【選手名鑑】『競争と成長で狙うJ2優勝&J1昇格』〜ファジアーノ岡山(2023シーズン)~
GK(Goalkeeper)
#1 堀田 大暉(ほった だいき)
昨季途中に湘南から期限付きで加入し、堅守(リーグで3番目に少ない42失点)を築き上げた守護神が背番号を1に変更して完全移籍。驚異的な反射神経と用意周到なポジショニングによる好セーブでゴールマウスに鍵をかける。足下の技術にも自信をもち、ビルドアップにも大きく貢献。練習場で時折に見せる低弾道パントキックに今季は注目したい。
#13 金山 隼樹(かなやま じゅんき)
岡山のユニフォームに袖を通すのはチーム最長の6年目になる。昨季は梅田透吾(清水)が負傷後にゴールマウスを預かると、安定したシュートストップを発揮し、普段から質の高い準備を心掛けるプロフェッショナルぶりを見せた。豊富な経験に裏打ちされた発信力でチームを支え、主将も全うした。オフにベテラン選手が退団したことで最年長になったベテランGKは、責任感と飽くなき向上心をもって岡山のために戦う。
#21 山田 大樹(やまだ たいき)
鹿島から期限付き移籍で加入したヤングマン。大きな身体を生かしたダイナミックなセービングでゴールを守る。コーチングの声は迫力満点で、最後尾から大きな存在感を放つ。左利きであることから、ビルドアップへの貢献も期待せずにはいられない。練習時間の長さと強度に定評のある吉岡GKコーチのもとで一皮むけるか。
#31 谷口 璃成(たにぐち りっせい)
高卒2年目のGKはプロデビューを目指して戦う。プロ1年目の昨季は吉岡GKコーチのもとで誰よりも練習に励み、研鑽を積んだ。どんなにきつい練習でも常に笑顔で取り組む姿勢は"成長したい"気持ちの表れ。守護神争いに名乗りを上げる姿を1日でも早く見たい。GK陣の最年少としてトレーニングで使用した道具の片付けを怠らない。
DF(Defender)
#2 高木 友也(たかぎ ゆうや)
横浜FCから完全移籍で加入したレフティー。持ち味は左足のキックと推進力。ゴール前の状況に合わせてふんわりとしたボールや鋭いスピードボール、味方の頭を狙ったボール、スペースに流すボール、マイナスに折り返すボールなどさまざまな球種のクロスを蹴り分けて、二桁アシストを狙う。練習ではワンツーで深い位置に進入するプレーも見せており、味方との連係プレーでもサイドを打開することができる。粘り強い守備を身に付けることにも意欲を示す。
#4 濱田 水輝(はまだ みずき)
チームの精神的支柱。昨季は訪れた出場機会(第25節・大宮戦)で得点を記録してチームを勝利に導き、質の高い準備を続けるプロフェッショナルかつ頼れるベテランぶりを示した。高さを生かした空中戦の強さは衰え知らず。練習では櫻川と激しい肉弾戦を繰り広げている。跳ね返す力と的確なコーチングでチームの屋台骨を支える。
#5 柳 育崇(やなぎ やすたか)
高さと強さを武器に熱く守るCB。昨季はバイスと不動のCBコンビを組み、パワフルなディフェンスで堅守に貢献した。さらにセットプレー時は得点源を務め、4得点を記録。今季の目標は昨季に続き二桁得点を掲げる。キックオフ前にコンビを組むCBとの熱い抱擁、得点者の頭をバシバシと叩いて祝福する姿は一見の価値あり。ぜひ、スタジアムで。
#15 本山 遥(もとやま はるか)
SBとしてプロの門を叩いた昨季はアンカーにコンバートされて開幕スタメンを奪取。機動力を生かして幅広いエリアをカバーし、強度を出してアグレッシブな姿勢を貫いた。今季は3バックの一角でもプレーしており、2年連続で新境地を拓くか。3バックに必要な守備範囲の広さとビルドアップを持ち味としているため、さらなるブレイクに期待が高まる。練習では身長差20cm以上の櫻川と球際を激しく戦い、力強いシュートブロックを披露している。愛称は"ハルカ"or"ハル"。
