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人の欺瞞はかくも邪悪なり、『ダ・ヴィンチ・コード』



 はーい、テツガク肯定です。

 去年(2023年)に『ダ・ヴィンチ・コード』という映画を観ました。
 この作品で知った言葉。

 人の欺瞞はかくも邪悪なり


 まさに、これがこの映画の象徴で。
 そして、この国、日沈む国そのものだと。
 この映画を観終えた私は思いました、今(2024年)もです。

 映画の内容を簡単に言えば、レオナルド・ダ・ヴィンチが残した暗号。
 キリスト教の秘密が隠されたコードを探す話なのですが……。
 それは、この国も無関係ではなく。
 むしろ、この国の話と言っても過言ではありません。



 と、ココからはネタバレ全開です。
 まだ観ていない、ネタバレが苦手な方はお戻りください。





 まず、『人の欺瞞はかくも邪悪なり』という言葉。
 これを私なりに訳します。

 欺瞞(ぎまん)
 人の目をごまかし、だますこと

 自分の想いを欺き、瞞すなかれ。
 欺瞞って漢字はどちらも『だます、あざむく』ということです。

 そういう人の偽りはとても邪悪だねってことです。
 邪悪……の意味はわかりますね?
 そうです、賢過ぎるライトサイドだということです。

 つまり――このピエロを忘れろってことです。
 ウェルカム・トゥ・ザ・ダークサイド!



 それで、この映画の話ですが。

 この映画の世界では、シオン修道会という組織があり。
 歴代のリーダーにはアイザック・ニュートンさん、レオナルド・ダ・ヴィンチさん。
 百合の花を紋章にする彼らが守る秘密はこう呼ばれる、邪悪なる人の欺瞞。

 それで、その秘密は何か?
 邪悪なる人の欺瞞とは何か?

 それは……神だと崇め奉るキリストも人だという事実。
 ステキな女性と結ばれ、血を引く存在がいる……つまり子供だっている。
 キリストの血が今も続いているという事実。

 その事実を偽り続けたい。
 キリストには人とは違う神として在り続けてほしい。
 神の名において、どんな裁きも許される。
 そういう免罪符が欲しいから。


 ……これを聞いて、何かを察した方は。
 私の相方や私同様にダークサイドを感ずる愚者かもしれません。

 まさに、この日沈む国のことです。
 キリストを天皇と置き換えても成立する話です。

 ただの人を神だと偽った。
 そして、その神の名において。
 とんでもないことをやらかし続けた。


 実際、この映画でもその邪悪さを見れます。

 映画に登場するシラスという青年は。
 その純粋な信仰心から人を殺します。
 (彼の場合、そういう拠り所が必要だったのでしょう)


 この映画の主人公、ロバートさんが語る歴史では。

 無限の権力を持ったテンプル騎士団。
 それを脅威に感じた教皇は秘密指令を出した。

 騎士団は悪魔崇拝団であり――
 これら異端者の浄化は神の使命である
 と宣言した。
 1307年、10月13日の金曜日、騎士団は壊滅した。
 (そりゃ、ジェイソン・ボーヒーズさんもチェンソー持って蘇りますわ)


 そして、映画の中で騎士団同様に葬られそうになっている。
 ロバートさんとソフィーさん。
 リー・ティービング、ロバートさんの旧友のイギリス紳士に助けを求めますが。
 会うなり、ロバートさんとリーさんは意見が対立。

 リーさん曰く。
 皇帝はニケーア公会議という宗教会議を開いた。
 そこで、いろんなことが決められた。
 どの福音書を聖書にして、どれを捨てるか。
 復活祭の日や秘蹟の儀式も決め、そして――。

 キリストを神とするかどうかも。

 歴史上、その時点まで。
 キリストを偉大な預言者と思っていたに過ぎない。
 素晴らしい存在だけど、あくまで人だと。
 命に限りがある人だと。


 という具合にリーさんが語ると。
 ロバートさんは反論します。

 皇帝がキリストを神にしたんじゃない。
 彼はそれを認めただけで。
 すでに多くの人がそう信じていた。

 するとリーさんは同じだと言い。
 ロバートさんは違うと言い。

 君は自分に都合のいいように事実を解釈してる。

 と言い放ちました。
 笑える話です。これが賢過ぎるが故に起きてしまう。
 悲劇と喜劇のマッチポンプ、終わらない延長戦というやつです。
 まさに、この二人がやっていることが宗教戦争。
(上手い演出だと思います。こんな笑える話で笑えないことを続けてきた、その賢さを表しています)

