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2019年のわたしと読書

何かあるたびに手帳やノートに振り返ったり、野望?を書き出すわたしにとっても、1年間の総括はやっぱりちょっとだけ特別です。

お仕事についても、そうじゃなくても、いろいろと変化の多い一年でした。

総評としては「まあまあ面白かったな」と言えるのだけど、だいすきな読書については来年に向けて課題がいくつかあるので振り返りも兼ねて書き出してみようと思います。

エッセイを読むようになった

昔から物語を読むことの比重が重すぎてエッセイにはいまいち興味がもてませんでした。

だけど仕事でコラム調のものを書くことが増えたり、自分でもnoteを書くようになったこともあって、他の人はどんなものを書いているのだろうと手を伸ばすことが増えたように思います。

元々すきだった作家さんのエッセイは、物語の裏側を覗き見させてもらっているようで恥ずかしい。

だけど、小川糸さんの『たそがれビール』や『針と糸』、江國香織さんの『とるにたらないものの』『やわらかなレタス』は何度も読みたくなるくらい大切な存在になりました。

来年はエッセイストの方のものも読んでみようと思っています。

新しい作家さんとの出会い

すきな作家さんがいると突き詰めて読みたくタイプな反面、その人を追うことでいっぱいになってしまって他の方に目がいかなかったり、のめり込むまでのハードルがいくつかある私。

でも今年は原田マハさん、川上弘美さん、千早茜さんの作品に出合えて、まだまだ読めていない作品がたくさんあって本当に幸せな一年間でした。

最初の一冊がどれも最高で自慢したいのだけど
『異邦人』原田マハ
『センセイの鞄』川上弘美
『西洋菓子店プティ・フール』千早茜
だったの、本当に良い出合い方をしたと思っています。自画自賛しちゃう。

ただ特に意識していたわけではないけど、女性作家さんばかり読んでいるこのごろなので、来年はもうちょっと男性作家を意識して読んでいきたいな。

児童文学にもっと傾倒したい

児童書がすきだなと気がついてから、今年は特に読みあさったような気がします。

ファンタジーがすきだったのだけど、もっと"名作”と呼ばれるものにふれたくて図書館に通い詰めたことも。

でも読んでいくうちにあまりにも自分が無知すぎて、背景や歴史をもっと知りたくてこわくなってしまいました。それが今年のいちばんの後悔かもしれません。

来年はもっとじっくりゆっくり向き合いたいです。

『ピーターパン』『メアリー・ポピンズ』はアニメしか知らない人にもぜひ読んで欲しいな。しっかりごっつりした作品です。

特に印象深かった今年の3冊

今年のベストを決めたいな〜と振り返ってみたのだけど、「面白かった」とか「感動した」とか見方がいろいろあって迷ってしまったので「印象に残った作品」で選んでみました。

読み終わってすぐはもちろん、何ヶ月経ってもふと思い出してしまった、そんな作品です。

『男ともだち』 千早茜

年齢も職業も近い部分が多くて、多分今だからこそ響いた作品。

主人公の言葉や心情に何度も重ね合わせてしまいました。最後に彼女が見つけた”自分だけにしかないもの”をいつかわたしも見つけられたら。


『猫を抱いて象と泳ぐ』 小川洋子

小川洋子さんという作家、わたしきっと、ものすごくすきだと思います。静けさのなか、悲しくて狂っているものを丹念に描くのが本当に上手な人。

いろいろと読んだけど今年読んだもののなかでは『猫を抱いて象と泳ぐ』が抜群に沁みました。

静かすぎて、優しすぎて胸が何度も苦しくなってページを繰るのが大変だった。どうかこれ以上リトル・アリョーヒンが苦しくなることがありませんように、と願わずにはいられません。

この作品がすきだという人とは何かとても大切なものを分かち合いながら生きていけるような気さえしました。

『サロメ』 原田マハ

今年一番気になった作家さんかもしれません。

出合いの『異邦人』はもちろん『楽園もカンヴァス』も『暗幕のゲルニカ』も『ジヴェルニーの食卓』もドストライクでした。

『本日は、お日柄もよく』は一生に大切にしたい言葉にも出合えました。だけど、印象に残ったという点では『サロメ』が圧倒的でした。

テーマとして描かれている「サロメ」についての知識は皆無だったし、登場人物の特定の誰かに感情移入してしまったわけでにもないのだけど読んでいる途中本当に意識がぶっ飛ばされるような感覚に何度もなりました。

読書は水の中に潜る感覚がわたしのなかでいちばん近いのですが、この小説は多分息を止めながら読んでいたのだろうと思うけど、本をパタンと閉じた瞬間「ぶわっ」と酸素が入ってきたような。

芸術と狂気と美しさの混沌とした世界を見させていただきました。


***

素敵な本に出合うたびに、新しい作家さんを知るたびに、本がすきでよかったなあと心の底から思います。

わたしの人生のなかで最初に出合った娯楽だし、多分最後の娯楽だし、きっと一生面白い本を探して読んで「ああよかった」って思いながら生きていくんだろうなと思うと、それなりに幸せなのでは?とも思います。

来年はどんな本に出合えるんだろう。

もっともっと本について突き詰められる一年にしようと思います。

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