#16 河野 諒祐(かわの りょうすけ)
昨季はチーム最多の10アシストを記録。右足から放たれる正確無比なクロスで得点をおぜん立てし、セットプレーのキッカーも担当した。90分間を通して上下動を繰り返し続ける運動量があり、試合終盤でも苦しい素振りを全く見せずに右サイドを駆け上がる。19歳で湘南を契約満了後、JFL、J3を渡り歩いた苦労人。だからこそ、少々のことではブレない芯の強さをもつ。若手が増えたチームにおいて、彼の経験や忍耐力は頼りになるはず。
#23 ヨルディ・バイス(よるでぃ・ばいす)
絶対的なリーダーが今季も岡山をけん引する。豊富な経験に裏打ちされた危機察知と激しく競り合う空中戦でゴールを守る。積極的な攻撃参加も魅力のひとつで、気づいたら敵陣の深い位置に進入していることも。精密なロングフィードで攻撃の起点になり、巧みなFKやPKでネットを揺らすこともできる。昨季に発した『われわれはファジアーノ岡山なので絶対にあきらめることはない』のようなサポーターの心を掴む熱いフレーズが今季も出るか。彼の言動には目が離せない。
#43 鈴木 喜丈(すずき よしたけ)
水戸から完全移籍で加入した左利きCB。非凡な足下の技術を生かした長短のパスと機を見た持ち運びでビルドアップに大きく貢献すること間違いなし。リーダーシップも発揮しており、安定感のある守備を見せることができれば、左CBの定位置は彼が掴んで離さないだろう。CBの顔ぶれを見て、得点への意欲も高める。端正なマスクをもち、立ち姿も美しい。愛称は”ヨシタケ”や”ヨッタケ”。
MF(Mid Fielder)
#6 輪笠 祐士(わかさ ゆうじ)
青山裕高、村井祐規、野本安啓、竹田忠詞、喜山康平が着用してきた背番号6を継承した。昨季途中に秋田から加入すると、すぐにチームにフィット。強度の高い守備と正確な技術を武器にボランチとして攻守に躍動し、欠かせない戦力として過去最高の3位に貢献した。プロ以前は攻撃的な選手だったこともあり、今季は機を見た攻め上がりからのチャンスメイクにも期待。
#8 ステファン・ムーク(すてふぁん・むーく)
止める、蹴るが正確なミッドフィルダー。昨季は5人の外国人選手が所属した影響を受けてメンバーから漏れることも少なくなかったが、23試合出場4得点2アシストを記録し、ゴールに直結するプレーで力を発揮した。今季は外国人選手が4人になったことで、外国人枠の問題とおさらば。質の高いプレーで出場時間の増加を狙う。妻のCarla Maukさんと岡山の街を歩いている姿は、ハリウッドスターが来日したと錯覚するよう。Instagramに投稿している旅行の写真がオシャレ。
#14 田中 雄大(たなか ゆうだい)
アグレッシブなプレーと運動量でチームに貢献するアタッカー。シュート技術が高く、スペースを見つけて飛び込むプレーでゴールを陥れる。激化した中盤のポジション争いを制すために求めたいのは数字に残る結果。得点に直結するプレーで定位置死守なるか。同期入団の本山とのコンビ名は”はるゆう”。
#19 木村 太哉(きむら たかや)
大卒2年目の昨季はケガが長引いて出場機会が減少。今季は復活を期す1年になる。武器である切れ味の鋭いドリブルは唯一無二。がむしゃらなプレーもチームのスタイルにマッチする。守備での貢献とラストプレーの質が向上すれば、一気に化けそうな予感。同期の疋田優人、杉山耕二が武者修行に出る中、新たな同期の高木、鈴木と親交を深めている。練習では強烈なシュートを連発しており、得点への意欲を示す。
#20 井川 空(いがわ そら)
