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読書暮らし

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#推薦図書

5月に読みたい、わたしの本棚。

5月に読みたい、わたしの本棚。

もう5月だなんて。びっくりしちゃいますね。

4月は誕生日があることもあって、けっこう自分を見直したりこれからのことを考えたりと内に入ることがここ数年多かったのですが、そんな隙も許されないくらい個人的にとても「え、しんどくない?」って思うことが盛り沢山でした。

あまりにもあまりにも多かったし、大きかったので、落ち込みすぎて一周回っていい感じに開き直ってしまいました。今はとっても元気です。

来月

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あなたのための一冊。米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

あなたのための一冊。米澤穂信『儚い羊たちの祝宴』

「あなたのための一冊。」

最近、お話をしたその人にぴったり合う一冊を一緒に探してみることを始めてみました。

今日はお話したのは、会うたびにお互いの読んだ本の話をよくするお友達。その子自身もよく本を読むし、本屋さんに一緒に行くこともあるからなんとなくどんな本がすきなのかは把握できている(はず)

お互いに書くことを仕事にしていることもあるので、それなら一冊ずつ選んでそれについて書いてみようよ、と

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4月に読みたい、わたしの本棚。

4月に読みたい、わたしの本棚。

気がついたらもう月半ばを越えようとしている。

…けど、今月も書いておきますね。4月に読みたい本。だってまだ半月あるし、読もうと思えば読めるはず。

本棚を見直しながら「どれが今の気分かなー」って選んでたら、わくわくしちゃいました。わたしは自分の本棚のことがとてもすき。

『それからはスープのことばかり考えて暮らした』吉田篤弘とある路面電車が走る町に引っ越してきた青年が主人公。

彼は商店街のはず

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「未来は過去を救う」という言葉について

「未来は過去を救う」という言葉について

少し前に読んだ本に「未来は過去を変えることがある。未来が過去を救うことだってあるんだ」と書いてあった。

これを読んだとき、ああそういう表現でこの感覚が言葉にできるんだ、とすとんと落ちる感覚があった。

そのときに考えていたのは羽海野チカさんの『3月のライオン』のこと。

いじめに遭ったひなちゃんという女の子が「わたしは悪くないから絶対に負けない」と主人公の零くんに宣言したシーン。零くんも子どもの

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「やらないではいられないこと」ってなに?『ムーミン谷の11月』

「やらないではいられないこと」ってなに?『ムーミン谷の11月』

ムーミンシリーズのこと、実はずっとずっと気になってました。

去年の夏、初めてムーミンを読んでからいつかシリーズ通して読んでみたい。ムーミンのことをもっと知りたいって考えていて。

よしゃ読むぞ!と決めてから、どうせならとお友達を誘ってムーミンバレーパークにも足を運びました。

これが最高に楽しかったです…!物語のシーンがあちらこちらで再現されていてここかああああと興奮しました。

何よりよかった

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英雄じゃない主人公。『ローワンの魔法の地図』

英雄じゃない主人公。『ローワンの魔法の地図』

今年はもっと意思をもって本が読みたいなと、毎月課題図書を設定することにしていました。

読む本のテーマは「名作児童文学」。

すきだすきだといいながら、もしかしたら忘れてしまっているものもたくさんあるんじゃない?と、思ったから。

一月のはじめに毎月のなんの本を読むかを決めたから、それをひと月でシリーズを読み通す。可能であれば作者のことも調べる。たったの12回ではなんにも変わらないかもしれないけど

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3月に読みたい、わたしの本棚

3月に読みたい、わたしの本棚

3月に入るとすぐに桃の節句がきて、そしたら寒い日と暖かい日が交互にやってきて、ああもうすぐ春が来るんだなあと少しずつ心がうきうきするのを感じています。

このごろはおうちで働く人や、おでかけを控えようだなんてお話もたくさん聞くけれど、わたし自身はあまり変わりなく、ぼやりぼやりと毎日を生きています。

今日は春先に読みたい本を思い出してみることにしました。

◆『アラビアの夜の種族』古川日出男間違い

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わたしが2月に読むのなら

わたしが2月に読むのなら

1日に書きたいな〜と思っていたのに気がついたら節分も、そして立春も終わろうとしている…!

