人工膝関節全置換術後の動作障害に対するアプローチ①

①術側立脚期に、術側に体幹側方傾斜するケース


人工膝関節全置換術後に下肢のアライメントが改善し、痛みや可動性が改善している症例でも、異常歩行を呈することがあります。

なぜでしょうか?

”術前の荷重時痛 ⇒ 荷重時の異常姿勢”  のような術前からの影響が多いのではないかと思います。

ですので、ここでは、異常歩行の原因を術前の状態からと仮定して、主に荷重時の荷重側への体幹側方傾斜に対するアプローチ方法について考えていきたいと思います。

術前の体幹側方傾斜は、痛みや体幹下部の不安定性、股関節周囲の機能低下、足部機能の低下などが考えられます。また、片脚で立つという動作は、抗重力伸展の強い活動が必要です。さらに、以下の文献では、骨盤の回旋減少による影響を示唆しています。

変形性膝関節症患者の歩行における体幹傾斜運動と骨盤回旋運動の関係https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/23/1/23_1_163/_pdf



ですので、理学療法評価では、座位や立位で術側へ荷重させた際の骨盤傾斜や体幹の立ち直り、足部、体幹、股関節の可動性や出力、抗重力伸展活動を評価する必要があると考えます。



理学療法では、以下のアプローチが考えられます。

・立位での荷重練習

・鏡など視覚を用いて姿勢修正

・立位荷重での中殿筋・大腿四頭筋の出力向上

・座位股関節荷重での骨盤側方傾斜、立ち直り反応の促通

・体幹、股関節、足部の可動性向上

・下部体幹の安定性向上

・股関節周囲、足部の筋出力向上



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