【レビュー】『前半戦ラストマッチで突きつけられた現実』~第21節大分トリニータVSファジアーノ岡山~

試合結果

2023 J2 第21節
6/17 19:00K.O. @レゾナックドーム大分
大分(1-0)岡山
80分 藤本一輝

スタメン

マッチレポート

勝負強さを発揮した大分が3連勝。岡山は攻守にかみ合わず今季初の連敗

2位・大分と10位・岡山は、ともに得点数が『26』で、失点数は岡山の方が『5』少ない。それにもかかわらず順位に大きな差が生まれている。その理由が表れた試合となった。

立ち上がりから大分が試合を支配した。自陣からパスをつなぐ中、前線の中川と野村が流動的に動き回って数的有利を作り出し、岡山のプレスを空転させてゴールに迫った。10分、高畑と藤本のワンツーで左サイドを突破し、折り返しを弓場が合わせるも、野村に当たって得点とはならず。ビルドアップでチャンスを作る中、プレスでも主導権を握る。松尾がサイドに追い込み、ボランチが縦パスに厳しく寄せる形で岡山の前進を阻む。攻守において地上戦で優位に立ち、27分には藤本がネットを揺らすも、手前にいた中川のオフサイドで取り消しとなった。

前節・東京V戦から先発5選手を変更した岡山は苦しい時間が続く。それでも前半終了間際にセットプレーから決定機を作ったが、坂本のシュートはライン上で掻き出された。

後半は修正を加えた岡山が盛り返す。変更点はIHの守備時の動き方。前半は相手WBをケアしていたが、後半はボールサイドの選手が相手最終ラインに対して2トップと一緒にプレスを掛けていく。徐々に敵陣で奪えるようになると、高橋と鈴木の連係で左サイドを崩して際どいチャンスを作った。72分にはヨルディ・バイスとルカオを投入し、櫻川もピッチに残してセットプレーの迫力を強めた。

大分は72分と78分の選手交代を経て、前線を渡邉とサムエルの2トップに変更すると、80分に先制点を挙げる。渡邉が中央を突き進んでサムエルがゴール前でタメを作り、藤本が角度のないところから左足を振る。ボールはGKの手とポストに当たってネットを揺らした。

追い掛ける岡山は終了間際にルカオが立て続けに決定機を迎えた。90+1分にセットプレーからバイスの折り返しに反応してシュートを放ち、その2分後には鈴木のクロスを頭で合わせるも、得点は生まれなかった。

互いに異なるスタイルで作ったチャンスの数には大差なかった。しかし、得点を決めきる、守りきるという結果に直結する部分で上回った大分が今季三度目の3連勝を達成した。一方の岡山は大胆なメンバー変更も攻守両面でかみ合わず、選手の特長も存分に発揮されず。今季初の連敗を喫してリーグを折り返した。

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難波拓未|サッカーライター
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