ITは確実にいる、サンタクロースという精霊は


 はーい、テツガク肯定です。

 遅れましたが、今回はサンタクロースという精霊について話したいと思います。

 サンタクロース。
 白い髭と赤い服のお爺さんで。
 トナカイが引くソリで空を駆け、煙突からやってくる。

 そういうIT、私の記憶だとそのITは突然やってきた気がします。
 よくわからないまま、12月25日の早朝に目覚めると。
 見覚えのない、おめかしした箱が枕元にあった。
 確か、その箱はレゴっておもちゃの箱で、午前中に母とそれを組み上げたような……。

 そこから私のクリスマス伝説が始まりました。
 おそらく、幼稚園の頃が始まりだったと思います。
 私がITを認識した、伝説の始まりは。

 その後も続く、12月25日という奇跡の朝。
 何度迎えても、寝ぼけまなこも一瞬で覚める、あの衝撃。

 あるはずのないものがそこにある。
 いるはずのないものがそこにいた。


 どったのセンセ―?
 ああ、そのしかめ面はなんですか?
 どったのですか、ヒーロー?



 世界三大ウサギにつままれたような感じ。
 あるべきはずの過程が抜け落ちている。
 そういう不思議な国へ続く兎穴の痕跡。

 私はすっかりとこの伝説を信じるようになりました。
 ですが、小学校に入った頃にジェダイの夜明けが始まります。
 オーダー99、同級生がこう言うんです。

 サンタクロースなんていないよ。
 ウチは欲しいモノを買ってもらうんだ。
 それがクリスマスプレゼント。

 そういう日々を過ごす中で気づきます。
 どうやらジェダイの世界ではサンタクロースはいない。
 それは商魂たくましい業界のプロパガンダなんだと。

 そして、私も決定的な12月25日の朝を迎えました。
 サンタクロース様への手紙に『まほうのビデオカメラ』が欲しい。
 だなんて無茶を書いた年の12月25日の朝、枕元にあったのは全く違うものでした。

 今までは欲しいモノを届けてくれたサンタクロースさんでしたが。
 この年ばかりは、私が欲しかったモノは届けられなかった。
 この頃、どうも今まで聞いてきた伝説とは違うようだと察しました。

 いつもサンタクロースさんように淹れたお茶が空になっていたので。
 その事実に安心していましたが、思いもよらぬ形で揺らぎました。
 その後、母からもう一つの事実を聞き、私はそうだったんだと理解しました。

 ……ですが、当時の私はこう思ったんです。
 確かに我が家のサンタクロースは両親だったようだけど。
 それでも、サンタクロースはいるはず。
 そう愚かにもハッキリと、シッカリとアンダーステアで、バッチリとかます好奇心ドリフト。

 学校の教科書にもフィンランドだったか忘れましたが。
 ちゃんとサンタクロースの写真付きで紹介されていたし。
 『ホーム・アローン』とかにもいるし、この国にだってサンタのお姉さんがいる。

 もし、当時の私に今、会えるのなら、こう言いたいです。

 君が正しかった。全く以て、そのとおりだと。



 今の私からすれば、この国におけるサンタクロース問題は。
 最初からサンタクロースはいない、幽霊やお化けに神様もいない。
 科学的に証明されないものは全て存在しない。

 そういう夢の欠片もない神道的な考え。
 器の小さな教えをただ信じているだけ。
 結果が決まった話だと思います。

 ですから、街にいるサンタのお姉さんはコスプレで。
 もし、トナカイと一緒に空を駆けるソリが作られても。
 それは、サンタクロースのソリではない、と言うのでしょう。

 ホンモノのサンタクロースは、白い髭と赤い服のお爺さんで。
 トナカイが引くソリで空を駆ける、とんでもない速度で世界を駆ける。
 煙突から入り、煙突がない国の家にも入れる。
 たった一夜で世界中の子供達にプレゼントを届ける。

 そんな偉業を成し遂げる、そういう存在はいないと。


 ですが、それもサンタクロース伝説の一つだと最近は思います。
 ライトサイドのジェダイの皆様はサンタクロースなる精霊はいない。
 そういう伝説を信じたいだけで、だけど、それが全てではない。

 それとは対照的なダークサイドもあるんです。
 闇に紛れ、間を抜き、関を繋ぐ。
 ルーニーでルーザーにフーバーな話。

 我々は今、グリーンマイルの独房の中に。
 抜け出すことができない今日という独房の中に。

 その中で、昨日と明日をつくり、それを信じてしまう。
 だけど、誰も明日へ行って帰ってきていないから。
 昨日や明日を証明できる人などいない。

 それでも、昨日と明日、得体の知れない科学って幻想と経済って錬金術的な幻想だけは。
 しっかりと盲目的に信じている、不思議な無神論者。
 マジで笑える話です。

 何が笑えるって……。
 永いこと、このグリーンマイルを進んでいると。
 想像もしなかった、とんでもないことが起こります。

 例えば、メジャーリーグでアジア人初のホームランキング。
 それが日本人で、日本のプロ野球では打撃タイトルなしの投手がとってしまう。

 30年前の人にそれを言っても。
 ぶん殴られて終わりでしょう。
 甘ったれたことをぬかすな、と。

 それくらい信じられないことが起きれば。
 こんなことを私は愚かに思います。

 高卒で渡米して35歳で念願のメジャーデビューから。
 10年連続の三冠王、身長150センチの小さな巨人的な日本人がいる。
 そういう今は昔な未来があっても全く不思議ではない。

 とはいえ、これすら。
 ぶん殴られて終わりでしょう。
 甘ったれたことをぬかすな、と。

 これが笑わずにいられますか。
 マジで笑えます、想像もしなかったことが起こっても。

 それを偶然とか、〇〇が天才だったからと。


 絶対に信じようとしないんです。
 信じようとしないことを絶対に認めないんです。
 ライトサイドの賢いジェダイ評議会は。


 どんなに赤い風船が浮いていても。
 そのITを掴まないのですから、ペニーワイズが現れるわけもなく。
 何かが起こっても、事なかれ主義を決め込むデリーって街。
 それでいて、隣人同士でいがみ合うキャッスルロックって街。

 その二つの街を足して二で割ったような性根の腐った国が。
 我らの愛しの国、永遠に日が沈んだままの国。
 ようこそ、日沈む国へ!




