【プレビュー】『最高の腕試し』~第1節ジュビロ磐田VSファジアーノ岡山~

マッチプレビュー

目指すはJ2の頂
木山ファジ2年目は継続と可能性で進化する

J2優勝とJ1昇格を目標に掲げたシーズンがいよいよ始まる。

2年目を迎えた“木山ファジ”が開幕戦で激突するのは、昨年までJ1に所属した磐田。今季は補強禁止処分によって新戦力を獲得できていないが、元日本代表の遠藤保仁、大津祐樹、山田大記をはじめ経験豊富な実力者が軒並み残留している。チームを率いるのが、森保ジャパンでヘッドコーチを務めた横内昭展監督。監督初挑戦の指揮官の下で、どんなサッカーを志向するのか。未知数な部分は多いものの、決して侮れない相手だ。

しかし、臆することはない。岡山は順調なプレシーズンを過ごしてきた。前から激しく奪いに行く守備、縦に速い攻撃、迫力のあるセットプレーといった昨年の強みを継続しながら、アップデートを図っている。システムは中盤がひし形の[4-4-2]を導入し、敵陣でのボール保持率を高めて主体的な攻撃を展開する仕組みを構築してきた。宮崎キャンプ中に設けられた練習試合では、鹿島、熊本、甲府を次々と撃破。攻守において相手を圧倒し、昨年からの積み上げと新戦術がリンクしてきたことに手ごたえを感じる内容だった。

さらに戦力の融合も着実に進んでいる。昨年に3位でシーズンを終えてプレーオフで涙した選手に、若くてポテンシャルのある選手たちが加わった。水戸から鈴木喜丈、横浜FCから高木友也、田部井涼、G大阪から坂本一彩、千葉から櫻川ソロモンらを獲得。それぞれが特長を遺憾なく発揮し、選手間でのコミュニケーションも深まっている。

無限大の可能性を秘めた新加入選手と昨年のリベンジに燃える選手が一体となってヤマハスタジアムに堂々と乗り込んでいく。

コラム

新戦力・坂本と櫻川が
得点力向上のカギを握る

悲願のJ2優勝を成し遂げるためにクリアしたい数字がある。それは昨シーズンに記録した総得点「61」を「71」にすること。新体制発表会で木山監督は「あと10点、得点力を上げていくこと」と目標を公言した。

昨年に16得点を挙げたチアゴ・アウベスが残留し、永井龍が完全移籍に移行した中で、得点力向上のカギを握るのが新加入の坂本一彩と櫻川ソロモンだ。大きな可能性を秘めるだけでなく既に際立った特長をもっている。

19歳の坂本は高い技術が持ち味。狭いスペースでは鋭いターンで相手と入れ替わり、オープンなスペースではスピードに乗ったドリブルで相手を置き去りにする。鹿島との練習試合ではDFを翻弄してPA内に進入すると、1得点1アシストを記録した。

21歳の櫻川は190cm94kgの強靭なフィジカルが魅力。力強いポストプレーと迫力のあるヘディングシュートでゴールを狙い、開幕前の練習試合では3試合で4得点を奪った。

唯一無二の武器をもつ2人のストライカーは強烈な存在感を放ちながらプレシーズンを過ごしてきた。それぞれが目標の15得点をクリアできれば“プラス10得点”は現実味を帯び、J2優勝とJ1昇格が近づくだろう。磐田との開幕戦で最高のスタートダッシュを切りたい。

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