【プレビュー】『生死を分ける6ポインター』~第37節ファジアーノ岡山VSジェフユナイテッド千葉~

マッチプレビュー

プレーオフ争いを占う大一番。注目は末吉欠場の右WBの人選

 前節・磐田戦は開始早々に失点を喫したが、復帰した選手を中心に粘り強く戦った結果、今季初の逆転勝利を達成。プレーオフ進出に向けて、大きな1勝を挙げた。6試合を残して5位から11位までの勝点差は「5」。1試合の結果で順位が激しく入れ替わるため、ピリピリした空気の中での戦いが続く。

 今節も例外ではない。5位・千葉との勝点差は「3」で、プレーオフ争いを占う重要な一戦だ。千葉は現在6連勝中で、17年以来のプレーオフ進出に猛進している。その中でも、ドゥドゥと日高がコンビを組む左サイドは強烈そのもの。それぞれの推進力が際立つ中、前節・仙台戦ではドゥドゥとのワンツーで左サイドを突破した日高がアシストを記録。阿吽の呼吸だった。

 岡山の注目点は右WBの人選だ。今節は末吉が累積+契約の関係上、出られない。今夏加入後から1対1の強さとスピードで右サイドを制圧してきた背番号17の代わりに誰が出場するのか。考えられる候補は、木村、福元、本山、河野の4選手だ。木村はジョーカーとして後半のギアアップに欠かせず、福元はWBとして経験を積んでいる段階で、第27節・熊本戦で見せた一発を生かすなら途中出場だろう。本山は機動力と運ぶプレーで3バックの右に君臨している。

 そこで河野に期待したい。ケガからの復帰明けでコンディションは気になるが、アシスト能力は突出している。現在の戦い方ではより高い位置に張り出せるため、ひと振りで1点を生み出せる右足を生かしやすく、守備でもさらされにくい。もっとも、背番号16はライバルの出現によってパワーアップしてきた選手だ。リハビリ期間中であっても、自身の成長に目を向けてきたはず。約1カ月半ぶりの出場になれば、闘志を燃やして戦ってくれるに違いない。
好調な相手から勝点3をもぎ取り、さらに勢いに乗っていきたい。

コラム

生命線は3バックのライン設定。ホームで強気に押し込む

 今の岡山にとって、最終ラインを高く設定することが一つの生命線になっている。

 3バックの柳、鈴木、本山が高い位置を取ることで、全体の陣形がコンパクトになる。中盤を押し出すことができれば、2トップからスタートするプレスに中盤の選手が加勢しやすくなり、相手に与える圧力が増す。

 また、選手間の距離が近いということは、ボールを失った選手の近くに味方がいるということ。奪われた瞬間にすぐに相手を囲い込んで即時奪回できれば、厚みのある攻撃につながる。
前節・磐田戦も3バックの選手が押し上げてから、縦パスに対して強くアプローチできるようになり、奪った勢いそのままに相手を押し込んでいった。

 もちろん最終ラインを上げると、背後のスペースが生じてしまう。そこを素早く突かれると、大きなピンチになりかねない。しかし、3バックの右を務める本山はアタッカーに引けを取らないスピードを持つ。彼の守備範囲は自身の背後だけでなく、逆サイドのスペースまでにわたる。背番号15のカバーリング能力が高いライン設定に欠かせない。

 6連勝中と好調の千葉が仕掛けてくる縦に早い攻撃は要注意だ。しかし、受け身になってはいけない。ラインを高く設定して相手を押し込むことが、勝利につながる。


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