札幌から期限付き移籍で加入した。大きな身体を生かした力強いプレーと豊富な運動量でチームにダイナミズムをもたらす。プレー強度を出しながら、正確な技術を発揮することも可能。中盤と3バックでプレーすることができるユーティリティ性ももつ。大学の先輩にあたる木山監督のもとで、6人の同期と切磋琢磨できる岡山の地でブレイクなるか。早生まれのため、年男の卯年という括りからはみ出ることも多いが、練習後はいつも同期と一緒に談笑しながらダウンをしている。札幌サポさん、大丈夫です。元気に楽しくやっていますよ。
#22 佐野 航大(さの こうだい)
岡山の至宝。高卒1年目の昨季は28試合に出場して3得点2アシストを記録。世代別代表にも初めて選出され、一気にブレイクを果たした。今季はユニフォームのキービジュアルも務め、名実ともにチームの顔を担う。卓越した技術とチームのために戦う献身性、高いサッカーIQで攻守に躍動し、子どもたちに夢を与える。よりゴールに近い位置での起用が予想される今季は得点に直結する仕事に期待。
#27 河井 陽介(かわい ようすけ)
中盤が一気に若返ったことで、今季は彼の経験がより貴重なものになるだろう。昨季に引き続き外国人選手と若手の間に立つ舵取り役への期待が高まる。基礎技術の高さはチーム随一。パスにメッセージを込められる司令塔でありながら、球際を激しく戦うファイティングスピリットの持ち主でもある。いつも満面の笑みで練習に取り組む姿が印象的で、心の底からサッカーを楽むことが上達の近道であることを体現しているように感じる。
#30 山田 恭也(やまだ きょうや)
約半年間にわたる高知ユナイテッドSCへの武者修行から帰還したユース出身者。練習から120%の力を発揮してアグレッシブな姿勢を貫く。彼のがむしゃらさとひたむきさは、ファジアーノのDNAそのもの。あきらめることなく、チームのために粘り強く最後まで戦い続ける。今季はサイドのポジションで出場機会を伺う。
#33 川谷 凪(かわたに なぎ)
清水から期限付き移籍で加わった19歳。持ち味はスピードとドリブルで、チームに縦への推進力をもたらす。ファジアーノでは右サイドのポジションを争うことが予想される。初めてのJ2の舞台で明確な自分の武器を生かすことができるか。大阪生まれ特有の明るさで早くもチームに馴染む。同期の佐野、坂本、谷口と共に練習道具を片づける年少者の役割もしっかりとこなす。
#41 田部井 涼(たべい りょう)
横浜FCから期限付き移籍で加入した左利きの司令塔。高い技術と戦術眼から繰り出されるパスで攻撃のタクトを振るう。狭いエリアでパスを受けることを恐れず、そこから相手の急所を突くキラーパスが武器。パス回しの練習ではパスワークの中心として無双している。3人のリョウが所属するファジアーノでは”タベ”の愛称が定着中。前橋育英高が高校サッカー選手権大会で初の全国優勝を成し遂げたときの主将を務めた。背番号41は群馬に所属する双子の悠と同じ。
#42 高橋 諒(たかはし りょう)
湘南から加入した左サイドのスペシャリスト。左足から繰り出されるキックは一級品で、クロスでのアシストとシュートでの得点に期待が膨らむ。守備が苦手と公言していたが、練習場では激しい守備を発揮している。新加入選手の中では最年長であり、2017年には湘南でJ2優勝も経験。緑の紐に変えたスパイクを着用している。
#44 仙波 大志(せんば たいし)
広島からの期限付き移籍を延長した今季は勝負の1年になる。柔らかなボールタッチは一級品。足に吸い付くようなコントロールと相手の重心の逆を突くドリブルやパスで、攻撃にアクセントを加える。競争が激化した中盤のポジション争いを制すべく、得点やアシストを増やせるか。
FW(Forward)
#7 チアゴ・アウベス(ちあご・あうべす)
