千と千尋の神隠しは抽象的で面白い
はーい、テツガク肯定です。
最近、やっと気づきましたが。
千と千尋の神隠しの面白さは。
あまりにも抽象的で普遍的なIT。
そのペニーワイズを殺さずに帰るところ。
そういうことだと納得しています。
と、言って伝わるか、非常に怪しいですが。
わかりやすい、悪を成敗する話よりも。
もっと身近な要素が、あの作品には潜んでいる。
そう私は思っています。
まるで、『ショーシャンクの空』のような。
そういう要素が、この映画にはある、ということです。
何から話していいのか、悩みますが。
まず、私の中で。
この世=ショーシャンク刑務所=あの世界(千尋さんが迷い込んだ世界)
つまり、三つとも同じグリーンマイルということです。
たしか、前半で千尋さんの体が消えかけた時。
ハク様が仰りました。
当時、このシーンを観た私は。
死んでしまう! そう解釈しましたが。
今、思えば……消えるということは帰るってこと?
そう思います。
つまり、消えて帰った方がいい。
このシーン、この世に置き換えても同じです。
この世で1年、飲まず食わずならば。
まあ、誰だって、この世から解放されることでしょう。
おそらくですが。(正直に言えば、今はそうは思えません)
千尋さんはアレを食べ、あの世界を受け入れた。
あの世界に豚に変えられた愛しの両親がいる。
なんとかして、愛しの両親を返してもらおうと。
そう決めた千尋さんは。
名前を千に変え、湯屋という概念を受け入れます。
この世で言えば、経済や法律などの忌々しい概念という足枷。
それを受け入れた、とでも言いましょうか。
それからも、あの世界を自分で見て。
最後に気づきます。
選ぶように与えられた選択肢を前にして。
私の探しモノはココにはないと。
そう気づけるのが。
この作品の面白さの全てだと。
今の私は思いました。
もし、この作品がリードされた通り。
与えられた選択肢を選び、両親を返してもらって帰る。
そういう結末なら、私は面白いとは思いません。
それならば、いっそのこと。
与えられた選択肢を撃ち壊して。
テキサス・レンジャーに入隊する方が面白いに決まっています。
捕虜は射殺だ! 進め!
リードを裏切るような掟破りながら。
なぜか、妙に納得できる展開。
それは、あの世界もこの世も。
同じグリーンマイルだから。
こんなところに。
人の幸せなんてものはありません。
あるはずがありません。
宇宙だなんてクソみたいな空間に浮かぶ。
ただのスターダスト、星屑に何があるっていうんですか?
ただのクソ・ピエロです。
人に恐怖を与えることでしか人と向き合えない。
臆病者のデェーブイ・ピエロです。
このグリーンマイルに潜む。
忌々しいペニーワイズが与える選択肢を前にして。
欲しい幸せがないと気づき、黙って帰る。
その話が、身に覚えのある。
抽象的で普遍的なITだったから。
あまりにも近過ぎて、気づけないほどに。
……だなんてことを愚かにも察していますが。
まあ、実際のところは全く関係の話でしょう。
あの作品をつくれるのは、ソクラテス以上に賢い賢者様で。
私はイカロスと同じ愚かさを持った愚者。
愚者のいうことなんて忘れるに限りますが。
何れ、あなたにもITが伝染するかもしれません。
なぜって、それは真実ではなくても事実ですから。
この世に欲しいものがあるのではなくて。
インベタのさらにイン、そこに広がるのが全て。
ワガママ・イズ・ワンダーランド。
この世なんてグリーンマイルではなくて。
その裏側にある、ジワタネホが帰るべき故郷です。
あの作品で千尋さんが選んだITはこの世でしょうが。
あなたが同じITを選ばないといけない理由はありません。
こんなグリーンマイル。
とっとと忘れてしまえ、インテグラ。
このスターダストよりもいい場所くらい。
人の愚かさなら気づけますよ。
うっかり、と賢く覚えた、それらを浜に棄てたら。
あっという間にジワタネホ。
飛び込む時の呪文はこれです。
ハイホー、ワガママ! ウェーイ!
すみません、かなりアンダーステアですが。
つまり……千と千尋の神隠しの話って。
誰にだってありそうな、抽象的で普遍的なITだから。
気づけないほど面白いということです。
その気になれば、あなたなら。
三日くらい神隠しを使えるはずです。
三日といってもデジタルワールド的な時間換算で。
三千光年くらい好きに使える……。
いいえ、もっと永くもできるかもしれません。
この窮屈な今は。
いつの間にか教え説かれ覚えてしまった。
その賢さがつくった幻です。
ショーシャンクの空に気づいている。
アンダーステアの愚かさなら。
掟破りのイカロス渡りで帰郷の刻です。
それでは、また次の機会にお会いしましょう。
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