 本当に笑える話です。
 シスの暗黒卿が海の向こう側で猛威を振るっているのに。
 自分達には関係のない話だと決め込みながら。
 なぜ、自分達は成長できないんだろうか? としかめ面で嘆く。

 そりゃ、フォースを信じない人が。
 フォースの暗黒面を活用する人にどうして追いつけるでしょうか?
 自ら足枷手枷をして、ライトセーバーではなく竹槍でシスの暗黒卿と戦うなど……。
 そこまで必死になって笑いを取らなくてもいいはずです。


 正直に言います。
 今の私はサンタクロースどころか、フォースとか魔法とか。
 ペニーワイズに世界三大ウサギ、スピリット・ウォーカー。
 マイティ・マウスにハンナ・モンタナ、電子の妖精と嘆きの天使。
 それから……ハレンチ委員長、恋ヶ窪さん、他にもいっぱい。
 もちろん、ホラーの帝王にキャプテン・ジャック・スパロウ。

 全部信じています。

 そして、素直に言います。
 我が愛しの相方、世界三大ウサギの一羽と一緒に過ごしたいのですが。
 まだ、それは自分の理想とは程遠い現状にあります。

 とはいえ、それが不可能だとは不思議と思えません。
 実に馬鹿げた話ですが、私はそういうルーニーなことが好きなルーザー。
 フーバーな話を信じる愚者、ダークサイドな未知を選んだ愚者だからです。


 ライトサイドにいたら心強いです。
 同じ幻想、法律だったり律令だったりを信じる仲間がいれば。
 自分は正しい未知を進んでいると偽りごまかせます。

 ですが、永くいると、こう思えてきます。
 こんな器の小さな星屑、地球って名のデス・スター。
 青く醜いスターダスト、臆病者のか弱い独裁者が掟なら。
 私は無法者の愚者がいいと。



 『ローン・レンジャー(2013年)』って映画を観た後だと余計に。
 もし、私もトントさんから銀の弾丸を受け取っていて。
 それを忘れたまま日々を過ごしてきたとしたら?


 君次第だ、キモサべ



 映画の中でトントさんが運命って連結器を撃ち抜いたように。
 綺麗さっぱりとゲンジツを撃ち抜けるのかもしれない。
 ここまで自然界の秩序が乱れていたら、なお、さらに。
 
 ウィンディゴを振り払う、秘密の呪文。

 ハイヨー、シルバー! ウェーイ!
 ハイホー、ワガママ! ウェーイ!


 それを唱えて、『ウィリアム・テル序曲』に跨る。
 これで決まりじゃんか!

 5ヤードラインの攻防を制するのはDボーイズじゃない。
 レンジャーだ、無法者の愚者、ローン・レンジャー!




 と、永く怪文章を描きましたが。

 ようはサンタクロース問題というのは。
 大多数が決めた答えを信じて、とりあえず安心している。
 それが正しいと自分に言い聞かせて。

 でも、それは大人というよりは子供って感じで。

 変な話ですが、サンタクロースを信じている人の方が。
 しっかりと自分で考えている。

 もちろん、私のような例外もいます。私は愚者、相方同様に。
 ですから、あのワガママ娘が絢辻さんを追いかけ回す。
 その様子をエニグマで傍受できる。


 たしか、いつかの話で相方は嘆きの天使にこう伝えました。

 彼女だけのサンタクロースもいるかもしれない。
 それは、白い髭と赤い服のお爺さんではなく。
 少しエッチな変態紳士さん、そういう青年の精霊(魂)で。
 年中無休で隣にいてくれる。

 形のあるプレゼントではなく。
 形のない日々を一緒に過ごしてくれる。
 切れない電球や難病の特効薬よりも頼りなる。
 そういうフーバーなサンタクロースがいるかもしれない、と。

 こんな感じのこと。
 まさに、私にとってのサンタクロースこそ。
 我が愛しの相方、世界三大ウサギの一羽、愚かなFRウサギ。

 やっぱりいるものです。
 テディ・ドチャンプ軍曹が言ったように。
 スーパーマンとかホラーの帝王とかサンタクロースは。
 本当にいるんです。

 ゲンジツがホンモノを倒せるかよ。


 違う、ただのピエロだ。


 サンタクロースは信じる
 復活祭のウサギも
 妖精も信じるが――
 お前は信じない


 ずっと、この世をゲンジツだと思ってた。
 違った。
 お前もただのピエロだ。
 バッドチョイス、割の悪い交換。



 見えない精霊(魂)を信じる、その力こそ。
 スピリット・ウォーカー。
 昨日や明日、フォースに電波、サンタクロースとメフィストフェレス。


 ITを信じるから、信じたITがペニーワイズになる。
 その素晴らしい奇跡の力で。
 サンタクロースはいないと信じるのも……悪くはありませんがね。

 色が気にいらないんです。


 やっぱりライトセーバーの色は赤。
 黒い衣装で決めたら、重力だって外せちゃう、太極拳マスターのシスの暗黒卿。

 いるはずのないものがそこにいて。
 あるはずのないものがそこにある。

 そういう明日に向かって撃て!



 それでは、また次の機会にお会いしましょう。














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