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#おすすめ名作映画
映画『ニューヨーク眺めのいい部屋売ります』 特に予定のない日曜の午後におすすめ
「10年ひと昔」というのだから、40年という歳月は随分と社会のルールや世相を変えてしまう。しかしながら、表面的な変化があっても、その深いところではあまり変わってないのではないか?とも思う。
『最悪のことを思いながら、最善のことを祈る』というのが、主人公アレックスのモットー。共感できる生き方。
その彼が家を売る決意をしてから数日間で忘れていたものに気づくという物語。
モーガン・フリーマンとダイ
映画『未来世紀ブラジル』 私の中に潜むブラジル
学生時代にT先輩と一緒に見た映画。なかなか才気がある人で遊びでイラストを描いたりドラマの脚本を書いたりしてた。三つほど年上だったが、良く飲んで喋った。ビデオの機材を借りて、馬鹿げたドラマを一緒に作ったのも懐かしい思い出。タイトルは『マニラ二号』。如何わしさが満載だわ。彼の影響でモンティ・パイソンも観るようになって、ナンセンスなユーモアに笑い転げていた。
思えば、我々の若かりし頃は全共闘のような熱
映画「さざなみ」 人の心はやわらかくて壊れやすい。すべてを正直に話さなくても…。
『さざなみ』塩辛い映画だった。
人生の晩秋を迎えて、45年も寄り添ってくれた妻に全てをさらけ出さずとも良いのになあ。きっと話さないほうが良いこともあるのだろう。
ジェフよ、いくら愛する妻とはいえ、相手の全てを知ることは不可能だし、自分のすべてを同じように理解してもらうことは不可能に決まってるじゃあないか。
人は何らかの秘密を抱えて生きていくもの。そんな話は墓場まで持っていってくれ。
長年連
映画『桐島、部活やめるってよ』見た 映画って時間が経つと刺さり方が変わるよね
『桐島、部活やめるってよ』を久しぶりに見た。一度目は、目黒シネマで見ているので二度目。
一度目は、最後まで桐島が出てこないという仕掛けに、テーマを忍びこませる凄技に唸らされたのを覚えていたけれど、そこまでは刺さらなかった。青春時代の人間模様を掬ったストーリーは好みの物語だけれど…。私自身は、いわゆるスクールカーストみたいなものを意識しないで生きてきた世代だからか、登場人物にあまりリアルを感じなか
映画『怪物』ー普通ってなんだよー
「普通ってなんだよ」と言う歌を思い出した。最近のロックは大人しい。優しい言葉で、柔らかい音で、世界の片隅に追いやられた人たちの気持ちを包もうとしている。
私のいつも出会う人たちは、自分の殻に閉じこもるか、わからないように隠れるか、逃げるかしている人が多い。多くの人の目に触れることを好まない人も多い。
そんな彼、彼女らは昔のロックのように、今ある世界に対してNOを突きつけ、戦いの狼煙を上げる音楽
『男と女 人生最良の日々』
『男と女 人生最良の日々』2019年公開
「最良の日々は、この先の人生に訪れる」というビクトル・ユーゴーの名言からとったタイトルが素敵。
あの「男と女」から53年後。しかも主演のお二人の体調を考えて撮影が10日間だったとは驚き。
ルイ曰く「死は納めなければならない税金だ」
アンヌは「ひとりでいると死ぬのが怖くなる。二人でいると相手が死ぬのが怖くなる」と語る。
自然な流れで、洒落ていて味わい
『市民ケーン』から『タクシー運転手 約束の海を超えて』
オーソン・ウェルズは、私の世代ではニッカウヰスキーのCMに出ていたヒゲのオジサマ。
その監督デビュー作『市民ケーン』は、新聞王であったケーンが最期に残した言葉「バラのつぼみ」の意味を解き明かそう、と彼の生涯を回想形式で辿る形で物語は展開します。
言うまでもないほどの名作。
「バラのつぼみ」の意味については様々な解釈があるようですが、わたくしが思い出すのは、ソフィアで受けたハビエル・ガラルダ神