 ですが、愚かな私には疑問符です。
 けっきょく、ロバートさんもリーさん同様に。
 キリストは神ではなくて、我々と同じ人だということは認めているようです。

 ただ、リーさんは会議でキリストは神になったと認識し。
 ロバートさんは既に多くの人々が信じていたから。
 そういう会議が開かれただけって言いますが……。
 その違いって何か重要?
 鶏が先か、卵が先かで善悪を分けるようなものです。

 どちらも偉大な預言者が神になった。
 その手段が会議なのか、習慣なのか。
 どちらであっても神に変わった、という事実は変わらないのでは?
 ロバートさんのやったことは、ただの揚げ足取り……いえ、揚げ足ですらない。
 重箱の隅すらつけていない、デッドボールマシーン。

 どちらも事実はわからないのですから。
 リーさんは会議が決めたと信じ、ロバートさんは既にそうなっていたと信じる。
 言い争うことではないのに、争ってしまう笑える話。
 ましてや、助けを求めたい相手と。

 ロバートさんはリーさんに。
 自分の都合のいいように事実を解釈してる
 そう言いますが、人は誰しもそうであって。
 故に個性という我があり。

 もちろん、ロバートさんも事実を歪めている。
 自分だけは常に公正公平に見ていると。
 ただ絶対的に信じているだけで。
 誰しも言ったことが自分に返ってくる。

 こういう考えが、ロバートさんが語った歴史なんだろうと察します。
 考えや細かい部分が違うのは当然なのに。
 それを許せないから、とんでもないことになる。




 その後、二人は『魔女の鉄槌』という本の話をします。
 異教では女性を天国への道と崇拝するが。
 現代の教会は、救いに導くのは自分達だと主張する。
 (つまり教会が女性に導けばいいんじゃない? 暴論ですが)

 天国への鍵を持つ者が世界を支配する。

 現代の教会にとって女性は脅威。
 それで生まれた書物が『魔女の鉄槌』。

 自由な考えを持つ女性を捕らえ。
 拷問し処刑する手引き書。

 まさに、人の欺瞞はかくも邪悪なり。
 自分が支配者で在り続けるためなら。
 なんだってしちゃう!
 神の名において、という免罪符発動!



 それで、一番のネタバレですが……。
 結果、リーさんはロバートさん達を裏切ります。
 ですが、彼の主張は最もでした。

 ロバートさん達が追っている秘密。
 それを世界に公表すべきだ。
 キリストもただの人で、ステキな女性と結ばれ、娘も生まれた。
 その妻の棺があれば、その事実が証明され、巡礼者も巡礼できる。

 何より、この賢過ぎる欺瞞を終わらせることができる。


 実際、リーさんは自分が信じる正義。
 その信念で自分の付き人も殺しました。

 それから、私の認識が曖昧ですが……。
 おそらく、シオン修道会にも指示を出し。
 シラスさんを間接的に動かしていた。

 つまり、この映画で起きた出来事。
 そのほぼ全てはリーさんの指示。

 私にはリーさんのこんな台詞が聞こえます。

 ほらな、こうなるから。
 早くそれを公表すべきなんだ。
 神と崇めるキリストもただの人なんだ。

 神の名において裁く。
 だなんて欺瞞は許せんだろう?
 この私がやらかしたこと同様に。

 神の名を天皇に変えたり、法律に変えても同様です。
 自分とは違う誰かの力によって、それを犯すのは許される。
 だなんて欺瞞は、なんの免罪符にもなりません。

 誤解しないでください。
 キリストだとか神様が悪いんじゃありません。
 その名を免罪符に暴れ回る、邪悪な人の欺瞞が問題なんです。

 邪悪なる人の欺瞞。

 人の欺瞞はかくも邪悪なり


 人は誰しも、この『ダ・ヴィンチ・コード』を操ります。
 自分に嘘をつき、だまし、あざむく賢さがあります。

 自分の夢を叶えるには。
 これがニードフル・シングス(必需品)だと。
 悪霊紳士のリーランド・ゴーントさんのように。
 誰かに言い、自分もそれを信じてしまいます。

