【レビュー】『チアゴの得点で先制するも、また勝てず』~第11節ファジアーノ岡山VSレノファ山口~

試合結果

2023 J2 第11節
4/22 14:03K.O. @シティライトスタジアム
岡山(1-1)山口
11分 チアゴ・アウベス
17分 オウンゴール

スタメン

マッチレポート

勝って流れを変えたい岡山と山口の一戦は悔しさの残る引き分け

6試合未勝利の岡山と2連敗中の山口がCスタで激突した“プライド・オブ・中四国”の一戦は風上のホームチームが先に仕掛けた。最前線のチアゴ・アウベスと櫻川にロングボールを供給することで敵陣への進入回数を増やしていくと、11分に試合を動かす。右サイドのスローインからゴール前に入っていき、佐野のシュートは相手DFにブロックされる。しかし、田中がこぼれ球を拾うと、チアゴが後ろに下がりながら左足を振り抜く強烈なミドルシュートをネットに突き刺して、岡山が先制に成功した。

3試合ぶりにリードした岡山は2トップの推進力を生かして追加点を狙っていくも、17分に一瞬のスキを突かれて失点を喫する。左サイドから自陣深い位置に入られると、細かいパスワークから初めてPA内への進入を許した。五十嵐のシュートはヨルディ・バイスがブロックするも、こぼれ球に反応した沼田のミドルシュートが柳に当たってゴールに吸い込まれてしまった。背番号5は膝から崩れ落ちて地面を叩いた。

すぐに同点に追いつかれてしまったが、岡山は前を向いて縦に早い攻撃で勝ち越しゴールを取りに行く。31分、バイスのロングフィードを起点に佐野の折り返しを受けたチアゴのシュートは枠の上へ。その3分後にはチアゴのスルーパスに抜け出した櫻川がシュートを放も、カウンターのチャンスは相手DFのブロックに潰された。

1-1で迎えた後半は、風上の山口が矢島を中心に自陣からパスをつないで攻めていく中で、途中出場の選手が積極的にゴールに向かった。77分には皆川と松橋の連係で左サイドを攻略し、最後は五十嵐がゴール前でシュートを放つも、相手DFの決死のブロックに防がれた。岡山も67分、72分、81分の交代で5選手を投入して終盤はセットプレーを立て続けに獲得してゴールを脅かした。85分にFKの流れから柳の折り返しをチアゴがヘディングシュートを放ち、90分には本山のクロスをまたしても柳がゴール前で競り勝ち、仙波がシュートを打った。しかし、最後まで決勝点を奪うことはできずに試合終了を迎えた。

岡山は6,176人のサポーターと勝利の喜びを爆発することはできず、6試合連続の引き分けでGWの3連戦に突入していく。山口はチームとして志向する自陣からつなぐサッカーを取り戻して連敗を3でストップさせたが、勝利できなかった。

コラム

チームを絶望の淵から救った堀田大暉

堀田大暉が雄叫びを上げながら力強いガッツポーズをした後、ドロー決着を告げるタイムアップの笛が鳴り響いた。

90+4分、山口の左CK。ゴール前に蹴り込まれたボールを柳が頭で跳ね返す。PA手前に転がったクリアボールの先にいたのは、山口の選手だった。途中出場の野寄がバウンドするボールを右足でうまく捉える。低く抑えられたシュートは両チームの選手が入り乱れるゴール前を通過して枠の右スミに一直線に飛んでいく。しかし、堀田が鋭いダイビングセーブでシュートを掻き出した。守護神がチームを絶体絶命のピンチから救ってみせた。

もし、野寄のシュートが決まっていたら、岡山は大きなショックを受けていただろう。ホーム戦で幸先よく先制することができたのに、最後の最後に失点を喫して逆転負け。引き分けが続く中でまだ1敗しかしていないことをポジティブに捉えてきたのに、悔しさの残る逆転負けを突き付けられると、気持ちが一気に沈んでいたかもしれない。自分たちの力に対する不安が襲ってくることも考えられた。

しかし、最後に堀田がシュートを止めてくれたおかげで、勝点1を積み重ねることができた。負けていないことをポジティブに捉えながら、前を向いて戦うことができる。守護神のスーパーセーブがチームを絶望の淵から救った。

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