昨季のチーム得点王。悪魔の左足をもつブラジル人アタッカーの得点数がチームの行方を左右すると言っても過言ではない。日本人にはないバネをもち、左足をムチのようにしならせて放つ強烈なシュートでゴールを陥れる。ゴール前でのアイディアも豊富で、相手の虚を突くキックフェイントやループシュートも得意。練習場では得点を決めた後に「オハヨウゴザイマース」という声を響かせ、お茶目な一面も披露している。今季も試合終盤に担架に乗ってピッチを後にする”チアゴタクシー"が姿を見せれば、スタジアムがほっこりするだろう。
#9 ハン・イグォン(はん・いぐぉん)
リーグ屈指の突進力をもつアタッカー。サイドから相手をなぎ倒してゴールに向かっていく姿は重戦車を彷彿とさせる。両足で強烈なシュートを放つことができ、シーズン開幕からチームに合流している今季は、昨季に記録した4得点以上の結果を求めたい。表情を読みとることが難しいポーカーフェイスの持ち主だからこそ、ネットを揺らした後に感情を爆発させて喜ぶギャップがサポーターの心を揺さぶる。”ハンさん”の愛称でチームメイトから慕われている。
#18 櫻川ソロモン (さくらがわ そろもん)
千葉から期限付き移籍で加入した大型FW。町田に移籍したミッチェル・デュークに代わる前線のターゲットとして期待がかかる。持ち味は圧倒的なパワーと迫力のあるプレー。クロスに対して身長の高さを生かすだけではなく、DFの背後を取ってヘディングシュートを放つクレバーさも備える。昨季は36試合7得点3アシストを記録し、Cスタでもアシストを残した。今季の目標を15得点。練習後に笑顔で手を振り、見学に来た子どもたちの心を掴んでいる。
#25 野口 竜彦(のぐち たつひこ)
大卒4年目のサイドプレーヤー。昨季は左SBとしてリーグ戦と天皇杯にそれぞれ1試合ずつ出場し、組み立てのうまさとサイドを駆け上がる力強さを見せた。今季は新たな選手が加わった左サイドで、左足のキックと推進力でポジション奪取を狙う。海外サッカーフリークでもあり、全体と自身を俯瞰して見る戦術眼にも注目。練習後は必ずと言っていいほど、裸足になってジョギングをして疲れを癒す。
#32 福元 友哉(ふくもと ともや)
高卒6年目のFW。約半年間におよぶFC大阪での武者修行から帰還した。動き出しの質と両足のシュート技術で勝負するタイプ。昨季に在籍した選手と新加入の若い選手としのぎを削り、出場機会を勝ち取れるか。ストライカーとしてのポテンシャルをもっているため、ケガをせずに1年を通してピッチに立つ姿を見たいところ。政田で誰よりも得点を決めることがアピールの近道になる。新加入の同期と仲良し。
#38 永井 龍(ながい りょう)
昨夏に広島から期限付き移籍で加わり、完全移籍に移行する形で今季もファジレッドのユニフォームに袖を通す。質の高いオフ・ザ・ボールの動きで、パスを呼び込み得点を狙う。前からのプレスを掛け続けることのできる献身性の持ち主で、二度追い三度追いも厭わない。2016年に長崎で記録した二桁得点を再び達成できれば、J2優勝&J1昇格がより一層近づく。2人の息子さんの様子をアップしている”るたしし兄弟の日常”(Instagram)は癒し満点。
#48 坂本 一彩(さかもと いさ)
G大阪から期限付き移籍で加入した19歳。高校2年時に特別指定選手としてJデビュー&J初ゴールは記録済み。昨季はJ1で9試合出場1得点。ユース時代には高校年代最高峰のプレミアリーグWESTで得点王に輝いた。決定力だけでなく、狭いエリアでのターンも持ち味で、細かなステップと巧みなボールコントロールでゴールに向かっていく。U-19代表として国際大会で佐野と共にプレー。今季は岡山でホットライン開通なるか。今季に掲げた目標は15得点。
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