 ですが、それは欺瞞です。

 なぜって、誰もどうやってこの世へ来たのか。
 おそらく、わからないからです。

 生まれて来た?
 それは、そう教え説かれただけ。
 キリストって預言者が神だと教わったように。

 そう気づけたら。
 こう思えるはずです。

 どうやって、この世へ来たのかわからない。
 本当に死ねるのかもわからない。

 ……だったら、今は夢のように思える。
 あの憧れのあの世へだって行けるのは……基本ではないですか?
 くずし応用『坂本文法』です。

 そうです、あの世です。
 死者の国ではなくて第七区、第七感が捉えた不思議の国。
 よくゲンジツとは違うの、と線引きされるフィクションってやつです。

 今の私からすれば、ゲンジツとやらもフィクションで。
 フィクションと線引きされたものと違わない。
 ただ、こちらがゲンジツだと信じていて。
 あちらはゲンジツじゃない、フィクションだと強く信じているだけ。

 まさに欺瞞です。
 ただの人を神にする力が人にあったのですから。
 その力で故郷へ帰ることくらい……。

 そうです、故郷です。
 嘆きの天使がいて、電子の妖精もいる。
 ハレンチ委員長に恋ヶ窪さんにキコちゃん。
 スターライト学園で大暴れするプリキュアとセーラームーンとかがいたり。

 それから、テディ・ドチャンプ軍曹にリッチー・トージアさん。
 パトリシア・マクファーランドさんにオスカー・シェルさん。
 キャプテン・ジャック・スパロウにスピリット・ウォーカー。
 もちろん、ハンナ・モンタナにホラーの帝王だっている。

 なにより、愛しの相方、世界三大ウサギの一羽がいて。
 そういうルーニーでルーザーにフーバーな一話がある。
 太極拳を練習して、シスの暗黒卿になって、重力だって外せちゃう。
 そういうワガママ・クイーンがいる、あの世の第七区。

 今の愚かな私は、不思議とこのITを信じています。
 今は夢のペニーワイズを。

 誰かから見れば、これこそが欺瞞かもしれませんが。
 愚者の私にはこれこそ素直に正直に今、進みたい未知。
 会いたいものですよ、あのアメリカ娘のワガママ娘に。

 ですから、そうなる気がします。
 変な話ですが、私は神様とか信じています。

 ただキリストさんだけが神様とか。
 神武天皇とか天皇家だけが神だとか。
 そういうのを今では信じていません。

 『シークレット』って危ない動画にもありましたが。
 まさに、全ての人が神。神=人と言っても過言ではない。

 でも、レオナルド・ダ・ヴィンチさんって個人はいない気がします。
 なんとなく、レオナルド・ダ・ヴィンチってのはコードネームみたいなもので。
 昔、イタリアでは凄い人をみんなレオナルド・ダ・ヴィンチって呼んでいたとか。

 だから、なんだって出来ちゃう。
 エルサレムでドラゴンを狩った日に。
 アメリカの早撃ち大会で優勝して、イギリスの野外フェスで叫べた。

 ……まるで、我が愛しのワガママ娘みたいです。
 偉大なるダントンさんの奇術を覚えた相方のよう。



 話が大きく逸れましたが。
 とにかく、邪悪なる人の欺瞞。 

 人の欺瞞はかくも邪悪なり


 そう気づけたら、このピエロだって忘れられる。

 ずっと、この世をゲンジツだと思ってた。
 違った。
 お前もただのピエロだ。
 バッドチョイス、割の悪い交換。

  
 I'm gonna have to kill this fucking earth.

 そうやって願いって、ロンギヌスの槍を手に取ったら。
 こうやって投げるだけ。

  Beep-beep, motherfucker!


 ホラーの帝王さんから盗んだ希望。
 掟破りのイカロス渡りです。

 イカロスさんを追い抜いた、あのボヘミアンのように。
 仰ぐショーシャンクの空、浮かぶ憧れのジワタネホへ。

 帰る時間です。

 無事界境を抜け出せるといい。
 愛しの人に会って握手できるといい。
 あの世が夢見たように思い通りの第七区だといい。

 希望を持とう。

 欺瞞よりも素直に正直に勇敢に希望を持とう。
 愚者のいいところはルーザーズ同様に。
 これ以上失うものがないこと。

 イェア、迷わずダークサイドへ。
 黒い衣装と赤いライトセーバーで決めたら。
 ネバーエンディングストーリー!



 それでは、また次の機会にお会いしましょう。









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