中患者の主要な問題の一つである、運動麻痺について話していきます。
運動麻痺(motor paralysis)とは、「上位・下位運動ニューロンの異常による随意運動の障害の総称(筋自体および神経筋接合部の異常、また心因性の運動障害を除く)。大脳皮質運動野から末梢神経線維に至る経路のいかなる部分が侵されても生ずる」と解説されています。そして、脳卒中においては、上位運動ニューロン障害により
高齢者の転倒リスクに対するアプローチ(評価編)
ここでは、高齢者の転倒に関連する要因とその評価方法について話をしていきたいと思います。
高齢者は、若年者に比べて転倒のリスクが高く、転倒による骨折が原因で、寝たきりのような状態になる場合もあります。予防という観点からも、高齢者に対しては転倒リスクに対するアプローチが必要になります。
転倒は、何らかの原因によって身体の正常位置が企図に反して大きくずれ、姿勢反射で応答しえなくなった結果発生すると言
人工股関節全置換術後の動作障害に対するアプローチ①
人工股関節全置換術により、股関節自体が改善しても、動作も必ず改善するというわけではありません。それは、手術による侵襲による痛みの影響もありますし、もともとの筋力低下や可動性の低下、術前からの疼痛回避性跛行が影響している場合もあります。
ここでは、前方進入系の手術後、歩行の術側の立脚中期から後期にかけて骨盤が術側に回旋してしまうケース。つまり、術側の臀部が引けてしまう状態について、お話ししていきた
人工股関節全置換術後の痛みに対するアプローチ①
①人工股関節全置換術後の股関節外側部の痛みに対するアプローチ
人工股関節全置換術は、主に変形性股関節症に対して行われます。寛骨臼と大腿骨頭の両方が置換され、術式は前方系と後方系があります。人工関節置換術の基本知識については、以下の文献を参考にして頂ければと思います。
人工関節置換術の基本的知識ー有効なリハビリテーションのためにーhttps://www.jstage.jst.go.jp/arti
人工股関節全置換術後の脱臼について
THAの手術後のリハビリでは、脱臼のリスクを知り、理解しておく必要があります。
脱臼の要因としては、以下のものが挙げられます。
・寛骨臼コンポーネントと人工骨頭間の求心力不足
・インピンジメント
・脱臼肢位
・コンポーネント設置位置の不良
寛骨臼コンポーネントと人工骨頭間の求心力不足については、股関節周囲の筋萎縮や神経筋疾患などによって起こる軟部組織の緊張不十分、筋力低下などが挙げられ
人工膝関節全置換術後の動作障害に対するアプローチ②
②遊脚期に膝関節屈曲が不十分なケース
ここでは、人工膝関節全置換術後で、膝関節屈曲の可動性は歩行に十分であるにも、遊脚期に屈曲が不十分なケースについてお話しします。
キーワードは、ダブルニーアクション、荷重と抜重、立脚後期の活動として進めたいと思います。
(用語の確認)
・double knee action(二重膝作用):歩行動作における、膝関節の伸展ー屈曲ー伸展ー屈曲の運動をいいます。
人工膝関節全置換術後の動作障害に対するアプローチ①
①術側立脚期に、術側に体幹側方傾斜するケース
人工膝関節全置換術後に下肢のアライメントが改善し、痛みや可動性が改善している症例でも、異常歩行を呈することがあります。
なぜでしょうか?
”術前の荷重時痛 ⇒ 荷重時の異常姿勢” のような術前からの影響が多いのではないかと思います。
ですので、ここでは、異常歩行の原因を術前の状態からと仮定して、主に荷重時の荷重側への体幹側方傾斜に対するアプロ
基本動作の実用性について
理学療法の目標設定では、基本動作の自立を目標とすることも多いのではないでしょうか。
では、どうなれば自立と判断できるのでしょうか?病院で自立度を判定する際は、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士、看護師、介護士など他職種で意見を出し合って決定することが多いと思います。
ここでの理学療法士の役割は、動作をみる専門家として意見を言えることであると思います。
今回は、自立度を決定する際に必要な、動作
理学療法の進め方について
一言に理学療法といっても、その中には、物理療法、徒手療法、運動療法、装具療法、日常生活指導、住環境整備など、様々な介入方法が存在します。
どの時期に何をするかは、対象者によって変わるため、一概には言えないが、理学療法をデザインするにあたって考えておかなければならないことを記載していきます。
理学療法士が対象とする者の多くは、患部を中心とした局所的な生体組織に、何かしらの異常が生じています。骨折