(なんなら1月から書きたかったのです、月日が経つのってほんとうに早い)

読みたい本がとにかくたくさんあるわたしは、目につくものをひたすらに読み尽くす日々を送っています。

だけど、季節だったり時期を大切にして味わうように読んだら、もっと一冊一冊が大切な思い出になるんじゃないかしら、と年末にふと思いました。

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今はただ「過去は変えられる」のだと思いたい。/『マチネの終わりに』

今はただ「過去は変えられる」のだと思いたい。/『マチネの終わりに』

基本的にあまり恋愛小説を読まない。

嫌いなわけではないのだけど、ファンタジーや推理小説、青春ものと違って、恋愛というジャンルはあまりにも身近なものすぎるのだ。

わたしは本を読むときは徹底的な”物語性”を求めているのだと思う。

そうなると自分に置き換えられすぎてしまうと苦しい。特に「泣ける」「切ない」だなんて恋愛ものは避けて通ってきた自信がある。

だから『マチネの終わりに』を読んだのも、本当

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2019年のわたしと読書

2019年のわたしと読書

何かあるたびに手帳やノートに振り返ったり、野望?を書き出すわたしにとっても、1年間の総括はやっぱりちょっとだけ特別です。

お仕事についても、そうじゃなくても、いろいろと変化の多い一年でした。

総評としては「まあまあ面白かったな」と言えるのだけど、だいすきな読書については来年に向けて課題がいくつかあるので振り返りも兼ねて書き出してみようと思います。

エッセイを読むようになった昔から物語を読むこ

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短編びいき

最近、短編集がすきです。

前は長ければ長いほどいいじゃんって思って分厚い本ばかりを探していました。

そのほうがより世界感が構築されているし、登場人物に感情移入できるから。

だけど、このところは短いなかでも頭の中に情景が浮かんで、結末まできちんと持っていけるのってすごい……!!と今更ながらに思うようになったのです。

まだまだいろいろなお気に入りを探して読む日々だけど、最近のいちばんよかったの

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そこはあたたかくてほっとする場所/『古道具 中野商店』

そこはあたたかくてほっとする場所/『古道具 中野商店』

岡山県を訪れたときに古道具屋さんを見つけた。

骨董屋さんと古道具屋さんの違いはわからないけど、どことなくくすんだモヤのかかったような店内や、黄ばんだ古い本独特の香りが妙に懐かしくて落ち着く店。

店内では、店員さんたちが売り物でもあるソファーに腰掛けて雑談をしていた。サボってる、という感じではなく、どこまでもラフな感じでなんだかそのゆるい空気感も相まって、心置きなく品物を手にとっては見ては歩いた

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わたしと柚木麻子さん

料理が出てきてとびきり元気が出る本で何かおすすめあるかな?と聞かれたときに絶対に名前をあげる本があります。

柚木麻子さんの『ランチのアッコちゃん』。

ビタミン小説とも呼ばれるくらい読後には元気になれるこの小説は、わたしが初めて柚木麻子さんの作品に触れた出合いの物語でもありました。

【あらすじ】
屈託を抱えるOLの三智子。彼女のランチタイムは一週間、有能な上司「アッコ女史」の指令のもとに置かれ

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大人になんかなりたくない/ピーター・パン

大人になんかなりたくない/ピーター・パン

ちゃんと見たのはいつが最後だったかもう覚えていないけど、なんて夢のある話なんだろうとわくわくしたことは覚えている。

夜中に突然大人にならない少年とキラキラ光るきれいな妖精が訪れて、そのまま夢の島に空を飛んで連れて行ってくれる。

インディアンと一緒に踊ったり、ご飯を食べたり、みんなで毎日おしゃべりして、海賊はちょっとこわいけど、ひたすらに楽しそう。

最後は危ない目にも逢うけど、必ずピーターパン

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